仕事は生きる糧でもあり、自ら率先して楽しむもの【ゴ―テック株式会社】

高校生のころのアルバイトを含め、さまざまな職種を通して仕事のやりがいや向き合い方を学んできた山﨑さん。数多くの酒類を出荷する現在の業務にも生かされていました。

高校時代、大手量販店内の鮮魚店で2年間アルバイトをしていた山﨑さん。上司からの徹底した指導で、仕事のいろはが確実に身に付いたと言います。「高校生ながら対面式の売り場を任せられ、夏休みには市場での仕入れにも同行しました。上司と相談して、仕入れる魚や値段を決めていましたね」。

高校卒業後は空調の設備会社や精米加工・販売を行う米穀店の職場を経験。「精米ではいかにロスなく生産していくかが重要です。機械操作や作業も慎重に行っていました。改善意見が通って、自由に任せてもらえるので楽しく働きやすい環境でした」と当時を振り返ります。10年ほど勤める中でフォークリフトの資格を取得。更に係長に昇進し、工場全体を管理・指導する立場にもなるなど、順風満帆な日々を過ごしていた矢先、会社は同業他社へ吸収合併。今までとは全く違う環境になってしまうことから、青果物の加工・販売を行う会社へ転職します。フォークリフトの免許や前職での経験をフルに発揮し、生産量を1．5倍にまで上げるなど仕事にやりがいを感じていました。しかし、入社から7年後、またしても会社が吸収されることに。体制が大きく変わっていく会社を離れ、たどり着いたのがゴーテック株式会社でした。

同社はフォークリフトを使用したピッキング作業をメインに行っています。午前中は本社倉庫から届いた商品の保管や本州に向けての出荷、午後は道内各地の運送拠点に向けた商品をトラックに積み込み出荷します。倉庫作業中、まず何よりも気を付けるべきは事故を起こさないことだと山﨑さんは言います。実は過去に、走行中のリフトから商品を落とす事故を起こしてしまった経験があるそう。「本来は減速しなければいけないところでスピードを落とさずに曲がったんです。遠心力が働いて商品をパレットから落として駄目にしてしまいましたし、周りで働くスタッフにも危険が及びます」。焦りや慢心が原因だと気付き、失敗を糧に成長できた、と語る山﨑さん。外装箱に少し傷がついただけでもクレームにつながるため、商品同士を密着させ安定感を高めたうえで急発進・急ハンドル・急旋回をしないよう心掛けています。

安全走行に加えてもう一つ重要なのが、集荷票の通りにピックアップすることです。「例えば同じ焼酎でもアルコール度数が違ったり容量が違ったりと種類はさまざまです。そういった間違いのないように、的確かつスピーディーに行います」。パレットに載せる時には箱に印字された商品コードを必ず確認し、製造日の古いものから確実に出荷しているそうです。

迅速な作業にはてきぱきと動くことも大事ですが、効率を重視した保管場所を考えることも大切です。「どの棚に何の商品を置くかで作業効率が大きく変化するので、一筆書きで行ける回り方や出荷数量の多いものを搬出口に近い場所に置くなど、どうすれば楽に回収できるかを考えています」と山﨑さん。作業していてちょっとでもやりづらいと感じた作業はみんなで話し合って少しずつ改善していると言います。

出荷にはドライバーとのコミュニケーションも欠かせません。「無言で作業して商品を託すのではなく、『お願いします』とたった一言添えるだけでも関係性は変わると思っています。そういう会話の積み重ねで、例えば急な対応で積載する順番が変わっても、無理を聞いてくれたりするものです」。また、自身を成長させてくれるのもドライバーだと言います。「『商品の積み方が悪い』と怒られたことがありました。だんだん悔しさが込み上げてきて、次はうまく積んでやろうという原動力になったんです。次の機会に上手く積んで褒められた時はうれしかったですね」とやりがいにもつながりました。「お金をもらう以上、プロとして仕事を全うする」という意識で仕事と向き合う山﨑さん。早さと確実さを追求し、今日も仕事に臨みます。