シゴトガイド
ホーム求人情報応募・面接のコツインタビュー・記事シゴト図鑑
  1. 旭川シゴトガイド
  2. インタビュー・記事
  3. 私が選んだ職場
  4. 人や動物との出会いが多い環境。長く勤めるほどやりがいが増えていく【レストラン 山恵】

人や動物との出会いが多い環境。長く勤めるほどやりがいが増えていく【レストラン 山恵】

2022年8月1日公開

私が選んだ職場

高校時代、飲食店でのアルバイトを通して接客の基礎を学んだ小栗さん。その後、衣料品店や葬儀場などでそのスキルを磨いていきます。現在はレストラン業務で能力を発揮する一方、ここでしかできない鹿肉の解体業務にも携わっています。

小栗あかねさん(40歳)
室蘭市出身。高校2年生と小学5年生の息子を持つ。エステに行って肌を奇麗にすることが最近のリフレッシュ方法。

さまざまな仕事を通して会得した接客スキル。

高校生のころ、携帯電話を買うためにファストフード店でアルバイトを始めた小栗さん。勤めていた3年間で多くのことを学びます。「言葉遣いや衛生管理に厳しいお店でした。当時はお金のために頑張っていましたが、お客様に対する話し方や立ち居振る舞いはとても勉強になりました」と振り返ります。

高校卒業後はカーディーラーの営業を経てアパレル店員として勤務。高校生の来店が多く、フレンドリーな接客で心をつかんでいきました。「何気ない会話もしましたし、コーディネートのアドバイスを求められることもありました。何より固定のお客様が付いたことがうれしかったですね」。小栗さんはその後もさまざまな仕事を経験します。斎場で葬儀全般に携わったり、エステ店でブレスレットの受注製作を行っていたことも。それぞれの業界やお客様に合わせた言葉遣い、接し方をアップデートし続けたところ、柔軟な対応ができるようになっていたと言います。

現在の職場であるレストラン山恵で働き始めたのは、約7年前のこと。いとこである店長の荒田恵里さんを頼ってのことでした。「鷹栖町に移り住みたいと思ったのですが、公営住宅入居の条件を満たすには町内で働く必要があったんです。祭りのイベントで何度かお店を手伝った時に楽しそうな印象があったのでお願いしてみたところ、承諾してくれました」。

初めての食肉処理。恐怖に打ち勝ち業務を覚える。

主にエゾシカの肉を使った料理を提供する同店では、ハンターが仕留めた鹿を隣接する食肉処理場でさばいています。禁猟時期の夏場には、猟期にストックしておいた肉を加工し、年中鹿肉を提供できるようにしています。小栗さんが働き始めたのは猟期だったことから、初めの3カ月程はほとんど処理場で作業していたそう。しかしある時、解体前の鹿と目が合ってしまって、しばらくの間は処理場に近づくことさえできなかったと言います。「それでも『店長が不在の時は私がやるしかない』という覚悟や経験、忙しさもあって恐怖を克服でき、いろいろなことを覚えられました」と小栗さん。筋膜や腱などを取り除くトリミング作業が一人でできるようになってからは楽しいと思えてきたと話します。

現在では食用、ペット用、廃棄など、解体した肉の状態から少しずつ処理方法を判断できるようになってきました。「良い状態と悪い状態がはっきり分かるような場合だけです。グレーゾーンの肉質だと本当に見極めが難しく、食用にできるのかどうか判断に迷うたびに店長に確認しています」。自分に判断力が身に付けば、店長が狩猟に出掛けても作業を止めずに済むと、見極めを今後の課題にしています。

名前を覚えてフレンドリーに接客。

処理場での作業の一方で携わるレストラン業務は、ホールでの接客はもちろん、厨房に入っての調理補助、レジ前にあるペットグッズの商品説明、併設するドッグランの受け付けなど多岐にわたります。これまでさまざまな店舗で接客をしてきた小栗さんですが、犬と接するのは初めて。飼育経験もないため犬種もよく分からず、いろいろな犬を見かけるたびに他のスタッフに聞いたりスマホで検索したりして知識を増やしたと言います。「大切なのはお客様のお名前はもちろんペットの名前も覚えることです。ペットの名前を呼んで触れ合うことで、お客様とも格段に距離が縮まります。会話も弾むし、喜んでもらえると次の来店にもつながります」。レストランではかしこまった言葉遣いで声掛けする一方で、ドッグカフェでは一転してフレンドリーに話し掛けるなど、臨機応変に使い分けているようです。

働き始めて7年、さまざまな業務に携わり仕事を覚えてきた小栗さん。これまでを振り返り、成長に必要なのは「必死になること」だったと即答します。「肉の解体もそうですし、ホール業務でもそうでした。ピンチな状況に追い込まれて必死になる、その危機感が自分を成長させるんだと思います」。その裏には店長による数多くの手助けがあったと言い、これまでお世話になってきた分、いろいろな面で店長をサポートしていきたいと決意を強める小栗さんです。

  • メニューを指し示しながら料理について説明する。

  • 禁猟時期の夏場には食肉処理場を加工場として使用。ペット用の干し肉を真空包装する。

  • お客様と雑談を交わす小栗さん。会話をしながらペットと戯れることも。

調和を大事にしています。

店長/荒田恵里さん

当店では、成長よりも「調和」をスタッフに求めています。やはり人間関係は大切ですし、協力し合うことで効率良く仕事を進められるからです。スタッフ同士の距離を縮めるために、親しみを込めて下の名前で呼び合うようにしたり、休憩は全員で一斉に取ることにしています。動物好きな方や食に興味のある方は、より楽しんで働ける職場ではないでしょうか。

レストラン 山恵

エゾシカ肉のジビエ料理が味わえるレストラン。ドッグカフェやドッグランも併設している。本社は、農業土木・林業に携わる北建建設有限会社。

北海道上川郡鷹栖町13線16
TEL.0166‐87‐4229
https://www.hokken-sankei.com/