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入居者一人ひとりの体調を見極め個々に応じたケアを行う【特別養護老人ホーム 美ヶ丘敬楽荘】

2024年7月8日公開

私が選んだ職場

柔道整復師志望から一転、福祉の世界に飛び込んだ小松さん。知識も経験もない状況の中、先輩から教わったことを忠実に実行し、介護に必要なスキルと入居者との距離感を身に付けていきます。

介護職員/小松麻美さん
勤務歴3年。スポーツ好きで自宅のテレビはスポーツ中継が流れていることが多く、特にバスケットボールが好き。休日は2匹の愛犬と遊ぶのがお決まり。

福祉の世界へ目標を変更

高校卒業後、柔道整復師になることを目標に専門学校に通っていた小松さんは、ある経験をきっかけに別の道に進もうと決意しました。「体験実習の授業で病院に行ったのですが、自分がイメージしていた業務内容と現場の様子が大きく違っていたんです。一度地元の函館に戻ってリセットし、改めて将来について考えようと思いました」。

学校のカリキュラムを通じ、現在の介護職員初任者研修にあたるホームヘルパー2級の資格を取得していた小松さんは、この資格が生かせる施設への就職を検討。介護士として働いていた母親からのアドバイスもあり、新規開設する特別養護老人ホームのスタッフとして働くことになりました。

晴れて介護職員としてデビューしましたが、介護現場での経験がなかったため、初勤務では何をどうすればいいのか分からず途方に暮れるばかり。それでも職員として対応しなければならず、福祉の現場で長年活躍してきた先輩に教わりながら、毎日必死に取り組んで覚えていったそうです。

声掛けと仕草で心の準備を促す

特別養護老人ホームでの業務は、食事、入浴、排せつの介助など多岐にわたります。新人介護士として働く中、小松さんが先輩から教わったのが、「つかむ」、「起き上がる」など、入居者一人ひとりが持つ残存機能をできる限り生かす介助でした。「例えば食事の際、一から十までお手伝いすることで、体の機能がますます衰えてしまう恐れがあります。手が動くのであれば可能な限りご自身でスプーンを使っていただき、現状をなるべく維持するケアを心掛けています」。

しかし新人時代は手伝ってあげることが入居者のためになると思い、不自由そうにしている人を見るとすぐに手伝っていたそうで、今振り返ると悔やまれる行動が多かったそうです。

また、排せつ介助や着替えを手伝う時には、声掛けが欠かせないと言います。「何も言わずに着ているものを脱がせてしまうと、びっくりさせてしまいます。たとえ会話でのコミュニケーションを取れない方であっても、必ず何をするのか伝えてから行います」。

更に入浴時の介助では、身ぶり手ぶりも意思の疎通を図るために取り入れているとのこと。「頭を洗います」、「体をこすります」と、これから行う仕草を見せることで、心の準備をしてもらうのだそう。頭にお湯を掛ける際には、驚かせないように特に注意しています。

知識を深めてサービスの質を高める

介護職員としてデビューしてから10年後、小松さんは介護サービスについての視野を広げたいと考え、介護老人保健施設に転職。3年間多くの人とかかわりながら経験を積み、再び特別養護老人ホームで働こうと「美ヶ丘敬楽荘」に入社しました。勤務時間は早番、日勤、遅番、夜勤の4つのパターンがあり、シフト制で食事や排せつ、入浴などのケアを行います。入居者と接する時にはコミュニケーションを重視し、どうやったら伝わるのかを常に考えながら行動しているとのこと。「この施設に勤務して3年が経ち、入居者の皆さんにも顔を覚えてもらえました。部屋に行くと『来てくれたのかい』と喜んでくれたり、『昨日休みだったでしょ、寂しかったよ』と声を掛けられた時はうれしいですね」。

今後は現場で働き続けながら、カラオケ大会や調理実習、宝探しゲームなど、入居者に喜んでもらえるレクリエーションの企画運営にも携わっていきたいと抱負を語る小松さん。またその一方で、施設の職員向けに定期開催される勉強会にも積極的に参加したいと意気込みます。「認知症や感染症のことなど、知らないことがまだまだあります。介護に必要な知識を深めて、入居者一人ひとりに喜んでもらえるように、これからも勉強を続けます」。慢心することなく、学び続けたいと話す彼女の声が力強く響きました。

  • いつでも支えられるように手を添えてサポート

  • サポートは最小限にとどめて食事を見届ける

  • 機器の動作を確認して入浴の準備

相手のために気を配る

副施設長/福地寛己さん

小松さんは気配りができる人ですね。介護の世界では人のために気を配れることが重要な要素の一つです。こちらですべてやってしまうと今ある「できる力」を奪うことにもなります。入居者様お一人おひとりの力を用いながら介助を行い、その力を伸ばすため、時には手を出さずに待つことも介護する側には必要ですよ。

社会福祉法人 函館緑花会
特別養護老人ホーム 美ヶ丘敬楽荘

2018年にリニューアルオープンした介護老人福祉施設。6つのユニットに長期・短期合わせて60名が入居する。個々の生活習慣や体調の変化に合わせた個別ケアができる体制を確立する一方、職員への教育やサポート体制を整え、働きやすい職場づくりにも力を入れている。

北海道北斗市向野2丁目19‐18
TEL.0138‐77‐7345
https://hakodateryokkakai.com/