人の間に立ち学びを重ねてただいま成長中【ミスタードーナツ東神楽ショップ】

客として訪れたミスタードーナツ東神楽ショップで居心地のよさを感じ、「ここで働きたい」と思うようになった恵茂田さん。希望がかなった現在は、店主を補佐する立場として知識と行動力を日々磨いています。

子どものころから飲食店で働きたいと考えていた恵茂田さんは高校2年の秋、社会勉強のためと両親にアルバイトを勧められました。「家から近いところがいいと思って求人を探したところ、見つけたのがここでした」。

ミスタードーナツ東神楽ショップは、「アルティモール東神楽」という大型のショッピングモール内にあり、自宅からは自転車で行き来できる距離。冬はバスや親の車を頼りながら通いました。ドーナツは好きだったものの自分で作る経験はなく、最初はキッチンで商品の仕上げや片付けなどをしていたそうです。「ショップの人たちが皆さん優しくて、すごく居心地がよかったんですよね。卒業後もここで働けたらいいなと思うようになりました」。

そんな彼女の思いを知った当時の店主が運営会社に問い合わせたところ、高卒でも正社員採用は可能との返事が。そこで面接を受け、無事採用となった恵茂田さん。高校卒業までの期間が研修に当てられ、ドーナツを作る練習を重ねながら業務の内容を身に付けていきました。

恵茂田さんは昨年４月から正社員として半年ほど経験を積んだ後、時間帯責任者である「シフトマネジャー」のライセンスを取得。担当する時間帯のQSC（クオリティー、サービス、クリンリネス＝清潔さ）の質を保つため、スタッフの休憩管理や新人指導を行います。「できないことを聞かれた時に、どうすればできるのかを相手に分かりやすく伝えるのが難しく、大変でした」。そんな場合は実際に作業をしてもらい、様子を見ながらタイミングを教えるなど、口頭に頼らない指導を心掛けたと言います。「新人スタッフが一人でできるようになった時はうれしく、やりがいを感じましたね」。

ミスタードーナツでは、シフトマネジャーとしての働きぶりを認められるとやがて「キャディットマネジャー」というライセンスの取得を勧められます。同職は、店舗運営全般の正しい知識と行動力を備え、製造から接客、事務系の業務までを執り行いながらショップ全体のQSCを管理する重要なポジション。「アルバイト・パートスタッフと店主の間に立って、互いの話を聞いてより良い店舗づくりのための調整をする役割です。スタッフが店主に直接言いづらいことを伝えたりしています」。最近の例では、スタッフの声により、ドリンク用の砂糖の置き場をお客様が取りやすい位置に変えるなどの実績を上げているそうです。

そんな恵茂田さんの働きぶりを、店主の岩崎友紀さんはこう評します。「締め切りや決まりを忠実に守ってくれる人ですね。彼女なら必ずやり遂げてくれる、という安心感があります」。年上のスタッフにもはっきり言わなければならない場面が多い中、自身の立場をしっかり把握して堂々と伝えられている、と信頼を寄せています。

こうした店主の思いをくんで日々奮闘する恵茂田さんの今後の目標は、できる業務をもっと増やすこと。「『この商品の消費期限はいつ？』という質問に答えられない場面もあり、上の立場の人に比べると把握している情報の量が追い付いていないと感じます。しっかり管理できるようになりたいです」。商品をはじめ情報の多くはパソコンに入ってきますが、覚えたと思っても忘れてしまうことも多いのだとか。とにかく何度も読んで理解に努める日々です。

ショッピングモール内のショップとして、老若男女あらゆる層が訪れる同店。「タッチパネルの会計をお客様に任せるのではなく一緒にやってあげるなど、一人ひとりに合った接客も大事にしていきたい」と前を見据えます。次のステップに向けて、今日も製造や接客にフル回転する恵茂田さんでした。