シゴトガイド
ホーム求人情報応募・面接のコツインタビュー・記事シゴト図鑑
  1. 函館シゴトガイド
  2. インタビュー・記事
  3. 私が選んだ職場
  4. 厳しさと優しさのけじめを付けて子どもたちと接する【株式会社ポラリス】

厳しさと優しさのけじめを付けて子どもたちと接する【株式会社ポラリス】

2024年4月1日公開

私が選んだ職場

介護福祉士の父の影響を受け福祉の道を志した太田さんは、アルバイトをきっかけに介護から児童支援へと目標を変更。経験不足を感じながらもやりがいを見つけ大きな目標を立てて進んでいきます。

放課後等デイサービス ポラリスひろば
主任/太田帆乃花さん
七飯町出身。休日は部屋の掃除と携帯ゲームで気分転換をするインドア派。最近気に入っているゲームはパズルゲームの「ディズニー ツムツム」。

理解しやすい言葉で話しかける

高校卒業後、臨床福祉専門学校で介護の勉強をしていた太田さんは、先輩が働く放課後等デイサービス「ポラリスひろば」でアルバイトスタッフとして働くことになりました。

「学校の授業は介護や、障がいを持つ成人を対象とした内容がメインでした。実習でもお子様とのかかわりはほとんどなく、子ども相手の場合は大人の方とは違うアプローチが必要なことを知る機会になりました」。

知的障がいや発達障がい、重度障がいを持つ子どもたちが通う放課後等デイサービスで、太田さんが最初に戸惑ったのが言葉遣いでした。「高齢者との会話では普通に用いる言葉も、お子様の場合には『それってどんな意味』と、聞き返されてしまうんです。深呼吸を『深く息をする』と言い換えるなど、意味をかみ砕いてから話す作業が必要でした」。

今でこそ、分かりやすい言葉を自然に選べるようになりましたが、働き始めた当初は適切な言葉がパッと思い浮かばず、言い淀んでしまうことも多かったそうです。

教室での関係を把握して座る場所にも配慮する

また、言葉の分かりやすさ以上に注意が必要だったのがNGワードでした。「例えば年下の兄弟がいる家庭では『お兄ちゃんなんだから◯◯しようね』という言葉が使われがちです。人によっては重圧に感じたり、パニックにつながるケースもあって、お子様の心が想像以上に繊細で敏感だと教わりました」。

何気ない会話の中にNGワードが潜んでいることもあり、アルバイト時代には気付かずに使った言葉で利用者が感情的になってしまったこともあったとのこと。こうした失敗を繰り返さないために、利用者一人ひとりの情報を先輩スタッフから教わり、細心の注意を払いながら業務に慣れていったそうです。

その後、就職活動の時期を迎えた太田さんは、ポラリスの中村代表からこのままスタッフとして働いてほしいと誘いを受けました。もともと成人を対象とした介護を目指していましたが、自分のことを慕ってくれる姿を見ているうちに子どもが好きになり、児童支援の道を進もうと決心したそうです。

新卒入社後は新たな業務も担当し、その度に課題と対応策を学んでいったとのこと。「例えば、利用者の送迎を担当して間も無いころ、狭い車内は子ども同士のトラブルが起きやすい場であることを知りました。現在では教室での人間関係を踏まえて、座る場所に配慮しています」。

話す時には子どもと同じ目線になる

事業所でのスケジュールは、先に学校で出された宿題を済ませ、全員がそろったところで「日課」と呼ばれる体を動かすプログラムを開始。スタッフの1人が教室長を担当し、他のスタッフがサポート役として子どもたち全員とかかわるそうです。「お子様と接する時に意識しているのは、目線の高さを合わせることですね。立ったままだと身長差があって威圧感を与えるので、どんなに忙しい時でもしゃがんでお話しします」。

もちろん、時には叱らなくてはならない場面にも遭遇します。叱る際には長引かせずに数分で終わらせるのが太田さんの方針。「今のは良くなかったね。どうしたら良かったのかな」と、自分で考えることを促すようにしているそうです。

社員として働き始めて丸5年、すぐに泣いてしまっていた子が泣かなくなったり、自分と変わらない体格に成長した子どもたちの姿を見ると、感慨深いものがあると話す太田さん。これからもけがをさせることなく、みんなに楽しい気分で帰ってもらうのが目標なのだそう。「そのために必要な要素は二つ、厳しさと、一緒に楽しもうとする姿勢ですね。この先生は厳しいけどいっぱい遊んでくれるから好き、と思ってもらえる人になりたいです」。今春から主任に登用された彼女が更に活躍する様子が目に浮かびました。

  • パソコンを使って教材を作成

  • スタッフ同士で模擬練習を行う

  • 昼食を一緒に取ってスタッフ間のコミュニケーションを図る

社会との付き合い方を身に付けてもらう

太田さんはアルバイト時代から頑張り屋でした。経験を積んだ現在では、安心して一つの教室を管理者として任せられる存在です。当事業所は18歳までの子ど
もが利用できますが、高校卒業までここにいることが正解ではないと考えています。早い段階で地域に戻り、ここで得た経験を生かして社会にかかわっていく。そのためのサポートをスタッフが共同で行なっています。

株式会社ポラリス
放課後等デイサービス ポラリスひろば

福祉用具や居宅介護支援などの事業展開をする株式会社ポラリスが提供する放課後等デイサービス。コーディネーション運動をメインとした複数の運動教育プログラムが用意され、集団療育による社会とのコミュニケーション力の育成に取り組む。

北海道函館市大川町15-22
TEL.0138-76-7000
http://www.polarishiroba.com/