お客様と愉しみ、お客様から学べるWの経験【函館高温源泉 湯の箱こみち】

人と接するのが好きな髙橋さん。転職先のフロント業務に苦戦しつつもお客様からの感謝の言葉と温かい心に触れ利用者に愛されるスタッフとして活躍していきます。

高校を卒業後、接客の仕事を2年間経験した髙橋さんは、新たな職場を探していました。「昔から人と接するのが好きでした。2年間お客様への応対にやりがいを感じていたので、転職先も接客業一本に絞って探していた時に『シゴトガイド』で現在の職場の求人を見つけたんです」。

自らも温泉好きで、温泉施設に対してスタッフとお客様の距離が近いという印象を持っていた髙橋さんはすぐに応募を決意。面接ではお客様を迎え入れるフロント業務が希望であることを伝え、ほどなくフロント係として入社が決まりました。

入社後の研修期間は先輩スタッフの横に立ち、お客様への対応を見て覚えることからスタート。受付時の一連のやり取りを何度か見たところで交代し、先輩に見守られながら緊張のデビューを果たしました。「フロント業務といっても、会員証の確認や料金のご案内、マッサージサービスの受付など多岐にわたります。『次はこれをやってみましょう』と先輩に誘導されながら少しずつ経験して覚えていきました」。

手際良く対応できずお客様をお待たせすることもありましたが、次第にコツをつかみ、1年ほどで一通りの業務を覚えることができたそうです。

業務と並んで苦労したのが、百人を超える常連客を覚えることでした。「顔や名前はもちろん、好んで使用されるロッカーの位置など、お客様の情報をなかなか覚えられませんでした。『言わなくても分かるでしょ』と言われても対応できず、気持ちが凹んだこともあります」。

お客様とのコミュニケーションがうまく取れず、業務に対してネガティブに考えてしまうこともある中、落ち込む気持ちを支えてくれたのが一緒に働くスタッフのサポートだったそうです。また、お客様の中には小さなことにも感謝してくれる人もいて、「ありがとう」という言葉に何度も励まされたと言います。「『頑張ってね』とジュースやお菓子を差し入れしてくれる方や、勤務後にお風呂を利用していると、『お疲れ様。今終わったの？』と声を掛けてくださる人もいて、その度に心が和みました」。

同僚やお客様と交わすこうした瞬間があったからこそ、今でもこの仕事を続けていられるのだと言います。

入社して丸11年、今では顔なじみのお客様も多くなり、勤務中は髙橋さんから積極的に声を掛けることを心掛けているそうです。「親近感を持っていただきたくて、館内を移動する際も『いらしてたんですね。今日はお一人ですか』と、一人ひとりに声を掛けます。特に初めてのお客様には第一印象が大事ですので、マスクの下でも笑顔を欠かしません」。

現在はフロント業務を中心に、毎月行うイベント内容の企画や、売店の商品管理も担当。お客様の意見を参考に、常に利用者目線を意識したサービスを提供しています。「お客様のニーズを知る上でもコミュニケーションは大事です。お客様との関係が深まることで館内の雰囲気も良くなりますので、これからも声掛けを徹底していきたいと思います」。

髙橋さんとの会話が楽しみで通っていると言ってくれる常連客も多く、「お客様にとって、自分がそういう存在になれていることがうれしいですね」と、顔をほころばせる髙橋さん。これからも多くの方と交流し、心身共にリフレッシュできる温泉を目指してお客様をお迎えしたいと抱負を語ってくれました。