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知識と経験をベースに車のトラブルを解決する【株式会社ガレージパパ】

2024年9月9日公開

私が選んだ職場

16歳で自動二輪の免許を取って以来バイクや車をいじるのが趣味になった加藤さん。自動車整備士、自動車ディーラーでの営業経験を経て自動車整備工場を開業。これまでの経験を生かしながら、お客様目線のサービスで事業を拡大していきます。

代表/加藤慶吾さん(55歳)
長万部町出身。「1日24時間しかないから笑ってた方がいい」が信条。仕事も楽しみながら働くのが主義で、その日の気分によって工具を使い分ける自称工具マニア。温泉好きで入浴に2時間かける長風呂派でもある。

技術を身に付け国家資格を取得

高校を卒業後、公的職業訓練所で自動車整備科に通った加藤さんは、修了と同時に自動車整備士として函館の会社に就職しました。「車の修理については分からないことばかりでしたけど、毎日仕事を覚えていくのが楽しかったですね。少しずつやれることが増えていって、2年後には2級整備士の資格を取ることができました」。

更に数年後には、整備後の検査を行う自動車検査員の資格も取得。スキルが上がったことに喜びを感じる一方、先輩が手掛けた作業をチェックする業務はとてもやりにくかったと言います。「立場上は自分が上司ですけど、整備士はベテランの先輩ばかりです。当時は年功序列の風潮が強くてなかなか指示通りに動いてもらえず、年上の部下との関係に疲れて、13年勤めた会社を退職しました」。

その後、自動車とは無関係の仕事を求め、行政書士の見習いなど事務系の職に就いた加藤さんでしたが、何をやっても長続きせず、再び整備士として働くことを決意します。ところが、再就職した自動車ディーラーで配属されたのは、過去に経験したことのない営業職。これまでとは違う形で車とかかわることになりました。

40歳を機に独立し宣伝にも力を入れる

営業の仕事は来店するお客様の対応がメインでした。人と話すのが得意ではなかった加藤さんは、接客を重ねるうちに、お客様がしっかりと話を聞いてくれていることに気付いたそうです。「上手に会話ができなくても、車の情報を真摯に説明することで耳を傾けてくれるんです。最終的に自分のファンになってくれる方もいましたね」。

お客様対応に自信が持てるようになるにつれ、営業成績も上昇。店長に起用され順調に業務をこなしていく中、以前から漠然と考えていた独立開業への思いが膨らんでいきました。40歳を目前に控え、年齢的にも今が最後のチャンスと考え、ついに7年間の営業職生活にピリオドを打ちました。

開業当初は自宅駐車場で作業するなど、厳しい経営状態が続きましたが、作業場を借りて仕事の効率化を図り、並行して路線バスのラッピング広告などを利用した宣伝に力を入れると、徐々に経営も上向きに。「どれだけ技術があっても、指をくわえて待っているだけでは新規のお客様を増やせません。まずは存在を知ってもらうことで、ようやく同業他社と同じスタートラインに立てると思い広告を打ちました」。営業職を経験せずに整備一本でやってきていたら、こうした考えは思いつかなかっただろうと、加藤さんは振り返ります。

事例をよく聞いて故障の原因を導き出す

独立開業から12年後、加藤さんは会社を法人化して、現在は修理の他、中古車や新車の販売も行うなど事業を拡大しています。従業員を抱える現在でも自ら整備を行なっており、難しい修理ほどやりがいを感じているそうです。「車の修理は謎解きに似た楽しさがあります。お客様からどんな状況で不具合が出るのかを聞き取り、例えばカーブで異音がするならあのパーツが原因だろうと頭の中で整理して作業していきます」。

予想した通りに修理できた時には大きな達成感を味わい、逆に作業がはかどらない場合は「同じ故障を直している人がいるんだから、自分に直せないはずがない」と、気合を入れ直すそう。「自分でこうだと決め付けると、なかなか答えが見えてきません。車も日々進歩していますので、暇があればいろいろな車のサービスマニュアルに目を通して知識を蓄積することが重要ですね」。

自動二輪の免許を取ってから約40年、メカニック、営業職、独立開業、法人化と変化を続けてきた加藤さんの次の目標は会社を大きくすること。「高齢を理由に廃業する先輩の同業者が年々増えています。廃業するならまるごと会社を譲ってほしいですね。そうすればお客様も従業員も安心でしょう。もちろん自分も整備を続けます」。お気に入りの工具を整理しながら、次のステージのビジョンを語ってくれた加藤さんでした。

  • スタッフと分担して短時間で車検を進める

  • タイヤチェンジャーを使って新品のタイヤに付け替える

  • 仕上げ用クロスでダッシュボードを磨き上げる

プロとして恥ずかしくない格好良い整備士を目指す

修理で預かった車は、1回で完成させるのが理想ですね。職業訓練所の教官が言った「格好良い整備士になってください」という言葉が印象に残っていて、手を抜かないきちっとした仕事をすることを大事にしています。スタッフに対しても、「やるべきことをやらないで失敗するのは格好悪い」と、プロ意識を持つように伝えています。

株式会社ガレージパパ

2010年に自動車整備をメインに行う「ガレージパパ加藤商会」を設立。以来、車検・板金・新車・中古車の販売、など業務を拡張。2022年には株式会社として法人化を果たす。車のことならなんでも気軽に相談できる店として、飛び込みで来店する人も多い。

北海道函館市昭和4丁目29‐14
TEL.0138‐86‐5886