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私が選んだ職場【株式会社大雪木工】

2021年9月27日公開

私が選んだ職場

音威子府の高校に進学し、工芸を学んだ相内さん。高校3年生の時に木工の道へ進むことを決めました。1つのことに集中して行う作業が自身の性格に合っていると現在の職場を選択。加工の部署で経験を積み上げながら、家具づくりの一端を担う毎日を過ごしています。

家具を通して快適な暮らしを支えたい。

加工担当/相内秋里さん(19歳)
旭川市出身。映画鑑賞が趣味。休日は実家に戻って犬の散歩に行ったり、家事の手伝いをして過ごしている。

就職先を決める指針は、自分に向いている働き方。

ものづくりと絵を描くことが昔から好きだった相内さんは、どちらも学べる北海道おといねっぷ美術工芸高等学校へ進学。高校3年生になっても、札幌の専門学校へ進学して勉強を続けるか、就職して木工関係の仕事に就くか、なかなか進路を決められずにいました。将来について考え、自身と向き合う中で、「1つのことに集中して作業するほうが性に合っている」と結論を出し、木工の道を選択します。地元旭川市内の大手家具メーカーへの就職も考えていましたが、最終的に選んだのは旭川の隣町である東川町の株式会社大雪木工でした。理由を尋ねると、「製作方法が部署ごとに分かれていて、その中で担当する工程に専念するスタイルだったので、自分に合っていると思ったんです」との答え。他では扱わないハンノキや道産の木材をメインに使用し、北海道を大切にしていると感じたことも決め手の一つでした。
昨年4月に入社し、初めのひと月は研修でいろいろな部署を回りました。一週間ごとに各工程を体験。どのような作業があり、どういった流れで家具が作られるのかを学びます。初めての経験に苦戦した相内さんですが、先輩たちの仕事ぶりや話を聞いて、知識の深さと経験の豊富さに刺激を受けました。

早さよりまずは正確さ、慎重な作業で技術を習得。

最初に配属されたのは、組み立ての部署でした。家具全体を組み立てるものもあれば、パーツにちょうつがいを取り付けたりねじを打ち込んだりと、作業は多岐にわたります。決して難しい作業ではありませんが、ここで傷を付けたり汚したりしてしまうと、それまでの作業が無駄になるというプレッシャーから、なかなか手が動かなかったと言います。それでも部品を取り付ける際には位置確認を徹底し、家具やパーツを落とさない運び方を習うなど、慎重な作業を重ねていきました。
組み上げたパーツを圧着させるために、プレス機を使うこともあり、ここで気を付けるべきは身の安全です。一歩間違えば大けがにつながるため、自分の手が巻き込まれない位置にあるかなど周りの状況も確認しながら、操作ミスの無いよう心掛けていました。「常に教わったことをメモし、確認作業を怠らないようにしながら技術を習得しましたね。慣れてくると油断が生まれるので、常に初心を忘れない心持ちでいました」。こうして、相内さんの最初の半年が過ぎました。

加工の経験を積み重ね、善しあしを見極める目と感覚を養う。

入社から半年が経過したころ、加工の部署へ異動になりました。ここでの相内さんの作業は、面貼りと面取りの2つに大きく分かれます。面貼りとは、板の側面に表面が薄い木でできている木口テープを貼っていく作業。主に機械で行うので、一見簡単なように思えますが、位置の調整やのりの付き方が悪いと貼り直しが必要になるため、ロスがないよう集中することが大切です。特に大変なのは、天板など大きなパーツが来た時。「1人では持てないので2人で息を合わせて機械にセットします。無事に貼れたとしても、運ぶ際にぶつけてしまうとこれまでの苦労が水の泡ですから最後まで気が抜けないんです」と相内さん。
もう一方の面取りは、パーツの角を丸く削ったり、面貼りで板の厚みからオーバーした木口テープを削る作業。このはみ出た部分を「ちり」と呼び、出すぎても削りすぎても良くないというシビアな作業です。指先で確認しながらちりを取るそうですが、ちょうど良い高さの感覚をつかむのが難しいのだそうです。板によってはねじれやゆがみがありムラができるため、平均を探ってその高さに合わせて削ると言います。「紙一重の微妙な差ではあるのですが、自分で判断がつかなくなった時は伊東工場長に確認してもらっています。この作業は次の工程の人から奇麗だったと褒められるとやりがいを感じるんです」と奥深さを語ります。
入社から約1年半が経ち「確認のし忘れからミスや見逃しが生まれるので、そういう失敗を限りなくゼロにしたいと思っています」と目標について話す相内さん。家具づくりと向き合う中で加工の善しあしを見る目や感覚を養いながら日々成長を続けています。

  • 面取りの作業。木口テープの厚みがある場合、トリマーを使って削っていく。

  • 面貼りの作業。板の厚さを測り、同じ幅の木口テープを用意して機械へセット。

  • 図面を見ながら今後の加工の仕方について打ち合わせる。

分担制で働きやすい職場です。

当社は家具メーカーとしては珍しく、材料の板を作る合板工場を併設しているのが強みで、表面に貼るベニヤなども自分たちで作ることができます。各部署で一つの作業を担当してもらうことで、しっかり技術を身に付けてほしいと思っています。そうして部署ごとに人材を育て、将来的には各部署から人を集めた特注の部門を作れたらと考えています。
工場長/伊東和宏さん

株式会社大雪木工

1983年創業。「安全、安心、環境」という点に配慮した国産家具を生産する。機械による生産力と、人でしか創れない精巧さの両方の良さをバランスよく取り入れ、さまざまな製品を手掛けている。

北海道上川郡東川町北町4丁目13‐2
TEL.0166‐82‐2900
http://www.taisetsu-mokko.co.jp/