私が選んだ職場【キングストア堀川店】

発注という未経験の業務を任された阿部さん。売り上げを左右する重要な業務に戸惑いを感じながらも、商品が売れていく様子を見てこれまでにない喜びと充実感を味わうことになります。

ピザ屋の店員として働いていた阿部さんが転職を考えたのは4年前、突然オーナーから聞かされた閉店の知らせがきっかけでした。「まだ30代前半で年齢的にも働くことに強い意欲を持っていたので、すぐに『シゴトガイド』で職探しを始めたんです」。
数ある求人広告の中から目に留まったのは、普段から度々買い物に訪れていた近所のキングストア堀川店の求人広告。自宅から近く、過去にレジ業務の経験もあったことから選びましたが、一番の決め手となったのはお店の雰囲気だったそうです。「レジで働く人たちがみんな優しくて、来店する度にいいなぁと思っていたんです。募集していると知り、あそこなら自分も楽しく仕事ができそうだとピンときて応募しました」。その直感は大当たり。入社してみるとスタッフ同士仲が良く、お客様との会話も豊富で、店内はいつも和気あいあい。現在まで一度も嫌な思いをした記憶がないと言います。

レジ係として入社した阿部さんは、チェッカーとしてレジ業務を担当する一方、発注作業も兼任することになります。「6時間以上レジを担当するスタッフは、途中でフロア業務の時間があり、その中で発注も行うんです。ちょうど私と入れ替わる形で退職される先輩がいて、その方の業務を引き継ぐことになりました」。担当したのはお菓子と雑貨の仕入れ。先輩から商品の選び方や機械の使い方を学び、月に2度訪れる問屋さんとの商談も任されるなど、初めてづくしの仕事に戸惑うばかり。中でも、仕入れた商品の価格を決めるのが特に難しかったと当時を振り返ります。「値段が高いとお客様は買いづらいですし、原価を割る価格設定にもできません。何度もいろんなお店を回って価格を研究していましたね」。時には売れ残ることもあり、原因は何だったのかと考え込むこともありましたが、自分が決めた価格で商品が完売した時は、お客様が納得して購入してくださった喜びと同時に、自信につながったそうです。
また、仕入れ担当者として、商品の特性を知っておく必要もあると言います。「洗剤などは匂いの強いものが苦手なお客様もいます。売り場で迷われている姿を見かけたら、会話をしながらどんな商品を希望されているのか聞くようにしていますね」。新製品も多く、使ったことがない商品もあるので、職場ではもちろんのこと家族や友人からも情報を収集し、商品知識を蓄えます。

阿部さんは現在、チェッカー部門のチーフとして活躍。自らもレジで接客をしつつ、勤務のシフト作りや、新人スタッフの教育係も行います。「レジ業務は接客業です。言葉遣いによってはお客様からクレームを受けることもあるので、ソフトな言い回しを心掛けるように伝えています」。
また、バーコードをかざして計算する現在のレジでは、登録されている値段が間違っていることもあるため、精算時にはレジパネルの表示と商品の値札が同じであることを確認しながら行うようスタッフに注意を喚起。更に、混雑時に新たにレジを増やす時には、「二番目にお待ちのお客様」と呼び掛けて公平に対応。ささいなことでも気が付いたことがあれば、順次実行してサービスの向上に努めていると言います。
そんな阿部さんの目標は、これからもお客様に喜んでもらえる商品を提供し続けること。どのような商品が求められているか常にアンテナを張りながら、今日も複数の業務をてきぱきとこなしていきます。