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豊富な経験を駆使してお客様に喜んでもらえる店を作る【こん堂 オオテマチ】

2024年5月20日公開

私が選んだ職場

かつての同僚からカフェを引き継いだ近藤さん。自らが経営するテイクアウト専門店との違いに戸惑いを感じながらも臨機応変に対応しお客様を笑顔にする料理を提供します。

厨房・ホール担当/近藤 剛さん(42歳)
江差町出身。上京して大手外食チェーンで洋食を学び、帰郷して郷土料理を修得。その後は函館市内の飲食店で経験を積む一方、複数の店でメニュー開発に携わる。撮影した我が子の動画を編集するのが最近の密かな楽しみ。

店舗承継の相談に自らが名乗りを上げる

洋食の持ち帰り専門店を経営していた近藤さんは昨年9月、以前働いていた飲食店の同僚から、「自分のカフェを引き継いでくれる人がいたら教えて欲しい」と相談されました。「私の店はコロナ禍の影響でお弁当の需要が高く売り上げも好調でしたが、感染症法上の分類が5類になってから業績が伸び悩んでいたんです。どこかのタイミングでイートインの店を持ちたいと思っていた矢先の相談でした」。

ちょうど良い機会だと判断した近藤さんは、自分が店を引き継ぐことを検討。家賃やスタッフの賃金をやり繰りできるかシミュレートを重ねたそうです。「近しい友人の中には反対する人もいれば、応援してくれる声もありました。お客様が来てくれるかなどの不安要素はあったものの、やってみなければ分からないからやってみろと背中を押す自分もいましたね」。

考え抜いた結果、既存の店と並行してカフェを引き継ぐ道を選択。同年の暮れまでは旧店名のまま営業を続け、年明けからは店名を「こん堂 オオテマチ」に変更し、カフェと持ち帰り弁当という2つの使い方ができる店として始動しました。

技量に合わせて料理の質を保つ

2店舗体制で新たなスタートを切った近藤さんでしたが、実際に動き出してみると、お客様の流れが予想とはかなり異なることが分かりました。「引き継ぐ前のお店のイメージが強いのか、こちらの期待とは裏腹にお弁当の需要が想定を大きく下回ったんです。そこで、カフェ利用のお客様にウエイトを置いてメニューと価格を見直し、厨房スタッフを再育成しました」。

一方的に値上げすることでお客様が離れてしまうことを懸念した近藤さんは、お客様の利用しやすさを考慮して価格を再構成。技術的に難しい料理をグランドメニューから外し、スタッフが自信を持って作れるものだけに絞ることで、料理のクオリティーを保つことにしました。

また、予想外だったのが駐車場の問題でした。「駐車場を8台分用意していましたが、満車だからと店の利用を諦めて帰ってしまうお客様が多かったんです。持ち帰りでは店の前で待つのが普通でしたのでショックでしたね」。

この経験を生かし、現在は店舗周辺に新たな駐車場を確保。混雑時には周辺のコインパーキングを案内してお客様の要望に応えられるように努めています。

仕事を褒めてスタッフの意欲を高める

店を引き継いで約半年、運営も軌道に乗り始め、旧店舗時代からの従業員に厨房とホール業務を任せる日も多くなったという近藤さん。スタッフには、ああしろこうしろと口酸っぱく言うことはなく、褒めることを重視していると言います。「先輩に怒鳴られても食らい付いていくような時代ではありません。怒られると萎縮していい仕事ができないので、褒めてモチベーションを上げるほうがお客様にとってもいい結果につながるでしょう」と、実際にその効果を感じているそうです。

そんな近藤さんの今後の目標は、地元に根付いた店にすること。「観光客向けの店だと思われがちなので、地元の人を意識したメニュー開発をしていきたいです。この空間で営業してきた歴代店のイメージを継承し、見ているだけでも癒やされるデザートなども作っていけたらいいですね」。

そのためにも、食べ歩きをしながら函館の魅力を探すのがささやかな夢なのだそう。これまでに数々のメニューを考案し、多くの人を笑顔にしてきた近藤オーナーの次のひと皿を目にするのが今から楽しみです。

  • のぼりと看板を出して営業を開始

  • 焦げないように焼き色を付ける

  • 盛り付け時は手袋を使用して衛生面に配慮

  • 在庫を確認して食材を発注

用意できないものは先に説明

ランチタイムなど飲食店では一時的に混雑することがあります。当店では少人数のスタッフで対応しているため、料理提供前のお客様を含めて4組目のお客様からは、時間がかかることを説明してからご入店いただいています。品切れのメニューが出た場合もそうですが、こちらの状況を先にご案内することで避けられるトラブルもあるので、事前案内は重要です。

こん堂 オオテマチ

昨年12月に経営を引き継ぎ、今年1月から「こん堂 オオテマチ」としてリニューアルオープン。牛ステーキご飯などこれまでの定番メニューに加え、姉妹店である持ち帰り専門店の人気商品も楽しめる店として新旧の常連客でにぎわう。

北海道函館市大手町3‐8
TEL.0138‐76‐8480
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