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お客様のニーズに合わせた柔軟な対応でくつろいでいただく【函館湯の川温泉 湯元啄木亭】

2024年7月22日公開

私が選んだ職場

道内を中心にリゾートホテル経営を展開する野口観光に新卒入社した谷口さん。接客中に感じた違和感をきっかけにおもてなしに必要な心掛けを磨いていきます。

統括マネジャー/谷口忠利さん(51歳)
千歳市出身。フロント業務を中心に、予約センターや宴会、売店、備品管理、施設営繕など、横断的に各部署とかかわる統括マネジャー。学生時代からの温泉好きでもある。勤続28年。

複数の部署での実体験でホテル業の基礎を習得

28年前、大学4年生だった谷口さんは就職活動を行っていました。「そのころは野口観光が旧大滝村(現伊達市)に、これまでの旅館とは異なる新しいスタイルの巨大温泉ホテルを新設することが話題になっていました。どんな形で運営していくのだろうかと興味を持った記憶があります」。

北海道に根付いた企業である野口観光に親近感を持っていた谷口さんは、同社の新卒採用にエントリー。筆記試験や面接などを経て内定を受け取りました。

新年度になり、新入社員として働き始めた最初の3カ月は研修期間で、ホテル業の基礎を勉強。同期入社の同僚が数チームに分かれ、3週間ずつ道内各地のホテルを巡りながら業務のイロハを学んでいったそうです。「行く先々で異なる業務を体験しました。予約業務、売店の店員、フロント業務、仕入れや総務など、複数の部署の仕事に触れ、それらが一つになってホテルが成り立っていると実感しました」。時代と共に研修のスタイルも変わりましたが、こうした制度が昔からあることが、質の高いサービスを提供し続けられる同社の強みだと言います。

お客様の反応がやりがいに通じる

研修終了後、苫小牧のシティーホテルに配属され、1年ほどで函館の湯元啄木亭へ移動。予約センターと呼ばれるお客様からの宿泊予約に関する業務を行う部署での勤務が始まりました。「今はネット予約が主流ですが、当時は電話で行うのが一般的でした。電話口で目に見えない接客をしていたと記憶しています」。

こうしてホテル業務にも慣れていく中、谷口さんはあることに気が付いたと言います。「毎回同じ言葉で説明をしているのに、お客様によってうまく通じないことがあるのです。なぜなのかと考え続けた結果、お客様一人ひとりに合わせて説明しなければきちんと伝わらないのだ、という結論に至りました」。

毎日同じ業務を繰り返すうちに、いつの間にか対応がパターン化されていたことを反省。以来谷口さんは、接客中にお客様が理解されていないと感じたら、アプローチを変えて説明を試みるとのこと。こちらの意図が伝わり、想定していた通りにお客様が受け取ってくれた時の「伝わった」という達成感が、仕事へのモチベーションにもつながっていったそうです。

注意深く観察してお客様のニーズを知る

湯元啄木亭に10年勤務した後、グループ内の複数のホテルで勤務を重ねた谷口さんは、現在、再び同ホテルに戻って統括マネジャーとして活躍しています。お客様とかかわる中、常に「お客様の満足度」を意識し、変化を続ける利用者のニーズにどう対応すればいいのか、日々考えているそうです。その際に重視しているのが、お客様を見ること。「目を見て話すなど、文字通り『見る』のと同時に、何が聞きたいのか、どうしたいのかと、お客様の要望をしっかりとつかむ意味での『見る』を心掛けています」。

今年で勤続28年、長い間勤務していますが、意外にも自分がこの業界に向いていると思ったことは一度もないと言います。「自分は特別に能力があるわけではありません。そんな自分を上司が引き上げ、部下たちが押し上げてくれたお陰で今があります。いつか何かの形で恩返ししたいですね」。

そう語る谷口さんが現在力を入れているのが、開園して今年100年を迎える同ホテルの中庭「松岡庭園」の魅力を掘り起こすこと。「節目の年を迎えたこの機会に伝統と歴史を紐解く過程で、庭園の素晴らしさを再認識しました。次の世代を担うスタッフにつないでいきたいですね」。そうすることがお客様のおもてなしにもつながるでしょう、と庭園に目を向ける谷口さんでした。

  • パソコンで予約の確認をするスタッフをフォロー

  • セルフチェックインの操作法を説明

  • 売店の商品陳列を整える

  • ビアガーデン用のテーブルをセッティング

問題も答えも、すべては現場にあります

長年同じ業務に従事していると、「いつもこうやっているから」と動いてしまいがちです。お客様のニーズが日進月歩で変化するこの業界では、これまでの対応のままだと不十分になっていることに気付きづらくなります。現場では何かしらの問題が生じる一方、答えがあるのも現場です。流れ作業にならぬよう、常に注意を払いながらサービス向上に努めています。

野口観光グループ
函館湯の川温泉 湯元啄木亭

「心の通うおもてなし」をスローガンに、付加価値を高める企業努力を続ける野口観光グループが1988年にオープンしたリゾートホテル。100年の歴史を持つ「松岡庭園」、地上11階の展望露天温泉、「食べる函館観光」がテーマの料理を求め、再訪するリピーターも多い。

北海道函館市湯川町1丁目18‐15
TEL.0138‐59‐5355
https://www.takubokutei.com/