ケーキは楽しい時間を過ごすためのもの。いつも笑顔で接客しお客様も笑顔にしたい【手作りケーキ工房 あさひや】

人と接することが好きで、ホテル業界へ。フロント係やレストランの業務を経験した後、地元のケーキ店に転職した瀬川さん。常に笑顔での接客を心掛け、「今後は商品パッケージも提案したい」と日々仕事に励んでいます。

人とかかわることが好きで、高校卒業後はホテル業界への就職を決めた瀬川さん。函館のホテルでフロント係を担当し、外国のお客様とのコミュニケーションはボディーランゲージで乗り切ったと笑顔で話します。その後、コロナ禍が続いたこともあって地元の帯広に戻り、就職先を探しました。「以前からクリスマスには『あさひや』のケーキを買って食べていました。いつもとってもおいしかったので、こういうお店で働きたいなと思ったのがきっかけです」と、正社員の求人に応募し、2020年12月に採用されました。

入社後、新人には先輩スタッフが1人付いて指導してくれましたが、人気のケーキ店のため忙しく、先輩の仕事を見て覚えることが多かったと言います。「クリスマスにはレジの前に行列ができるんです。『こんなに混むんだ』とびっくりしました」。今まではお客様の立場だったので気付きませんでしたが、スタッフはお客様をお待たせしないよう常に意識し、効率良く動くことを大切にしているそうです。

前職のホテルではフロントだけでなくレストランも担当していたため、衛生面への気配りを含め、食品を扱うことには慣れていたと言います。一番大変だったのは、ケーキや焼き菓子の箱詰めと、包装紙を使うラッピングでした。「箱のサイズがいろいろあり、色はすべて白。ケーキが何個入る箱なのか、素早く判断できるよう努力しました」。包装紙については、「お祝い用と供物では紙の合わせ目が違う」と初めて先輩スタッフに聞いた時は驚いたと話します。「お祝い用は右側の紙を上に重ねますが、供物など不祝儀の場合は左側の紙を上に重ねるんです。全然知りませんでした」。いろいろな用途で利用される菓子店だからこそ、ラッピングのマナーを習得することができたと振り返ります。

こうして一通りの知識や技術を覚え、今は販売と接客をメインに担当しています。その中で瀬川さんが常に心掛けるのは「笑顔」です。「お客様と目を合わせて笑顔で話し掛けています。帰るまでに1回でも笑顔を返していただくとうれしいですね」。また、毎日休憩室の冷蔵庫にケーキがあり、自由に食べられるため、お客様にケーキの味を説明する時に役立っていると言います。「今日も休憩時に楽しみました。ケーキの素材や硬さも把握できるので、トングでケーキを挟む時の力加減も分かって形を崩すこともありません」とほほ笑みます。

当店ではバレンタインデー、ひな祭り、クリスマスなどイベントごとに、趣向を凝らしたホールケーキを提案しています。オーダーを聞く時には、フルーツやクリームの種類、シューを加えたタイプなど、じっくりと要望を聞き取ります。お客様から「こんな感じのケーキが欲しかったんだ。あなたに頼んで良かった」と喜ばれることに、やりがいを感じているそうです。「ケーキは、楽しい時間を過ごすために選ぶもの。お客様には満足して帰っていただきたいですね」と言い、ホテル仕込みの美しいお辞儀と元気な声で、心地よい接客を実践しています。

今後の目標は、「商品パッケージを自分で一から考えること」と話す瀬川さん。「イベント商品のパッケージは、カタログから完成品を選んでいましたが、さまざまなお店のSNSや動画をチェックしながら勉強して、アイデアを出していければいいですね」。お客様の笑顔が広がるようなパッケージづくりを目指し、日々情報収集に努めています。