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発見だらけの学びの場。新たなライフスタイルに気付けました【三浦綾子記念文学館】

2022年11月14日公開

私が選んだ職場

観劇が趣味だという山田さんは、大学時代に演劇関連の出版社でアルバイトを始め、卒業後にそのまま就職。それから約18年東京で雑誌の取材や執筆、編集に携わりました。その経験を生かしつつ、現在は三浦綾子記念文学館で多岐にわたる館内の仕事をこなしています。

収益事業担当/山田美穂さん(43歳)
旭川市出身。中学生の時に演劇を見てとりこになり、以来観劇が趣味に。愛猫家で、休みの日は家で猫と戯れている。

好きな仕事に就いて演劇と読者をつなげる

初めて「働く」という経験をしたのが、上京した大学生のころだった山田さん。演劇専門誌を出版する会社でアルバイトを始め、卒業後そのまま就職します。「中学生の時に観劇にはまって、実は演劇がたくさん見られることも東京に出ていった理由の一つでした」。

日々の業務では公演プログラムの取材や執筆、月刊誌などの編集に携わり、取材に関わるすべての段取りをこなします。「公演前に稽古中の10分間をいただいて取材をするようなこともあるので、とにかく相手に負担を掛けまいと気を使っていました」。話を伺ううちに心を開いてもらえたり、考え抜いた質問に興味を示してくれたりした瞬間はうれしかったと言います。一方、編集業務で心掛けていたのは、いかに情報の精度を上げるかということ。誤植を出さないためにも、データチェックや校正は複数人で何度も行っていました。そうして出来上がった雑誌で、作品と読者をつなげるのが山田さんのやりがいでした。しかしその後、出版不況などもあり会社は倒産。半年後にフリーランスとして後継雑誌の創刊に携わりますが、父親の体調悪化を機に旭川に戻り、出合ったのが現在の職場、三浦綾子記念文学館でした。

「助けて」は魔法の言葉

同館では、旭川が生んだ偉大な作家三浦綾子の直筆の原稿や資料などを展示する他、物販コーナーやカフェも併設。山田さんの業務は多岐にわたり、物販や通信販売、受付やカフェでの接客などを行っています。新しいことにチャレンジとばかりに、分からないことは積極的に質問し、マニュアルを読み込んで作業を覚えていきました。しかし、いざ実践となるとイレギュラーな事態も多く、うまくいかない時もあったそう。そんな時、先輩からアドバイスをもらいます。「困った時は『助けて』という魔法の言葉を使うといいよ」。この一言は山田さんの金言になりました。「前職では抱え込みがちで言えなかった言葉でしたが、業務が詰まってきた時や作業が分からない時など、ことが大きくなる前にできるだけ口にするように心掛けました」。たったそれだけで、みんなが助けてくれたと笑います。

同館は、課の垣根を超えてみんなで助け合いながら仕事をする特徴的な職場。だからこそ受付に立つ時もあれば、絶版となった小説の復刊作業のサポートをするなど、さまざまな作業を行っています。通信販売のカタログは企画からデザインまですべて内製。スタッフ総出でできることを行い、仕上げていくそうです。「多くの人たちが同時進行で動いているので、今誰がどう動いているのかといった情報共有が大事になってきます」。そこで山田さんは進行具合を一人ひとりに聞いて回り、間を取り持つような役目を自ら買って出ています。

スケジュールを全員で共有し効率良く作業を進める

もう一つの職場の特徴は、残業がないこと。定時できっちり仕事を終えるためには、時間の使い方や効率的な作業が必要になります。そこで山田さんが率先して行っているのが、周囲にスケジュールを伝える役割です。「デッドラインから逆算して情報共有することで、遅れなど何かあれば助け合えますから」。前職で行っていた取材の調整が、意外な場面で役立っているようです。

未知の世界だったこの仕事の魅力は「発見」にあると言います。「今まで経験したことのない業種に関わっているので新たに知ることも多いですし、ここに来なければ一生経験できませんでした。17時で仕事が終わるライフスタイルは新鮮ですね」。

東京で働く方がいい、と旭川を飛び出して25年。地元でも濃い働き方ができることに気付いた今は「三浦綾子文学の魅力を若い世代にどう発信して興味を持ってもらうかが今後の課題」と話します。スタッフ一丸でこの大きなテーマについて考えながら、今日も真摯に仕事に取り組む山田さんです。

  • 受付でパンフレットを渡し、館内の説明をする

  • 隣接するカフェに入り、お客様から注文を受けた品を運ぶ

  • 同館で制作した三浦綾子生誕100年を記念した本を、物販コーナーに並べる

相手の立場で考えてチームで仕事をする

事務局長/難波真実さん

この職場で活躍するためには、主体的に行動して他のスタッフの作業でも自分事として捉えて学ぶ姿勢が大事になってくると思います。また、チームワークが仕事の基本なので相手の立場になって考えることができると成長できますね。山田さんは既に当館になくてはならない存在です。今後は収益事業担当として企画力を磨いて更に活躍してほしいと思っています。

三浦綾子記念文学館

1998年6月開館。作家・三浦綾子の文学と人生の歩みをたどる民立民営の文学館。生誕100年を迎えた今年は、さまざまなイベントも行われた。運営は公益財団法人三浦綾子記念文化財団。

北海道旭川市神楽7条8丁目2‐15
TEL.0166‐69‐2626
https://www.hyouten.com/