不動産の管理会社でシステムを使いこなしパート職員から正社員に【株式会社賃貸管理】

高校時代にビジネススキルの基本を学び、就職先ではパソコン業務を担当していた野口さん。結婚後は全国チェーンの飲食店で接客も経験しますが、店が撤退し、4年前に株式会社賃貸管理に転職。2年後にはパート職員から正社員になり、幅広い仕事をこなしています。

高校時代にワープロや電卓のスキルを身に付けたことで、パソコン業務に慣れるのが早いほうだという野口さん。ガソリンスタンドの事務職の後、薬局で調剤助手と医療事務を兼務していたと言います。結婚・出産後は、全国チェーンの飲食店でパートスタッフとして勤務。接客や調理を担当しましたが、店が十勝から撤退したため、新たな仕事を探さなくてはなりませんでした。「次は地元に根差した会社で働きたい」と職探しをする中、不動産を管理する株式会社賃貸管理の求人に目が留まりました。「もともと家の間取りを見るのが好きだったのと、本社が帯広で経営が安定しているイメージがありました」と面接を受け、4年前にパートで働き始めました。

入社後の仕事は、賃貸物件の部屋の写真登録、退去時の手続き、請求書・契約書作成など、他のスタッフの補佐と電話対応がメインでした。「部屋の写真を撮って登録するのは楽しかったのですが、クレームの電話対応や何百件もあるマンション名を覚えるのが大変でしたね」と振り返ります。

入居者からのクレームは「部屋の備品や設備が壊れた」「隣室の騒音がひどい」「無断駐車の車がある」など、対応方法や判断が難しい内容も多く寄せられます。「そんな時はいつも他のスタッフに相談しました。親身になって考えてくれる人ばかりで、『こう対応してみたら』とアドバイスをもらって乗り切ることができました」。また、マンション名は電話で聞き取りにくい個性的な名称も多かったため、物件リストを何度も見て覚える努力を重ねたそうです。

そうして経験を積む中、物件を管理する複数のシステムを使いこなしてきた働きぶりが認められ、2年前から正社員になりました。現在は、コールセンターで受けた膨大な問い合わせ電話やメールの内容確認と対応、請求書などの書類作成を中心に担当しています。

更に、これまでは対面またはLINEで退去の手続き業務を行っていましたが、新たに入居者専用アプリの運用を始めたところです。「電話は会社につながらないと、コールセンターに流れます。アプリではチャットや『よくあるご質問』により迅速な対応が可能で、退去手続きも来社不要です。互いに効率が良いので、アプリの普及に努めています」と話します。

野口さんは「当社の業務には売り上げのノルマがありません。契約から管理、退去までの手続きや対応など、コツコツと積み上げていくところが自分に向いているのでは」と考えているそうです。最初は難しかった苦情対応も、「親身になって入居者の方々やオーナー様の話を聞き、一番良い策を見つけて行くことが大切」と、これまでの事務職や接客業の経験も生かしながら前向きに取り組んでいます。

日々忙しく働く野口さんは、中学生の子ども2人を育てる母親でもあります。「繁忙期には帰りが遅くなってしまいますが、下の男の子は食べたい時は自分で料理を作りますし、2人とも何かと家事を手伝ってくれるようになりました」。ご主人が夕食を作ることもあり、「家族が協力してくれるから、正社員として働き続けることができます」と笑顔を見せます。

今後は「入居希望者から選ばれやすい物件になるよう、オーナー様に向けてリフォームの提案もしていきたい」と話す野口さん。間取りを見て「ここに住むとどんな感じかな」と空想するのが好きなので、「まずはウェブでルームツアーなどの動画を見て研究し、より良い提案に結び付くアイデアを集めたいですね」と更にステップアップを目指しています。