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お客様との会話をヒントに楽しいグッズ空間を提供する【ワンダフルワールド】

2024年2月19日公開

私が選んだ職場

独立して自分の店を持ちたいという思いを実行に移した上村さん。現実の厳しさを味わいながらも前職で培った経験を駆使して想定外の事態を打破。お客様の声に耳を傾けながら理想の店づくりに突き進んでいきます。

代表/上村佳樹さん(51歳)
大阪府出身。休日はお客様から譲り受けたオートバイFTR223に乗ってソロキャンプに出掛けるアクティブ派。週に一度はサ活(サウナ活動)を行う「サウナー」でもある。

シミュレーションを重ね独立の不安を解消する

今から12年前、全国に300店舗展開する総合書店の店長として働いていた上村さんは、独立して同じスタイルの総合書店を始めることにしました。「10年間勤めた前職は、それまで転職を重ねていた私が初めてやりがいを感じた会社でした。経営方針の転換期で商品構成などが年々変化していく中、もっと存分に自分の手腕を振るってみたいと思い独立を決心しました」。

一人でやっていくことへの不安を感じていた上村さんは、独立を考え始めた1年ほど前から準備を進めることで、無用な不安を解消したと言います。「店で使う備品を一つひとつ書き出し、どのような商品を仕入れ、売り上げがどのくらいになるか試算を重ねました。必要な店の広さ、経営を続けていける家賃の設定など、何度もシミュレーションしましたね」。

こうして2011年、書籍だけでなく雑貨やアパレルなどを販売する店「ワンダフルワールド」がオープンしました。

商品構成を再考して独自の路線で仕入れる

事前準備のかいもあり、商品の仕入れについてはほぼイメージ通りに用意できましたが、仕入れ業者から予想外の対応を受けることもあったそうです。「全国展開する大手という後ろ盾が消え、個人店になった途端に対応が雑になる業者がありました。商品の情報も提供されなくなり、売れ筋の商品は大手に優先され、なかなかこちらに回ってこなくなりましたね」。

個人経営の厳しさを感じながらもそれに落ち込んでいる暇もなく、上村さんは発注する商品を見直しました。「大手ではなかなか取り扱わないデザインや、マニア向けグッズに商品構成を変え、商品の魅力や特徴が一目で分かるポップを充実させることにしました」。

独立するまでは、アルバイト時代を含め約10年間ポップ制作にかかわっていた上村さんにとって、この種の作業はお手のもの。商品を手に取りたくなる言葉を選び、簡潔に仕上げる一方、奇をてらい過ぎないように注意することがポイント。自分とお客様の感覚が大きくずれてしまうと訳の分からない店になってしまうので、極度にマニアックな内容になるのを避けているそうです。

商品構成が変わるお客様との会話を重視

もちろん、どれだけ購買意欲をそそる言葉を並べても、商品そのものに魅力がなければ販売には至りません。どんなアイテムを仕入れるべきか、店長として常にアンテナを立てて情報を集めているそうです。「情報源はテレビやインターネットはもちろん、町で見掛けた人や、来店するお客様の持ち物から情報を得ることも多いですね。お得意様から『こんなものを入荷しては?』と教えてもらうこともあります」。

店内の商品構成はオープン当初から大きく変わったそうですが、お客様の反応を受けて「こんな商品もありますよ」と返す掛け合いは、刺激的で楽しいとのこと。「今後もこうした関係を続けていきたいですね。そうすることで、結果的にお店が続くことになると思うんです」。

自分でも予想していなかったスタイルの店になったことを面白いと感じ、この店が変化することを誰よりも喜んでいる様子の上村さんでした。

  • ポップの文言は手に取ってもらうことを意識する

  • 顔なじみのお客様と情報を交換

  • 選びやすさを意識して商品を並べる

お客様の好みを読み取って商品をご案内

プレゼントを買いに来たお客様に「何が人気あるの」と聞かれますが、個人の好みが多様化した今の時代、贈る相手の情報はなるべく多いほうが答えやすいですね。ただ、あれこれ聞くのも失礼なので、多くの人に受けの良い商品をご案内しつつ、会話の中の言葉や表情を参考にして絞り込んでいきます。考え抜いたポップが決め手となって購入に至った時はうれしいですね。

ワンダフルワールド

「本を読まない人のための本屋」のコンセプトどおり、店内には書籍の他、雑貨やスナック菓子、アパレル用品などが所狭しと並ぶ。ポップに書かれた独特の世界観にハマるファンも多い。2011年オープン。

北海道北斗市七重浜4丁目39-1
TEL.0138-48-5201
Instagram:@wonderfulworld.yomahon