園児たちの笑顔を励みに幼稚園教諭としての充実した日々を送る【亀田ゆたか幼稚園】

子どもが大好き過ぎるという佐藤さん。あこがれだった幼稚園の先生として働き始め、想像以上にハードな業務に戸惑いつつも子どもたちに元気をもらいながら一つひとつ経験を積んでいきます。

今から5年前、短大の保育学科を卒業した佐藤さんは、同年4月から認定こども園亀田ゆたか幼稚園で働くことになりました。「幼稚園に通っていたころ、担任の先生が優しくて大好きだったんです。その影響で、将来は幼稚園の先生になりたいという目標ができました」。

念願だった業界で働き始めた佐藤さんでしたが、1年目から年中クラスの担任に大抜てき。見るもの聞くもの、すべてが新しいことばかりだったため、分からないことはすぐに上司や副担任の先生に聞いて対応していたそうです。「お遊戯会で園児たちが着る衣装づくりという、考えてもいなかった作業もありました。家庭科の授業以来数年ぶりにミシンを使い、同期の先生と一緒に、園児のいない時間を利用するなどしてやっとの思いで作り上げました」。

年長クラスの担任になった翌年は、衣装作りに加え、創作劇の台本づくりにも挑戦。先輩たちのサポートを受けつつ、経験を積みながら、一つひとつの業務を覚えていったそうです。

幼稚園での業務は朝の朝礼から始まります。続いて、専属のドライバーが運転するバスに乗り、2回に分けて園児たちのお迎えへ。停車場に着くと車が止まったことを確認した上でバスから降り、「おはようございます」と元気にあいさつをして子どもたちを預かります。「走行中は大きく揺れることもあるので、安全のために必ず着席させます。送迎のコースは1周およそ40分。園児の中には長時間乗車する子もいるので、乗り物酔いをしていないか常に顔色を見守っています」。

幼稚園に到着したら園児たちを降ろし、降り忘れている子どもや、落とし物の有無をシートごとにチェック。いつでもすぐにバスが利用できるように掃除を済ませます。

その後、各クラスに分かれてその日の活動を行います。1日のカリキュラムは担任の先生が「週案」と呼ばれる1週間分の予定を考え、園長先生の確認を経て実行。「歌をメインにした日や、折り紙や画用紙を使う制作の日、お絵かきの日など毎日異なるメニューにしています。計画する際にはその時期に咲く花や年中行事など、季節感を盛り込むようにしていますね」。

近郊の公園に出掛けることも多く、園外保育を行う際には他のクラスの先生たちと協力しながら子どもたちを見守ります。園児全員が見えるところに立ち、目を離さないことが一番の迷子対策になるそうです。

幼稚園教諭になって今年で5年目。新型コロナウイルスが5類感染症へ移行になったことから、これまで自粛していた行事も行えるようになり、佐藤さんの教諭生活も新たなステージを迎えています。「この夏は4年ぶりにお泊まり保育を開催しました。幼稚園教諭1年目だった前回は、要領が分からないまま先輩のお手伝いをする程度でしたが、今回は準備段階からすべての業務にしっかりと関わることができ、経験を積むことができました」。

温泉体験や、パジャマ姿など、普段とは違う園児たちの愛くるしい姿を見ることができて「幸せでした」と話す佐藤さん。来年からも開催していきたいと意気込む一方、同じくコロナ禍で中止になっているバザーを再開することが当面の目標なのだとか。「地域の方も参加するイベントを通じて、子どもたちに多くのことを経験させたいですね」。すでに彼女の頭の中では、子どもたちを楽しませるための次の計画が動き出しているようです。