利用者様の話に耳を傾け思いに寄り添って生活を支えていきたい【株式会社北勝館】

「お年寄りと話すのが好き」という青木さん。介護施設で働く姉から、介護や職場の魅力を聞き、今年春、同じ会社に就職しました。現在は、働きながら介護職員初任者研修を受講中。経験と勉強を重ね、利用者様の思いに沿った介護を実践したいと思い描いています。

「小さいころから、おばあちゃんの家に遊びに行って話をするのが好きでした」と青木さん。お年寄りと接することが楽しくて、株式会社北勝館で働く姉に現場の様子を聞いていたこともあり、介護の仕事に興味を持っていたそうです。

高校を卒業した今年春に同社へ入社し、通所介護（デイサービス）で働き始めました。介護の知識や技術は全くなかったため、最初は上司に一から教えてもらったと言います。「まずは、排せつや入浴の介助の基本技術を学びました」。特にベッドから車椅子、車椅子からトイレへ移動する時の「移乗介助」が難しく、「上司が、自分も利用者様にも負担にならない体の支え方や、足や手の位置、腰痛を招かない姿勢など、丁寧に教えてくれたので、2カ月程で身に付けることができました」と振り返ります。その後は上司や先輩スタッフの指示の下、現場で実践を重ねていきました。

介護に必要な介護職員初任者研修（※）を修了するため、7月から週1回音更町の研修を受講中です。町では「町内の介護サービス事業所に従事しようとする人、または従事している人」等を対象に、無料で研修を行っています。ただ、有料の場合でも当社が費用を負担する体制を整備。更に受講日は勤務扱いにしてくれるため、「休日を削ることなく、安心して勉強することができます」と、会社のサポートに感謝しながら働いています。

※介護職員初任者研修…介護職に必要な基礎知識・技術を学ぶ研修資格。総研修時間は130時間で、修了試験に合格することで資格を取得できる。取得後は一人でも身体介助が行え、夜勤業務にも従事可能となる。

今は、通所介護で利用者様をお迎えし、入浴、食事、排せつ介助などを補助しています。「安全に入浴していただくことに気を使いますが、湯船につかると気持ち良いのか、利用者様から『ありがとう』と言葉を掛けられることが多くうれしいです」とほほ笑みます。レクリエーションでは楽しんでほしいという思いで準備し、「風船バレーなどを楽しむ利用者様の笑顔を見ると励みになります」と話します。

青木さんが介護をする上で毎日心掛けているのは、皆さんの生活を支えていると意識することと、相手が不快にならないような声掛けや介助です。「利用者様によっては、何かとネガティブにとらえて落ち込んでしまう方もいます。安心して皆さんと過ごしていただくために移動を促すなど、少しでも前向きになれる言葉をこまめに掛けるようにしています」。

そんな気配りを欠かさない青木さんは、利用者様から見れば、ひ孫のような存在。中には可愛がって名前を覚えてくれる方もいると言います。「『ひよりちゃん』と名前を呼ばれたり、お話しをしたりするのが楽しいです」と、日々やりがいを感じています。

青木さんは通所介護の他、訪問介護の見習いとして系列のサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームでの介助も担当しています。当社では、いろいろな職種を経験してもらうことで、介護職員初任者研修の資格取得後の選択肢を増やしてほしいと考えているそうです。資格を取得できるのは来年2月のため、その後正式な配属が決まる予定です。

ゆくゆくは、利用者様の介護プランを作成する「ケアマネジャー（介護支援専門員）」になりたいと話す青木さん。まずは、基本の資格である介護職員初任者研修を取得し、経験と勉強を重ねて介護福祉士、そしてケアマネジャーの資格取得を目指します。「仕事で一番好きなのは、利用者様とお話をすること。今の気持ちを話してくださる方もいるので、じっくりと聞き取り、自分なりにより良い介護を提供していきたいです」と、気持ちに寄り添う介護を目標に奮闘中です。