お客様一人ひとりと接し思い出に残る時間を提供する【函館大沼 鶴雅リゾート エプイ】

姉が勤めるリゾートホテルに就職した日影舘さん。先輩たちのアドバイスを受けながら、場面ごとに必要とされるスキルを身に付け、細やかな気配りで旅の思い出づくりをお手伝いします。

3年前の冬、当時高校一年生だった日影舘さんは、3歳上のお姉さんが働くリゾートホテル「函館大沼鶴雅リゾートエプイ」でアルバイトスタッフとして働くことになりました。「姉から紹介を受けてすぐに興味を持ちました。職場の様子や業務内容についても聞いていたので、特に不安を覚えることなく働いてみようと決めることができました」。

日影舘さんが担当したのは客室の清掃業務でした。部屋の広さに応じて複数人のチームで作業し、ベッドやシャワールームなど分担して行います。「最初はベテランの先輩についてベッドメイキングを教わりましたが、シーツをしわなく張るのが難しかったですね。学校が休みの日にしか勤務できなかったので、上手にできるようになるまで時間がかかりました」。

回数をこなすことで徐々にコツをつかみ、スピードも仕上がりの正確さも上がっていきました。

その後、高校3年生になった日影舘さんは、卒業後の進路としてアルバイト先での就職を希望。それまでの働きぶりが評価され、正社員としての就職が決まりました。「2年間のアルバイトを通じて職場の様子を知ることができ、施設の雰囲気がとても気に入っていました。自分が役立てる職務があるという点も、就職先として選んだ大きな理由の一つです」。

入社後は清掃に加え、フロントとレストラン棟での業務を担当。これまで経験したことがない部署での仕事に多少の不安を感じたそうです。「これまでの客室清掃では宿泊者と接する機会がほとんどありませんでした。お客様と対面する場面でどのように対応すればいいのかうまくイメージできず、先輩が接客する姿を見て懸命に覚えていきました」。

人見知りではないものの、緊張しやすいタイプの日影舘さんは、固くなっているのを表に出さないように努めることからスタート。言葉遣いも当初は「◯◯でございます」というかしこまったフレーズが浮かばず、普段使っている言葉が出てきてしまうこともあったそうです。先輩から「あの場面では、こんな言葉を使ってみたらどう」とアドバイスを受けることもあり、上司や先輩に質問を繰り返し、自分の中でしっかりと消化しながら改善していったそうです。

現在は、フロント業務を担当することの多い日影舘さんですが、受付に付き切りではなく、その時々の状況に合わせて他の業務にも臨機応変に対応しています。勤務中は常にお客様とのコミュニケーションを意識し、会話のきっかけづくりとしてお客様の顔を覚えることを心掛けているそうです。「チェックイン時にできるだけお客様の顔を覚え、レストラン棟などでお客様を見掛けた時にはごあいさつします。そこから会話に花が咲くこともあり、勤務中の楽しみの一つです」。

新卒社員として入社して以来、新しい業務の連続で戸惑うことも多くありましたが、お客様から感謝の言葉を掛けられる度にうれしかったと1年を振り返る日影舘さん。「『ありがとう』と言われると、この方のためにもっと何かしてあげたいと思うんです」と、お客様の声が仕事の原動力になっていたと明かします。「今後は更に多くの方に喜んでもらうため、これまでに覚えた業務一つひとつを深く掘り下げて磨き上げていくのが目標です」。そう話す彼女の言葉に、今より多くの「ありがとう」の声に包まれるホテルの様子が目に浮かびました。