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スキルアップを重ね、さまざまな刃物の研磨に挑戦したい【株式会社アサヒ 旭川営業所】

2022年8月29日公開

私が選んだ職場

幼少期からの車好きが高じて、整備士になった茂田さん。しかし、頑張り過ぎたことで体調を崩し、僅か半年で職場を退職することに。自身の仕事観を見つめ直し、技術を極める「職人」への憧れに気付いた茂田さんは、精密で繊細な研磨の世界へ足を踏み入れます。

研磨部/茂田涼佑さん(19歳)
2022年1月入社。子どものころから車が好きで、ドライブに出掛けることがリフレッシュに。日産「180SX」が愛車。

レベルアップがやりがい。自動車の整備士として従事。

小さいころに買ってもらった自動車の本がきっかけで、車が好きになった茂田さん。整備士を目指して自動車科のある高校に進学し、基礎知識はもちろん、整備技術など車に関するさまざまなことを学びます。卒業後は、トラックをメインに車両・部品・用品販売、整備を行う企業に就職。かつて同社で働いていた伯父から聞いた印象や職場見学での雰囲気が決め手になりました。

念願の整備士となった茂田さんが任されたのは、タイヤ交換やブレーキ周りなどの比較的簡単な作業からでした。とはいえ、学校で習ってきたのは普通自動車の整備。基本は同じでも、ところどころ勝手の違う部分があったと言います。「トラックでは車検時、車体にホイールを装着するハブベアリングと呼ばれる部品を外して清掃を行い、潤滑剤であるグリスを交換するんです。しかしなかなかうまくいかず、初めのころは半日かかってしまいました」。経験を積んでコツをつかむとみるみる上達。気が付けば1時間程でできるようになり「先輩から『早くなったね』と褒められた時はうれしかったですね。レベルアップや頑張りを評価されることが、やりがいにつながっていました」。しかし頑張り過ぎたことが響き、心身に不調をきたしてしまった茂田さん。働き始めて半年経ったころ、整備士の仕事を終える決断をします。それでも心に残っていたのは、技術を極める職人への興味と憧れ。その後シゴトガイドで見つけたのが現在の職場、株式会社アサヒでした。

刃の高さや角度を合わせ、丁寧に作業する。

同社は木工機械・刃物・消耗品の販売や機械刃物の研磨を行う会社で、研磨部に所属した茂田さんの業務は、木工機械などに使われる刃物を新品同様の切れ味になるまで研いでいくことです。初めに刃物の種類と用途の知識を教わり、その後研磨の練習。自動研磨機の操作や微調整に慣れてからお客様から預かった刃物を研いでいきます。「まずは先輩の操作を見てから、次に同じようにやってみました。先輩が横に付いてアドバイスをくれたり、質問もしやすかったので安心して覚えることができました」。

最初に任されたのは、木材の表面を加工するために使う「ジョインター」という刃の研磨でした。「0.2〜3ミリの精度が求められ、3枚組の刃の場合はすべて高さと角度を合わせる必要があります。例えば1枚でも刃が欠けていれば、他の2枚もその高さに合わせて調整する必要があるので一苦労なんです」と茂田さん。刃の高さが合わないままお返ししてしまうと、お客様が業務で使用する際にバランスが崩れて振動が起き、使い物にならないと言います。そのため、先輩への確認や丁寧な作業が欠かせません。お客様の大切な道具を預かっているという意識を常に持ち、丁寧に扱うことを心掛けているそうです。「ちょっとぶつけてしまうだけでも簡単に刃が欠けてしまうので、運んだり置いたりする時も慎重になります」。機械周りの整理整頓も、刃の品質を保つ大切な作業の一つになっています。

先輩を目標に経験を積み重ねる。

3人体制で作業する研磨部で、茂田さんは丁寧かつ仕事の早い2人の先輩をお手本に日々勉強しています。手際の良さを見て感じるのは、圧倒的な経験の差だそう。「僕が1時間かかるところを2人なら5〜10分で終わらせてしまうんです。先輩方は刃と砥石の当たる角度を、水しぶきの飛び方でも判断していて、そういう部分も見習おうと必死ですね。なかなかうまくいかないですけど」。茂田さんにとって2人とも憧れの対象となっていました。

現在は、木材を切削する「エンシンブロック」の替え刃の研磨を任されているそうですが、少しずつステップアップしている中で今後の目標を伺いました。「まずはジョインターの研磨を完璧にこなせるようになりたいですね。回数をこなしながらセットの仕方や角度など覚えていきたいです」。続けて「その後は、一日でも早くいろいろな種類の刃物の研磨に挑戦して、どの研磨品が来ても自分が任されるように経験を積みたいと思います」。入社から約8カ月、先輩のような研磨職人を目指し、段階を踏んで丁寧にスキルを研ぎ澄ましている茂田さんです。

  • 位置や角度を調整し、慎重に研磨していく

  • エンシンブロックの替え刃を治具に取り付け、研磨の準備をする

  • 粗目や仕上げなど、状況に応じて砥石を交換

丁寧な指導と意欲的な姿勢で成長を。

常務取締役 所長/飯村徳章さん

当社では指導の際、作業の手順やコツを細かく分かりやすく説明するよう心掛けています。刃物の大きさや形は業種や機械によって千差万別ですから、それに適した研ぎ方は日々勉強です。成長するには常に意欲的な姿勢と使う人のことを考えて研ぐことが大切になります。お客様に喜ばれるためにはどうするべきか考えてスキルアップしてほしいですね。

株式会社アサヒ 旭川営業所

札幌市に本社を置き、旭川営業所は1971年開設。木工機械・刃物・消耗品の販売と機械刃物研磨を行う。旭川木工センターに加盟し、同営業所では家具メーカーとの関わりも深い。

北海道旭川市永山北4条6丁目3‐5
TEL.0166‐48‐2413
https://kk-asahi.net/