細やかな配慮でもてなして気軽に立ち寄れる店にする【株式会社BRAND-G】

人と接することが大好きで20年以上接客業を続けてきた成田さん。新たな職場でも得意のコミュニケーション力を生かしお客様が気軽に来店できる雰囲気づくりに励みます。

全道にチェーン展開する食堂に3年間勤めていた成田さんは昨年8月、「広州GRECO 函館五稜郭本町店」を運営する株式会社BRAND-Gに転職しました。「スタッフの少なかった前の職場は、休みを確保するのが難しい店でした。その前に17年間勤務したパチンコ店も含めこの20年間は年末年始に休んだことがなく、休暇を基準に選んだのが現在の会社です」。

転職後、3カ月の研修期間中は同社が運営する居酒屋で業務全般について学習。1人で店を切り盛りするための知識とスキルを身に付けていく中、前職との違いを感じたそうです。「食堂勤務時代は、注文を受けたらすべての料理を10分以内で提供する決まりがありました。現在の店は出来上がった順に出していけばいいので、余裕を持って調理できる分、どのメニューから取り掛かるか考える必要があります」。

蒸し料理など時間のかかるメニューは先にセッティングし、続いて冷菜やサラダなどすぐ用意できるものを提供。テーブルの皿が空にならないように段取りを考えながら料理を作っていきます。

料理を運ぶ回数が多い分、その度にお客様と交流できるのも食堂とは異なる点です。人と話すのが好きな成田さんにとって、接客は仕事をする上での楽しみの一つ。業務中は常にお客様に気を配り、声を掛けるきっかけを探しているそうです。「『ちょっと聞こえたんですけど』と、お客様の会話を話題にしたり、寒そうにしている人がいれば『今日は冷えますね』と膝掛けを勧めます。相手の反応が良ければ更にひと言ふた言続けます」。

また、会話をする際には座っているお客様と目線の高さを合わせ、かしこまり過ぎない言葉を選ぶのがポイント。「丁寧過ぎるとかえってお客様が距離を置いてしまうので、親しみやすい言葉遣いを意識するのがコツです。お話しする方のノリに合わせて対応を変えています」。

2月から配属された現在の店は厨房から客席がよく見えるので、料理をしながらこまめにお客様の様子をチェック。使用済みの食器があればこまめに下げて「お口に合いましたか」、「料理やドリンクの追加はありませんか」と、必ず一言声を掛けます。

成田さんは現在、フロアマネジャーとして厨房とフロアの業務を兼任。3月にリニューアルされたメニューを覚えるため、キッチンのあちこちにメモを貼って対応しています。「レシピを覚えるのはもちろん、オーナーからは『調理にどのくらいの時間がかかるのか、感覚で覚えなさい』と教わり、何度も試作を繰り返しました」。

努力のかいもあり新メニューは一通りマスターしましたが、時には注文とは違うものを作ってしまうこともあるとか。「オーダー票を見ているのに、勘違いしてしまうんです。注文がいくつも重なった時にミスすることが多いので、混雑時にはいつも以上に落ち着いて作業するように心掛けています」。

今後はもっとお客様が気軽に立ち寄れる店にするのが目標。そのためにもまずは業務全般のスキルアップが必要ですねと、取り組むべき課題を自認します。「力量が上がれば余裕も生まれて、より良いサービスが提供できますからね」と、理想の店に近づけるための努力を惜しまない成田さん。今夜のビールもきっとおいしく感じることでしょう。