私が選んだ職場【株式会社シンプルウェイ】

好奇心が強く、人生を通じていろいろなことを経験してみたい。そんな行動派の吉田さんはふと目に留まった求人広告に新たな世界を知る予感を覚え、編集者の道を歩み始めます。

大学時代から東京を拠点に生活していた吉田さんは、不動産業や、先物取引関連企業の事務職員として職歴を重ねてきました。その後、育児に専念する中で故郷函館への思いが募り、家族そろっての移住を決意。函館に行けば何かしらの仕事が見つかるだろうと考えて、2014年にUターンを果たします。
当時は、1歳になったばかりのお子さんを子育て中。仕事探しは難航したそうですが、『シゴトガイド』などの求人誌でいくつか条件に合う仕事をピックアップ。その中の一つが現在勤めるシンプルウェイでした。「函館市の観光情報サイトと、ご当地キャラのイカール星人の運営という、一見してユニークな事業がたくさんあるところに興味を持ちました」。
好奇心旺盛な性格の吉田さんは、早速求人に応募。社長が女性であることを知り、新鮮な印象を受けたと言います。「これまでは男性ばかりの職場。女性でもこうして活躍できるんだと刺激を受けましたね。函館愛に満ちた社長の話を聞くうちに、こんな魅力的な人と一緒に働きたいという思いがどんどん強くなったんです」。面接から数日後、採用が決まりました。

入社して最初に担当したのは8ミリフィルム事業のお客様係でした。長年しまい込まれたフィルムを復活させる業務は歴史的に貴重な映像と接することができ、意義のある仕事だと感じたそうです。「全国の博物館や大学からの依頼もあり、それまで知らなかった世界に触れることができました」。
その後、ウェブサイト運営事業の会議にも参加するようになり、掲載された記事の確認と更新作業を担当。全く未知の業種で何から始めていいのか分からない状態でしたが、かえってそれが良かったと振り返ります。「何も知らないからこそ、こうしたほうがいいのかなといろいろなアイデアが浮かぶんです。突飛なアイデアでもスタッフが受け入れてくれるお陰で、ますます仕事が楽しくなりましたね」。
業務はパソコンの使用が必須。独自のシステムが構築され入力する項目が決まっているので、専門的な知識がなくても操作にはすぐになじめたそうです。分からない用語や技術も、信頼のおけるシステム担当がしっかりとフォローしてくれるので不安を感じることはなかったと言います。

現在は外国人向け情報サイトの編集責任者を務める吉田さん。より多くの業務と責任を持つ立場になったことに最初は戸惑いを感じながらも、大きなやりがいに変わっていったそうです。「外国人旅行者がどのような情報を求めているのか、旅行の雑誌やパンフレットはもちろん、観光学の専門書を読んだり、SNS経由で入る問い合わせに対応しながら勉強する毎日です」。新たに得た知識や情報はスタッフと共有して、より良い記事づくりのための材料にする。そんな作業が多くなったこともあり、以前にも増してチームでウェブサイトを作っている感覚が強くなったと言います。
そんな吉田さんの現在の課題はアフターコロナ。昨年来、新型コロナウイルスの影響で外国人観光客をほとんど見かけなくなりましたが、それは長い目で見ればきっと一時的なものに違いありません。次第に函館を訪れる外国人も増えると予想され、その時にどのような情報が求められ、その要望に応えていけるのかとスタッフ間で模索する毎日です。誰も経験したことのない状況なので新しいことができる気がしていますと、吉田さんは新たなテーマとの出合いに心を弾ませています。