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私が選んだ職場【株式会社ウッドワーク】

2021年8月23日公開

私が選んだ職場

子どものころから本が好きで、本に携わりながら喜んでもらえる仕事がしたいと司書の資格を取り図書館で働いていた櫻田さん。ある時、美術館で見た椅子に
感銘を受け人生が一変します。家具職人としての道を歩き始めた櫻田さんですが、今年からは家具の製作と並行してショップでの販売業務にも挑戦することになりました。

部屋の雰囲気を変え、木のぬくもりを届ける仕事。

櫻田理愛さん(35歳)
札幌市出身。手芸などのものづくりや読書が趣味。森林ボランティアの活動を行っていて、現在は森に関する本に興味を持っている。

憧れた本に囲まれる仕事からの転身。

子どものころから本が好きで読書家だったという櫻田さんは大学進学後、司書の資格を取得。本に携わりつつ喜んでもらえる場所で働きたいと、卒業後は道立や市立、大学の図書館に勤めました。主な業務は、蔵書の貸し出しや返却に関するもので「カウンターでは、利用される方がどのような本を求めているのか会話から引き出して、希望がかなうように対応することを心掛けていました」。他にも入荷した本の情報をリスト化するなど、憧れだった本に囲まれる日々を過ごしていました。
ある時、東川町で生まれた赤ちゃんに子ども用の手作り椅子が進呈される「君の椅子」というプロジェクトの展示を美術館へ見に行った櫻田さん。そこで目にした製作者のプロフィールから、木工の勉強ができる学校の存在を知ります。「元々、木工製品や物を手作りするのが好きだったんです。軽い気持ちで展示を見に行ったのですが、そこからどんどん興味が湧いてきて。ここに入れば木工の仕事につながるんだと思いました」。こうして櫻田さんは旭川高等技術専門学院へ入学することを決断します。

職人としてのやりがいを感じながら、着実に成長を重ねる。

2年間、木工に関する知識と技術を基礎から学んだ櫻田さんは、特注家具をメインに製作する株式会社ウッドワークに入社しました。仕入れた板材を既定のサイズにカットする「木取り」から始まり、「加工」「研磨」「仕上げ」の各部門を研修として3カ月ずつ体験。製品完成までの作業と流れを覚える中で感じたのは、授業と現場の違いでした。「学生のころは学ぶために作業時間を費やしましたが、仕事となると品質を保ちつつ効率よく製作する必要があります。経験を重ねながら精度と作業時間の感覚を身に付けていきました」。その後配属された加工場では、同僚と共に既製の部品作りを担当。入社2年目の半ばには前任者から引き出しの製作業務を引き継ぐなど少しずつ任されることも増え、家具職人として着実にステップアップしていきました。
一方で、アクセサリーや小物などのクラフトも手掛ける同社。3年前、旭川家具の見本市を兼ねたイベント「旭川デザインウィーク(ADW)」の開催に合わせ、多くのクラフトが誕生しました。その中で櫻田さんは木製ピアスを発案し、数パターンのデザインから製品化までを、自身でやり遂げました。「以前自分の作ったピアスを付けた方を東川町内で見かけたことがあったんです。同じ町の中で購入者に出会えた驚きと同時に、うれしさがこみ上げてきました」と、職人としてやりがいを感じた瞬間を、感慨深く話してくれました。

新たな業務に挑戦し、多くの視点を持つ職人へ。

家具やクラフトを展示・販売するショップで、5月から販売促進の業務も兼任することになった櫻田さん。これまで通り家具の製造業務を進める傍ら、接客や販売、在庫管理を行っています。店内のレイアウトも、社長やパートスタッフと共に意見を出し合いながら少しずつ変更を加えていました。「生活シーンに合ったアイテムや飾りでまとめるなど見せ方を工夫するだけで、同じ空間なのに雰囲気が変わるのが面白いんです」と、より魅力的な展示に意欲を見せます。他にも看板やショップカードのデザインを任されたり、9月に開催予定のADWに向けピアスの新作を手掛けたりと、幅広い活躍を見せています。
ショップをうまく運営し、将来的には人が集まってにぎわう場になればいいと理想を語る櫻田さんですが、一番の目標は、家具作りの技術を向上させることだと言います。「入社から3年あまり。名刺には家具職人と入っていますが、まだまだ胸を張って言えるレベルではないと思っています。今はさまざまなことに挑戦する中で、肩書きに恥じないように成長していきたいですね」。多角的な視点からものづくりの面白さ、奥深さを知った櫻田さんは、知識を積み上げながら職人としての自分に磨きをかけていました。

  • 上司の野坂さんと今後の加工について相談をする

  • 櫻田さんが手掛けるピアスは一つひとつ手作業で仕上げを行う

  • 看板デザインの修正や色校正などを行う

木材が製品になるまでの流れを丁寧に指導します。

家具作りというと職場は男性ばかりだと思われがちですが、女性も多いんですよ。また、未経験ながら興味を持って転職される方も半数を占めるほどです。当社では製造から出荷までの4つの工程を、研修として1年ほど時間をかけて指導していきます。自分の仕事を形に残すことが好きな人はこの仕事に向いていると思いますね。
工場長代理/野坂季生さん

株式会社ウッドワーク

特注家具をメインに製作を手掛ける。ショップでは家具、クラフトの展示・販売を行っている。また、オリジナルの箸を作るワークショップが好評。

北海道上川郡東川町北町7丁目11‐16
TEL.0166‐82‐3920
http://www.woodwork-h.jp