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趣味と経験を生かして利用者に寄り添うサービスを提供【株式会社絆メディカルグループ e-project】

2024年6月3日公開

私が選んだ職場

7年間の主夫生活から正社員としての勤め人生活に復帰した小板さん。久しぶりの環境に緊張しつつスタートしましたが、次第に日々の業務を楽しめるようになっていきます。

職業指導員/小板一博さん(46歳)
好きなゲームは「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」。休日は2年前に始めたスケートボードの練習に励み、時々ソロキャンプにも出掛けるアウトドア好き。

資格とスキルを売り込み正社員として入社

娘さんが生まれてからの7年間、主夫として家事と子育てが中心の生活を送っていた小板さんは昨年12月、正社員として働ける職場を探し始めました。「娘が小学生になるのを機に、時間に少し余裕ができると思ったんです。近年は物価も上がり、今後の教育費も必要なので、より収入の見込める正社員での雇用で働こうと決めました」。

シゴトガイドのウェブサイトを訪れた小板さんは、雇用形態や勤務地、土日祝日が休めるシフトなど希望する条件を設定して検索を開始。函館市内で福祉事業を展開する株式会社絆メディカルグループが就労継続支援B型作業所「e‐project」の就労支援兼送迎ドライバーを募集していることを知りました。「もともと自動車の大型免許を持っていましたし、送迎業務の経験もありました。主夫時代には就労継続支援A型の事業所でパートタイムとして働いていたこともあって、これらの経験が生かせると思い応募してみました」。

eスポーツを活用した福祉サービスを提供する同社の面接では、職歴に加え、ゲーム好きであることやパソコンを使った動画編集のスキルがあることをアピール。こうした経験が評価され、40代半ばにして会社勤めの生活に復帰しました。

利用者の状況に合わせてサービスを提供

職業指導員として入社した小板さんの1日は、施設利用者の送迎業務から始まります。先輩スタッフとペアになり、専用の車で利用者のお宅を一軒ずつ訪問。業務中は安全運転に努めるのはもちろんのこと、車内の雰囲気が暗くならないように心掛けていると言います。「施設を利用される方の中には気分が落ち込みやすいタイプの方もいます。あいさつをしながら表情や声のトーンからコンディションを推測し、その人に合わせた話題で声を掛けて気分を高めます」。

事業所に到着した後は担当する動画の編集を行い、同時に利用者にパソコンの操作法をアドバイス。決められたスケジュールに沿って休憩を挟みつつ、昼食の約1時間前からおよそ20人分の食事を作り始めます。「主夫でしたので料理は得意です。ただし、作る量が家庭のざっと10倍になるので、微妙な味の調整などに苦労しましたね。お米を炊く量が少なかったり、量の感覚に慣れるまでひと月ほどかかりました」。

メニューや食材の買い出しなど、食事に関する業務は小板さんの担当。衛生管理の徹底はもちろんのこと、利用者一人ひとりの食物アレルギーも事前に把握してメニューに反映しているそうです。

情報を共有して適切な言葉を選ぶ

会社勤めの生活に復帰して5カ月が経過し、新しい生活パターンにも慣れましたが、仕事面ではまだまだうまくいかないことも多いとのこと。中でも難しいと感じるのが施設利用者との関係づくりだそうです。「言葉一つ間違えただけで落ち込んでしまう利用者さんもいます。『ちょっと待っててね』と対応したところ、拒否されたと思い気落ちして泣き出してしまった人もいました。失敗して学ぶことがまだまだ多いですね」。

利用者によってはデリケートな対応が必要なため、スタッフ同士が常に情報を共有し合っているそうです。

もちろん、業務中は小板さんにとってうれしい瞬間もあります。「少ししか話せなかった利用者さんから話し掛けられたり、送迎で部屋まで行かないと姿を見せなかった子が玄関先で待ってくれていると、心を開いてもらえたんだなと感激しますね」。

こうして、職業指導員として成長する小板さんの当面の目標は、みんなから「おいしい」と言われる食事を提供すること。おいしいものを作って当たり前と思われているのか、利用者からはなかなか評価の声が上がらないのだとか。「リアクションが薄いと『今度は絶対にうまく作ってやるぞ』とモチベーションが上がります。そんなやり取りも含めて楽しく働かせてもらっているので、このまま長く続けていきたいですね」。我が子を見守る父親のような優しい目で語る小板さんでした。

  • 運行記録に時間と走行距離を記入

  • 編集ソフトの操作法をアドバイス

  • 料理は手作りが基本。日替わりメニューで飽きさせない工夫も

資格取得で専門性をアップ

サービス管理責任者/角田佳佑さん

小板さんはとても気配りのできる人ですね。入社してすぐにいろいろなところに気遣いのアンテナを張り、利用者様に接してくれています。福祉の世界にはいろいろな資格があり、勉強することで専門性もアップします。当社では資格を取得するためのサポート体制が整っていますので、小板さんには今後何かしらの資格取得にチャレンジしてほしいですね。

株式会社絆メディカルグループ
e-project

医療や介護の他、自立支援や動物の愛護活動を展開する福祉事業会社「絆メディカルグループ」が2023年6月に開所したeスポーツによる就労継続支援B型作業所。現在20名を超える利用者が登録し、ゲームの実演と動画編集スキルを学ぶ。

北海道函館市広野町2-2
TEL.0138‐86‐5712
https://kizuna-medical-group.com