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私が選んだ職場【株式会社旭川ビニール】

2021年10月4日公開

私が選んだ職場

学生時代に進路を変更した杉山さんは、クリーニング店、縫製工場と衣服に関わる業務を経験。妊娠・出産で職場を離れますが、働く意欲が強く、子育てと両立しながら働ける職場を近所に見つけます。

自分のルーツとも社会ともつながれる仕事。

農業資材部/杉山 彩さん(29歳)
初山別村出身。2019年11月入社。面接時に溶着機を見て「楽しそう」と話したのが採用の決め手。2児の母。

苦手を克服するため、人前に立つ仕事を経験。

高校卒業後、旭川で看護系の専門学校へ進学した杉山さんでしたが、精神的な面で体調を崩し休学を余儀なくされます。そこで将来について考え直した結果、看護の道を離れる決断をします。中退後は友人の母親からの紹介で、市内クリーニング店の受付として働き始めました。「不安や恐怖感から人前に出ることが苦手でした。その克服とメンタル面を鍛えるために、あえて人前に出る仕事を選びました」。お客様と打ち解け、親しみやすい印象を与えたいと、笑顔を絶やさずに接客。衣服の状態をよく観察して、染み抜きを勧めたり落ち切らない汚れがあることを説明しました。一方、常連の方にはその説明を省略するなど、人と衣服に合わせて臨機応変な対応を行いながら社会人として最初の一歩を踏み出しました。
やがて、こうした努力が実を結びます。杉山さんを指名したり何かと気に掛けてくれるファンができました。「苦手なことが少し克服できた気がしてうれしかったですね。それに、奇麗になった洋服を見てありがとうと言ってもらえるのもやりがいでした」。やがて結婚と妊娠・出産を経験し自身を取り巻く環境が変化した杉山さんは、縫製工場で働き始めます。物ができあがっていくさまが楽しかったと話しますが、翌年、第2子を妊娠。終始立ち仕事であることや、この先に迎える繁忙期を考えると、負担が大きいと判断し、退職を選択しました。

力と緻密さが必要なビニールづくり。

社会とのつながりを持ち続けたいという考えから第2子出産後も働く意欲を見せる杉山さん。ある日、近所の求人募集に目が留まったそうですが、その募集主こそが株式会社旭川ビニールでした。実家が農家だったことから小さな縁を感じた杉山さんは早速応募。晴れて採用となりました。
同社では冬が繁忙期。杉山さんが入社した11月は既に忙しい時期でした。農家がシーズンオフを迎えると、翌春に向けてハウス用ビニールの注文が殺到します。しかし、ハウスの幅や長さは農家によって違うため、サイズに合わせてビニール同士を溶着させる必要があります。受注したビニール製品を製作する過程で、何より大変なのが溶着機までのビニールロールの運搬。台車に乗せるまではクレーンで行い、機械にセットするまでは人力で行います。しかし、1ロールの重量はなんと500キログラム。台車を押すのもひと苦労です。セットする際の位置決めもまた大変な作業だと言います。「ビニール同士が重なる幅をきっちり合わせなければ次第にずれが大きくなり離れてしまいます。一度機械を動かすと調整はできないので、位置を決める時の1、2メートルが運命を分けるんです」。熱で溶着するため、気温が下がりすぎるとくっつける力が弱まってしまいます。それを防ごうと室温をいつも以上に上げるなど、機械の調子を見て常に「機嫌」を伺っていると、杉山さんは楽しそうに話します。

素早く正確に確認を重ねて、注文通りの製品へ。

農家が最盛期を迎える夏場は、農作物への直射日光を遮り、適切な光量へと調節する遮光ネットを製作するそうです。お客様の求める寸法に裁断し、ミシンで縫い合わせるなどして加工していきます。素材となるネットの規格が決まっているため、それを超える幅で注文が入った場合はミシンで縫合。お客様の要望によっては、ひもを通して固定するための穴を空ける作業も行います。穴の位置を一つ間違えるだけですべて作り直しになってしまうため、上司の西さんへの確認は欠かせないと言います。「作業する中で分からないことやちょっとでも迷うことがあれば、同じ内容でも必ず聞くようにしています。それまでの職場では先輩の忙しい様子から確認することを遠慮していましたが、かえって迷惑が掛かると気付きました」と、成長のために行動を変えた杉山さん。同時に、覚えるためには興味を持つことが大切だと言います。
そんな杉山さんに今後の目標を尋ねると「西さんのようになりたいです」と即答。指示は的確で、縫い物をはじめ物事をスピーディーに終わらせる「何でもできる人」だと言います。憧れと尊敬のまなざしで見ていた杉山さんは、今日も上司の背中を追いかけています。

  • ビニール同士がくっついているため、引っ張り出すのもなかなかの重労働。

  • たわみのないようセットし、重なり合うビニールの位置を調整する。

  • 遮光ネットの端をブルーシートで縫う作業。スピードと正確さを両立させている。

意外と力仕事なんです。

当社では、資材の販売以外にも遮光資材の修理なども請け負っているのが特徴です。しかし、メインの作業はハウス用ビニールの製作。使用するビニールはクレーンで台車に乗せた後溶着機の前まで運ぶのですが、1ロールが重いので体力や筋力が必要になります。また、溶着には、ビニール同士の細かな調整が必要ですので機械操作が得意な人もこの仕事に向いてると思いますね。
農業資材部 加工場長/西 清美さん

株式会社旭川ビニール 農業資材部

1957年創業。農業用資材の加工・販売を行う。配送センター兼加工工場の農業資材部では、農家からの受注で、オーダーメイドのハウス用ビニールの製作や遮光ネットの補修を請け負うことも多い。

北海道旭川市神楽岡13条6丁目14‐50
TEL.0166‐56‐5545
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