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利用者の「こうしたい」を察して動き楽しい時間をサポートする【居宅介護事業所 Roots】

2024年3月4日公開

私が選んだ職場

スポーツトレーナー志望から一転、外出支援員として働き始めた久末さん。学校では学びきれなかった現場の様子にためらうこともありましたが、経験を重ねる中で自分の心の変化に気付いていきます。

外出支援員/久末健太さん(26歳)
函館市出身。長年サッカー部で活躍してきた筋金入りのサッカー小僧。体を動かすことが多い仕事柄、日々の筋トレは欠かさない。ベンチプレスの負荷設定は100kgオーバー。

先輩からの誘いを受けて福祉業界に就職

福祉の仕事に就いて7年目に入る久末さんは専門学校時代、現在とは異なる職業を目指していました。「元々はスポーツトレーナーになりたくて、スポーツメディカルを学んでいました。キャンパスのすぐそばに現在勤める会社の本部があり、そちらに就職した先輩から声を掛けられたんです」。

在学中、資格取得の試験には積極的に取り組んでいたこともあり、福祉の現場で応用できる資格を取得していた久末さんは先輩の誘いを応諾。札幌の居宅介護事業所「からーず」の外出支援員として働き始めました。

知的障がいや発達障がい、身体に不自由を抱える方など、業務についてある程度のイメージはできていましたが、現場ではうまくいかないことも多かったと言います。「例えば足が不自由な方といっても症状はさまざまですし、会話が全くできないケースもあります。こちらの思いが伝わらないことや、逆に相手の気持ちがうまく見えてこないこともありました」。

実際に対応する難しさに戸惑いながらも、道具を使ったサポートや身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取り、利用者との心の距離を縮めていきました。

サービス利用者との関係づくりが重要

外出支援のサービスは、1人で出歩くことのできない方に付き添い、外出を可能にするのが主な業務です。利用者には1人で対応するのが基本で、初対面の場合には先輩スタッフと共に利用者の元を訪ねてこれまでの対応などについて教わります。「『この人はこういうことをしたいんだよ』、『こんな場面では気を付けて』としっかりとアドバイスを受け、その後は1人で対応します。万が一事故が起きた場合には担当である自分の責任ですので、今でも緊張します」。

外出を希望する利用者の要望は多岐にわたり、買い物や公園での散歩、プールでのトレーニングなどさまざま。相手の体調など近況を事前に聞き取り、必要な用具類を準備してサービスに向かいます。

一方、訪問先に関しても最新情報を調べる必要があります。移動の手段やルートの確認はもちろんのこと、施設によっては臨時休館することもあるので、いろいろなケースを想定して事前準備を行います。「忘れ物や、時間通りに予定が進まないなど、迷惑を掛けることもあります。そんな時でも、利用者様との間に良い関係が築けていれば『仕方ないね』で済ませてくれる方もいます。結局はお互いの関係づくりが重要だと学びました」。

職務を通じて自らの変化を実感

就職してから3年が過ぎ、家庭の事情で地元の函館に戻った久末さんは、同社の函館支部Rootsで引き続き支援員として働いています。定期的なサービスを必要とする登録メンバーは、小学生から60代まで幅広く、相手の年齢に応じて丁寧な対応を心掛けているそうです。「体の機能と同様に個性も異なるため、個々に対応が必要です。例えば一緒に歩く時も、斜め後ろがいいのか、少し前を歩くのか。ささいなことかもしれませんが、利用者様本人に気持ち良く過ごしてもらうためには重要なポイントです」。

入社以来、利用者とかかわることで多くのことを学び、自らの性格にも変化が現れたという久末さん。「この仕事はその日の相手の調子に合わせて臨機応変に対応しなくてなりません。会話が苦手な方もいるので、気持ちを察する力が身に付きました。学生時代は気の短いタイプでしたが、気も長くなりましたね」。

自分自身の変化を感じつつ、これからも向上心を持ち続けたいと抱負を語る彼の仕事に対するモチベーションは、利用者に楽しいと思ってもらうこと。「そこが支援員としてのやりがいですね」と、笑顔で語ってくれました。

  • コミュニケーションが苦手な方とのツールとして絵カードを用意

  • それぞれが担当した利用者の状態を報告し合う

  • 利用者を支える場面を想定してトレーニング

スタッフ間で話し合い、利用者の不得意なことをサポートする

支部長/佐藤忠道さん

久末さんは利用者様から高い評価をいただくことの多いスタッフですね。私たちが気付かない点を察知して行動に移してくれるので助かっています。外出支援を必要とする方の特性は一人ひとり異なります。ここは得意だけどここが苦手、という方が多いので、不得意な部分をカバーできるようにスタッフ同士で常に話し合いながら対応するのが当事業所の特徴ですね。

有限会社Colors
居宅介護事業所 Roots

訪問介護や外出支援サービスを提供するColorsの函館支部として2011年にオープン。「『今までより楽しい』を手に入れるためのお手伝い」を合言葉に、自由に外出するための支援や、家の中での困りごとをサポート。障がいを持つ方の自立の促進をスタッフ全員で支える。

北海道函館市桔梗町59-138
TEL.0138-49-5100
http://www.colors-limited.com/