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私が選んだ職場【みやご果樹園】

2021年11月8日公開

私が選んだ職場

移住した先でリンゴの木のオーナーになった花園さん。自分の木の手入れを続ける中、一緒に働きませんかと声を掛けられ予想外のファーマーデビュー。多くの仲間に囲まれながら健康的な農園生活をスタートさせます。

手間ひまかけてリンゴを育て、健康な体も手に入れる。

花園 恵さん
東京都出身。スポンジテニス、ピアノ、ステンドグラスなど趣味多数。好きなリンゴの品種は「ひめかみ」と「みおか」。

交流会の行事がきっかけ。誘いを受けてスタッフに。

東京で生まれ育った花園さんは、これまで農業や屋外での仕事とは無縁の生活を送っていました。「長年、金融関係の会社でデスクワークをしていました。机の上にはパソコンのモニターが2台あるような職場でした」。ご主人が定年退職したのを機に、ご主人の出身地である北斗市に移住。新天地での交友関係を広めようと、移住者が集まる交流会に入会します。
交流会では複数のレクリエーションが用意され、その一つにみやご果樹園でのリンゴの木のオーナープログラムがありました。秋にリンゴを収穫するだけではなく、リンゴを育てる作業も体験できる点に興味を持ち、早速申し込むことに。「花や実を間引いたり、リンゴを赤くするために葉っぱを落とすなど、予想以上に手が掛かるものだと初めて知りました。自分で手を掛けた分、収穫した時の喜びもひとしおでしたね」。
これまでにない体験にすっかり魅了され、翌年もリンゴの木のオーナーとして時々果樹園に顔を出して作業を続けていたある日、園主から「アルバイトとして働きませんか」と声を掛けられます。趣味を楽しんでいたこともあり、あまり多くの時間を割けないので返答に迷いましたが、顔なじみのスタッフから時間の融通が利く職場だと聞き、誘いを受けることにしました。

成長した姿を予測し、手早く作業する。

スタッフの一員となった花園さんは、果樹園に毎日通うようになって改めて業務の種類が多いことに驚きます。「冬の間にも重要な仕事があるのが分かりました。直販所でのリンゴ販売は3月まで行いますし、2月にはリンゴの木のせん定が始まって、切った枝を燃やすためにすべて集めて決められた場所に運ぶんです」。せん定が終わるころには花が咲き始め、中心の大きな花以外の花を摘む「摘花(てきか)」を行い、それが終わると実を間引く「摘果(てきか)」の作業に移ります。単に数を減らせばいいわけではなく、リンゴ同士が近付き過ぎないように気を配り、枝の伸びる方向や隣接する木の枝との距離も考慮。成長した時の状態を予測しつつ、一瞬で判断しながら進めていくのだと言います。
夏場は3.5ヘクタールある園内の草刈りのシーズン。同時に、ブルーベリーやプルーンの手入れも始まります。その後、秋の収穫を前にリンゴの葉を取る作業があり、むらなく色付かせるためにリンゴを枝に付けたまま回転させる「玉まわし」を行い、いよいよ収穫の季節に突入します。「園内のリンゴは20種以上あり、品種によって作業のタイミングは数日ずれるので、同じ業務が数週間続くこともあります。成長の度合いや天候に左右される自然相手の仕事なので、なかなか予定通りには進まないですね」。

自然の中に身を置き、健康維持にも効果的。

リンゴづくりに関わり始めて今年で7年、今では複数の業務を担当する花園さんは、どの作業も慌てずに行うことが重要だと話します。「例えば葉を取る時に乱暴に行うと、新しい花の芽を落としてしまうことがあります。翌年に花が咲かなくなってしまいますし、枝をぶつけてせっかく育てたリンゴに傷がつくこともあるので、丁寧かつ手早くやるのが基本ですね」。
そんな花園さんにとってうれしい誤算だったのが、健康面への効果。肩が痛くて腕を上にあげるのが困難だった症状が解消され、この7年間は風邪もひかなくなったと言います。「きっと、太陽の下で体を動かす時間が長くなったのが良かったのでしょう。函館山や海が見える丘陵地で眺めもよく、1日体験した友人はすっかり気に入り、毎日でも手伝いたいと言っていました」。
自然に恵まれた環境で働いて、心身共に健康になる職場。今や欠かせない時間となったこの仕事を生涯続けることが目標ですと話す花園さんは、今日も青空の下でリンゴづくりに汗を流します。

  • 高い場所の枝は脚立に登って作業する

  • リンゴに日光が当たるように葉を取り除く

  • 脚立を運ぶ時には枝に触れないように注意

  • 新芽を傷つけないように細心の注意を払う

  • 収穫後は傷をつけないように静かに入れる

人の手で優しく扱うことを心掛ける。

リンゴづくりは機械化できない作業が複数あり、人の手が必要なのが特徴です。多くの業務で脚立を利用するので、怖がらずに脚立の一番上まで登れることが重要な要素になります。傷ひとつで商品の価値が下がってしまうため、収穫は特に気を使う作業です。脚立を上り下りする際にはリンゴの入ったかばんに手を添えてぶつからないようにするなど、細かい配慮ができるといいですね。
代表/宮後英子さん

みやご果樹園

昭和28年の開園以来、豊かな土づくりに取り組んできたリンゴ農園。現在は20種を超えるリンゴの他、サクランボ、ブルーベリー、プルーンも栽培。直販所での販売も行う。北海道安心ラベル「YES!clean」認定農園。

北海道亀田郡七飯町鳴川3丁目10-1
TEL.0138-65-2366
https://efarm385.com/