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ニーズを形にして喜ばれる仕事。多業種の職人と共に働くのも楽しい【有限会社遠藤木工】

2024年3月4日公開

私が選んだ職場

小さいころから物づくりが好きで、家具製作の仕事を選んだ中高さん。いくつかの失敗を経て、お客様の要望を形にするスキルを磨いてきました。今後は、より幅広いニーズに対応できるよう、お客様に喜ばれるサービスを目指します。

工場長/中高建一さん(48歳)
別町出身。帯広高等技術専門学院の木工科卒業後、20歳で遠藤木工に入社。2022年より工場長に就任。

分からないことは試作を重ねて克服

小さいころから、自分の手で物を作り上げることが好きだったという中高さん。高校卒業後、帯広高等技術専門学院の木工科に進学し、木工技術の基礎を学びました。その後、就職先に選んだのが、職人を募集していた「有限会社遠藤木工」でした。

勤め始めたころは、設計図に従って立体的に家具を製作するのが、想像以上に難しかったと言います。工場長をはじめ先輩職人に相談しながら教えてもらい、見よう見まねで作り上げていきました。「最初は分からないことが多すぎて、何を失敗したのかも気付けず、後で先輩に注意を受けることもありました」と思い起こします。

その後、先輩に聞いただけでは分からないので、とにかく手を動かして実際に家具を試作してみたそうです。当社では職人のスキルアップのために、試作を許可していると言い、中高さんは試作を重ね、技術を習得していきました。その努力が実を結び、3、4年経ったころには一人でも家具を作れるようになったと話します。

失敗や経験から望む形が分かるように

家具の製作はまず、お客様の要望を丁寧に聞くことから始まります。遠藤社長は「うまく言葉にできないお客様の思いを形にするのが上手なんです」と、中高さんに大きな信頼を寄せています。中高さんはお客様としっかりとコミュニケーションを取り、どんな家具を望んでいるのかを把握し、形にして提示。お客様から「そうそう、こういう家具が欲しかった。どうして分かるの」と驚かれることもあるそうです。

「実は、お客様から『本当は違う形の方が良かった』と言われることもありました。いくつかの失敗があって、長年数をこなしてきたからこそ、お客様の気持ちが分かるんだと思います」と中高さん。まさに「失敗は成功の基」で、失敗を経て反省し、何が一番良いのかを追求してきた努力がうかがえます。

今も日ごろからお客様とのコミュニケーションを大切にして、雑談を含めいろいろな話をしていると言います。「家具や修理の相談だけで終わる時もありますが、話をすることが今後につながると思っています」と、親身になって、お客様に寄り添うことを心掛けています。

塗装や大工仕事もこなせる職人を目指して

「家具は平面の図面を見て、作る前に頭の中で立体的な出来上がりをイメージすることが大事。イメージ通りに完成した時には達成感がありますね」と話す中高さん。ただ、住宅に備え付ける家具の場合は、作ればいいというわけではありません。例えばテレビボードなら、テレビやビデオデッキの配線について、電気や設備の担当者と相談する必要が生じます。「現場では大工さん、設備屋さん、電気屋さん、塗装屋さんなどがかかわっています。さまざまな業種の人たちと、一軒の住宅の完成へ向けて仕事をすることに楽しさを感じます」と、この仕事の魅力を語ります。

家具製作に従事して28年目。今思い描いているのは、他の業種の仕事もこなせる職人になれないかということ。「家具作りだけではなく、お客様のニーズに合わせて効率良く塗装をしたり、大工仕事をしたり、臨機応変に対応ができればいいなと考えています」。幸い、分からないことは他業種の人たちも、長年の付き合いから快く教えてくれるそうです。2022年には当社でリフォーム部門を立ち上げました。そこで、新たに覚えた技術が生かせる可能性もあり、これからもお客様に喜ばれるサービスの実践を目指します。

  • オーダー通りに板の厚さを整えるため、機械で削っていく

  • けがをしないよう必ず安全カバーをセットし、図面通りに木材をカットする

  • 木材のしなり具合を目視で確認。必要に応じて削り直す他、交換することもある

コミュニケーションを深め前向きに働けるよう配慮

代表取締役社長/遠藤 丈さん(52歳)

以前は「技は見て覚えろ」と言われましたが、今はこちらから若い従業員に「困ったことはないか」と聞いています。課題があれば他の職人も交え、一緒に考えることが大切だと思っています。また、コロナ禍前に行っていた懇親会や一般向けのDIY教室を今年から再開予定です。コミュニケーションを深める場を作り、前向きに働けるよう意識しています。

有限会社遠藤木工

1964年創業。木材の種類、サイズ、使い勝手等、細やかに要望を聞き、職人による手作業で家具や建具を製作。2022年よりリフォーム部門も立ち上げ、さまざまなニーズに対応している。

北海道帯広市東10条南17丁目2
TEL.0155‐23‐9672
https://enmoku.com/