丁寧に説明をしてお客様のリフォームニーズに応える【日新産業株式会社】

体力の低下を見越してこれまで経験したことのない業界に転職した工藤さん。失敗を糧にしながら先輩達の高い技術に刺激を受け自らのスキルアップに邁進していきます。

エクステリアの会社で外構工事に携わっていた工藤さんは1年前、転職先探しを始めました。「お客様の庭を造るのはとても楽しい仕事でしたが、体力勝負の一面もあったんです。年齢的にこの先いつまで続けられるのだろうと考えた結果、キャリアチェンジを決めました」。

じっとしているのが苦手な性格の工藤さんは、販売と内装工事などの現場仕事に絞って職探しを開始。程なく、玄関扉や窓の販売・施工を行うMADOショップ函館吉川町店でスタッフを募集していることを知り、面接を受けました。「店長候補の募集でしたので、経験のない自分に務まるか不安を感じていたのを覚えてます。社長から『まずは1年間勉強するつもりでやってみてください』と言われ、気が楽になりました」。

入社後は研修からスタートし、当時の店長からは毎日「見積もりを作りなさい」と指示されたそうです。カタログを開いては製品価格と工事費の計算を繰り返すことで、扱う製品と工事の種類を把握していきました。

その後、施工現場に出て最初に担当したのが、窓を取り付ける開口部の計測でした。「建物は多かれ少なかれゆがんでいるので、寸法は開口部の両端と中央部の3カ所を測るのが基本です。採用するサッシによって厚みも変わるので、埋め込みに必要な奥行きも忘れずに測ります」。

計測したデータをベースにしてメーカーに発注しますが、まだ業務に慣れていないころに一度大きな失敗を経験したと言います。「開口部の寸法は正確に測ったのに、部品の寸法を余計に足してしまったんです。取り付けの日、現場でサイズが大きいことが分かり、頭の中が真っ白になりました」。

すぐに会社に連絡を取って状況を説明し、上司の指示通りに対応。無事その日のうちに取り付け工事は終了し、この一件で製品の寸法についての理解を深めたそうです。

工事を行うチームにはその後も同行し、親方の指示を受けながら少しずつ作業を習得。隣地と近接する家や、作業スペースがほとんどないケースなど、現場の条件はさまざまなため、工藤さんはなるべく多くの現場を見ることを課題の一つとしています。

入社して丸一年が経ち、現在ではお客様の要望聞き取りから、プランの提案、施工までを行う工藤さんですが、経験が圧倒的に足りないと自己分析しています。「現場ではまだまだ親方の指示を待つ状態ですので、自分で動けるようになりたいですね。親方たちのように、難しい現場でもこうすれば対応できるという『ひらめき』を養いたいです」。

思いもよらない方法で難問をクリアする様子を見た時には「わー、すごい」と思わず声をあげてしまうこともあり、そんな瞬間に立ち会えるのが今の仕事の魅力なのだそう。

そんな彼女の中で一番うれしかった出来事が、自分が提案したデザインの窓が取り付けられて施主に喜んでいただけた時でした。しっかりとニーズに応えることができ、お客様にも満足してもらえて充実感があったと言います。

今後は窓サッシ以外の住まい全体の困りごとに対応できるようになりたいと目標を掲げる工藤さん。「プランニングから施工まで何でもできるマルチな人間になって、『この店に相談すればどんなことでも解決してくれるよ』と言われる店にしたいです」。お手本となる先輩たちに囲まれ、具体的なイメージに向かって自分磨きに励む店長さんでした。