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伝統技術を受け継ぐ社寺建築仕事を通じて地域のためにできることを【株式会社おかげさま】

2024年9月23日公開

私が選んだ職場

仕事を通じて地域とかかわりたいという希望をかなえるため北海道に移住した橋本さん。家事や育児に忙しい日々の中でも、理想とする設計士の在り方を実現するために知識と技術を積み重ねています。

設計管理、木工補助/橋本祐紀さん(31歳)
奈良県出身。2023年10月に入社し、設計管理業務を担当。家事や育児を行いながら、当社で週2回勤務している。

設計士として地域とかかわる仕事がしたい。

左官職人だった父方の祖父の影響で、中学生のころから将来建築に携わる仕事に就きたいと考えていたという橋本さん。「左官以外にも祖父はいろいろな大工仕事を手掛けていました。私が2歳の時に亡くなったのですが、残された道具や本に触れ、建築に興味を持ちました」と振り返ります。その後設計士を志し、高校・大学では将来の仕事に役立つようにと、理数系の学校を選択しました。

卒業後の就職先で橋本さんが重視したのは「地域」というキーワードです。「設計士として地域とかかわりたい。仕事を通じて、自分が地域に対してできることを追求していきたいと考えていました」。情報収集をする中で心引かれたのが、音更町にある設計事務所。奈良で生まれ、大阪の大学に通う橋本さんにとって北海道は縁のない場所でしたが、移住を決意し社会人としてのスタートを切りました。その後結婚をして、更に深く建築デザインを学ぶために千葉県の設計事務所へ単身で転職。後に第一子が誕生し、妻の育児休業が終了するタイミングを機に十勝へ戻ることを決断します。こうして家族3人の暮らしと、再び仕事探しが始まりました。

子育てや家事を優先しながら、好きな時に働ける職場。

「これから家庭内では主に私が家事や育児を担当すると決めていたので、家族との時間を優先して働ける職場を探していました」。そこで訪ねたのは、かつての勤務先のOBでもある、「株式会社おかげさま」の菅原雅重さんの下でした。「菅原さんは家族を大切にする方で、以前から手掛ける作品はもちろん、発する言葉がとても印象に残る方でした」。自らの考えや事情を話したところ、「成果を出すことができれば、自分で時間をコントロールして好きな時に働いてもらって構わない」と、迎え入れられました。柔軟な働き方を認めてくれ、設計士としての経験を生かし働ける職場は、橋本さんがまさに求めていた環境。「休日は子どもの近くで成長を見守ることができる、貴重な時間を過ごしています。育児を通じて、自分も一緒に成長している感覚です」と笑顔を見せます。

当社は社寺建築や修復を中心に、住宅建築や木製品の製作など幅広い仕事を手掛けています。橋本さんのメインの業務である設計管理は、顧客の要望を聞き、設計や作図、見積もり、工事の管理を行います。これまでの経験に加え、神社仏閣の知識を学び、さまざまな案件に挑戦している最中です。「木材を運ぶなどの木工補助の仕事は、当社に来て初めて経験しました。物作りの現場とより近くなることは、設計のプラスになると考えています」と、更なる成長に意欲的です。

働くことは生きること。日常はすべて仕事につながっている。

中学生のころからあこがれていた設計士として働き、経験を重ねてきた橋本さん。建築に携わる者として、仕事には本気で真剣に向き合いたいという強い思いを持っています。「人の感情や社会に何らかの影響を与えるのが物作りの仕事だと考えています。自分の設計が、そこを利用する誰かの迷惑になってはいけない。だからどんな瞬間も真剣に向き合いたいと思っています」。橋本さんにとって、仕事は生きることと同等の価値がある、かけがえのないものだと話してくれました。「いずれは木材を加工する技術を身に付けたいです。習得するのは簡単ではありませんが、粘り強く取り組んでいけたら」と技術の向上に余念がありません。

「子どもと散歩をしていると、地域ならではの街並みや、ここで暮らす人たちの生活をより深く理解することができます。私にとって街は教科書のようなもので、何気ない日常も設計のヒントにつながっていると感じています」。歴史と伝統を後世につなぎ、地域のシンボルを作る社寺建築の仕事。今後の橋本さんの活躍から目が離せません。

  • 加工場や現場では、木材を運ぶなどの補助業務にも携わっている

  • 顧客の要望を基に、手書きで設計図を書く橋本さん

  • これまでの経験に加え、社寺建築の専門知識も積極的に学んでいる

自由でありながら全力で。最大限の成果を生み出したい。

代表取締役/菅原雅重さん(48歳)

社寺建築を通して地域のコミュニティーをつくり、それを次の時代へ継承していきたいと考えています。職人として知識や技術を磨くためには、時に乗り越えなければならない厳しい壁もありますが、ただ見て覚えてもらうのではなく、具体的に言葉で伝えたり、自ら考えて行動する中から成長を促せるようバックアップしています。

株式会社おかげさま

2016年創業。日本の伝統技術を受け継ぐ社寺建築のつくり手として、神社仏閣の設計や建築、修復工事を手掛ける他、神棚や木製品の製作なども行っている。

北海道帯広市東3条南8丁目16‐1
TEL.0155‐67‐5861
https://okage-sama.com/