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お客様の要望を汲み取り満足度の高い町ガイドを提供【えびす屋函館】

2024年7月15日公開

私が選んだ職場

典型的な理系男子でスポーツとは無縁だった林さん。夏休みだけのつもりで始めた俥夫のアルバイトでお客様を満足させる喜びと学ぶ楽しさを知り心も体もたくましく成長していきます。

俥夫/林 諒芽さん(22歳)
勤務歴4年。恵庭市出身。日々の疲れのリフレッシュ法は十分な睡眠とお風呂。旅行好きで、時間ができたら東北地方を気ままに旅して、各地のおいしいものを食べてみたいと考えている。

コロナ禍で体を動かすアルバイトを探す

大学1年生の夏休み、短期間のアルバイトを探していた林さんは観光人力車サービスを提供するえびす屋函館で俥夫(しゃふ)を募集していることを知りました。「大学に通うために函館に引っ越して来たものの、コロナ禍で行動が制限されていた時期でした。体を動かす仕事を探していたので、すぐに興味を持ったのを覚えています」。

面接を経て採用が決まり、翌日から案内に必要なガイドの知識と人力車を引くための技術を学ぶ研修がスタートしました。「研修初日は『地域の観光大使として振る舞え』と、俥夫とはかくあるべきという理念から始まり、人力車を利用するしないにかかわらず、観光に来ているすべての人に対し同じ熱意を持って接することを教わりました」。

ガイドのために必要な知識は、用意されたテキストを使って歴史を中心に勉強。日本史の教科書に出てくる内容が次々と登場し、改めて函館という町について知るきっかけになったそうです。歴史を知ることで、自分が住む町を誇らしく感じ、自ら進んで勉強するように変化していきました。

お客様の安全と快適さを常に意識

案内に必要な知識を得る一方で、マスターしなくてはならなかったのが人力車の扱い方でした。体力が必要なことは予想していましたが、一日中走り回る体力を付けること以上に乗客の乗り心地をキープするのが難しかったと言います。「お客様には背もたれに寄り掛かかっていただくので、後ろ重心になりがちです。車体を水平にすると乗り心地が良くなりますが、その状態を保つのがとても難しいんです」。

上り坂はもちろんのこと、平地でも段差があると一瞬のけ反ってしまうので、移動する際には事前に路面状況を察知し、段差通過時には力を入れてバーを押さえて水平をキープするそうです。

また走行中は、お客様の命を預かっていることを忘れずに行動。道路は左寄りに走って車を警戒しますが、車だけに気を取られていると自転車や歩行者が見えなくなるので注意が必要とのこと。「案内の最中は常に全方向に気を配ります。死角から急に自転車が飛び出してきたり、子どもが駆け寄ってくることもあるので、さまざまなケースを想定しながら移動します」。過去にはひやっとした経験もあり、とにかく安全に走行することを一番に心掛けています。

一方的なガイドを回避し会話を心掛ける

研修を始めて1カ月後、俥夫としてデビューした林さんでしたが、初めてのガイドは反省点ばかりが残る内容だったそうです。「案内中の沈黙の時間が怖くて、暗記した情報を一方的にガイドしていました。すぐにネタ切れ状態になって会話のない時間が生まれ、終わった後は『ああすればよかった』と、ずっと反省していましたね」。

その後もなかなかうまく案内できなかった林さんは、上司が実践していたという営業日誌を付け始めたそうです。どういうお客様をどこに案内して何を話したのかを書き出し、どんな話題を提供すべきだったかと自省する作業を3年間継続。自分で問題点を考える習慣をつけることで、サービスの質を上げるのに役に立ったそうです。また、歴史や英語の勉強など、案内に必要だと思った知識や技能はすぐに勉強してガイドに取り入れ、ようやく自分で満足できる水準の案内ができるようになっていきました。

この7月で俥夫暦も5年目に突入。現在はお客様とのコミュニケーションを重視し、会話を通じて何を求めているのかをいち早く察してサービスにつなげることを意識しているそう。「案内を終えて、『函館に来て良かった』と言われると最高にうれしいですね。その声を聞き続けるために、勉強しなきゃならない課題が山ほどあります」。お客様の満足度を上げるため、向上心の尽きない林さんでした。

  • 旅行者に声を掛けてサービスを案内する

  • フォトスポットで記念撮影のサービス

  • 建物の歴史について説明する

  • 営業終了後は車体をクリーニング

他の業界でも応用の利く人材を育成

店長/門馬幸介さん

林君は努力家ですね。自分に足りないものを徹底的に調べ上げて、全国通訳案内士の資格も取得してしまうほど熱心です。ただし研修中は大苦戦して、研修最後の試験では一度合格を見送りました。俥夫の仕事は体を使うので長くは続けられません。そこで、引退後のことを考えて、俥夫で培った経験が次のステージでも生かせる人材育成をするのが当社のスタイルです。

株式会社 スターゲートエビス
えびす屋函館

ガイドブックや情報サイトにも載らない魅力たっぷりの見どころを巡るサービスを提供するえびす屋の函館店として2017年にオープン。歴史、風景、グルメなど希望に応じた案内が人気で、修学旅行生やインバウンドの利用も多い。俥夫10名。

北海道函館市豊川町7‐24 マルカツ・トヨカワコモンズ1F
TEL.0138‐83‐7618
https://www.ebisuya.com/