私が選んだ職場【3valley（スリーヴァレイ）】

実姉の誘いを受けて、経験のないカフェ店で働くことになった佐藤さん。長年勤めたアパレル業界での経験を生かしながら、笑顔で接客。カフェスタッフとしてのスキルを身に付けていきます。

子育てをしながら時々アルバイトをしていた佐藤さんは、新規開店する姉夫妻の誘いを受けてカフェで働くことになります。「フルタイムで働くことができない状態が続いていました。『出られる時だけでいいから』と勤務時間や休みなど、働きやすい環境を整えてくれたのが決断の決め手でした」。

これまでに飲食店で働いた経験がなく、多少の不安はありましたが、長い間勤めたアパレル業界の経験が役に立ったと言います。「洋服と食べ物という違いこそありますが、お客様と対面で商品を提供するという部分では多くの共通点があり、すぐに慣れていきました」。接客中はお客様の目を見て会話をしたり、不快感を与えないように丁寧な言葉遣いに徹するなど、サービス業の基本的な振る舞いを実践。現在でも、一番の主役は料理であることを常に意識し、自分が前に出過ぎないことを心掛けているそうです。

一方、飲食店ならではの対応も必要だと言います。「メニューについて質問を受けることがあります。使用している食材はもちろん、個人的な感想を交えながら味付けや調理法など伝わりやすい言葉を使ってお答えしています」。メニューの中にはスパイシーな料理や辛みの強いものもあります。辛いものが苦手なお客様もいらっしゃいますので、具体的に説明した上で注文を受けるそうです。

また、メニューの数が多いのもカフェならではの特徴。メイン料理にミニパフェなど一緒にオーダーされるお客様も多いので、注文時には必ず復唱。料理を提供する時も、同席したお客様同士が取り間違えることのないように工夫します。

ホール業務を続ける中での、一番のこだわりは出来立ての料理を提供すること。ドリンクを用意していたり、テーブルの後片づけの最中でも、料理が完成しそうになれば一度手を止めてキッチンカウンターに移動。また、より快適に過ごしていただくために「お客様のお水が空になっていないか気にしたり、食後のデザートやドリンクを運ぶタイミングを伺うなど、お店全体に気を配るようにしています」。

働き始めて3年目、同僚が増えていく中、他のスタッフにとってのお手本にならなくてはという思いが強くなってきましたと佐藤さん。「例えば、立ち仕事で疲れてくると、無意識のうちにカウンターや壁にもたれ掛かってしまうことがあります。お客様がいなくても気を抜かないように注意しています」。雑貨やディスプレーを並べ替えたり、店内の照明を磨くなど、自分で仕事を見つけて動くことを習慣づけ、時間を有効に使えるようにしているそうです。

そんな佐藤さんの願いは、早くコロナ禍が収まってもっと多くのお客様に来店してもらうこと。初めて来店されたお客様から「おいしかった」、「来て良かった」と声を掛けていただく度に、スタッフとして働いていることに喜びを感じられるそうです。「2度、3度と足を運んでくださる方もいて、お客様同士が仲良くなるケースも。そんな様子を見られるのがこの仕事の醍醐味ですね。いつも出勤するのが楽しみです」。お客様が笑顔になるサービスをどんな時でも提供できるように、今日も佐藤さんはホール業務に磨きをかけます。