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ストーブを設置する度に人とのつながりが増えていく【有限会社煙筒の横山】

2022年10月3日公開

私が選んだ職場

高校卒業後、情報通信インフラを整備する会社へ就職した設楽さんでしたが、煙突掃除とペレットストーブに興味を持ち、自身の父親も働く有限会社 煙筒の横山に転職を果たします。以来、煙突職人として誇りを持ち、日々仕事に励んでいます。

工事部主任 筒師/設楽照久さん(34歳)
旭川市出身。2014年入社。フットサル、サウナなど多彩な趣味を持っているが、家のストーブに使用するための薪割りもその一つ。

日々の業務を通じて忍耐力を身に付ける

工業高校では電気科だったという設楽さん。しかし、実習を受けるうちに別のスキルを生かした仕事がしたいと思うようになり、卒業後は情報通信ネットワークのインフラ整備を行う会社へ就職します。「電話線などのケーブルを電柱から室内へ引き込み、インターネットや電話の設定を行うのが主な業務でした。1件につき早くても1時間はかかり、時には日に8件以上工事することもありました」。インターネット利用に欠かせない光ファイバーは1本が髪の毛ほどの細さで精密な作業を要するため、冬場は手袋が使えず大変だったと言います。「でも、だからこそ日々の業務を達成することにやりがいを感じていました。この苦労を共有できる仲間がいたから続けられたのだと思います」。悪天候でも諦めず、多少のことではへこたれない忍耐力が身に付いたと笑います。

8年程経ったころ、薪ストーブが昔から好きな設楽さんにとってペレットストーブの存在を知ったことが大きな転機となりました。更に父親がペレットストーブを扱う有限会社 煙筒の横山に勤めていたため、興味は否が応にも増すばかり。社長の煙突職人としての仕事ぶりや大まかな仕事内容について聞いていたこともあり、設楽さんはついに同社への転職を決めました。

チームワークを大切に煙突内を清掃

同社での業務は大きく分けて煙突施工、ストーブ設置、煙突内のすす掃除をはじめとするメンテナンス、木質燃料配達の4つです。メンテナンスでは事前に下見をすることはないため、現場に着いて建物や煙突の状態を見て手順を判断。状況に応じて道具を使い分けていきます。心掛けているのは、安全に作業することとお客様の家の中を汚さないことです。「例えば雨の日は滑りやすいので、はしごを掛ける位置を慎重に確認してロープで固定したり、場合によっては屋根に登らず灰の取り出し口から掃除することもあります。現場の状況や天候次第で作業手順は千差万別ですね」。2人1組で作業するため相方とのコミュニケーションは欠かせないと言い、壁や床を傷付けないようお互い声を掛け合うなどチームワークを大切にしています。

メンテナンスで現場に赴く一方で、設計支援ツールのCADを使って煙突の図面を作ることもあるという設楽さん。ストーブを新設する際に「ここに置きたい」というお客様の意向をくみながら設計していきます。「プロとしての力量が試されるのが煙突の施工です。できる限り曲げの少ない構造でスムーズに排煙ができるよう、部材を自作することもあります」。お客様の意向を第一にした煙突作りが設楽さんのこだわりです。

イタリアの展示会でペレットの魅力を再発見する

設楽さんの中で次の転機になったのが3年前。ペレットストーブの展示会を視察しにイタリアへ渡った時のことでした。300近いメーカーがあり、1社で60台近くを展示。更にはペレットの自動販売機やタンクローリー車での配達など、エネルギー資源に対する日本との温度差を実感したそう。燃料を他国に頼らず地産地消できるペレットは環境面でも優れていると知り、ぜひ北海道でも広めたいという意欲がわきました。また、無電源のペレットストーブを知ったのもこの時。「地震でブラックアウトを経験した道民に、電気を使わないタイプのペレットストーブは普及するだろうと、帰国後社長に提案して当社で扱うことになりました。この視察を通して、定年まで勤めたいと思える仕事に巡り合えたと思いました」。ペレットの良さを広めて、旭川市内に工場を作りたいというのが将来的な目標です。

この仕事の魅力は「人との出会いとつながり」だと断言する設楽さん。設置をするごとにメンテナンスの件数が増えて自身の成長になるだけでなく、休日に交流を持つなど交友関係も広がったと言います。自分で薪割りをするようになったのも、仕事での出会いがきっかけなのだとか。煙突やストーブに関わる日々の作業が、お客様と自身の未来につながっていきます。

  • 清掃前には必ず養生を行い、周囲を汚さないようにする。

  • 安定する場所を探してはしごを設置。注意を払いながら登っていく。

  • 屋根に登り、たまったすすを落としていく。

「仕事が楽しい」と思えることが大事。

当社では私が5年後、10年後を見据えて会社の方向性を決めていますが、主役は若いスタッフ達です。彼らの意見や自主性を尊重していますし、何より「仕事が楽しい」と思える職場環境を大事にしています。昨年末には煙突職人として誇りを持つ意味で「筒師」という言葉を商標登録しました。作業着の背中や社用車にもしるし、会社を、筒師を背負って日々作業しています。

有限会社煙筒の横山

煙突掃除の他、煙突施工、ストーブ設置・販売、各種メンテナンス、木質燃料販売を行う。薪ストーブに関連したアクセサリグッズやピザ窯、近年ではバレルサウナも取り扱っている。

北海道旭川市忠和5条5丁目7-27
TEL.0166‐61‐1670
https://entotuya.com/

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