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私が選んだ職場【清香園 山田植木株式会社】

2021年7月19日公開

私が選んだ職場

高校時代、父親に言われた「手に職をつけろ」の一言。この言葉がきっかけとなり、造園業の世界へ足を踏み入れた種谷さん。植木職人となり、二十数年が経過しました。植物、人、そして自分自身と向き合う中で、人生における仕事の位置づけが次第に大きくなっていきました。

築き上げてきたものを大切に、生涯続けていきたい仕事。

工事部 課長/種谷雄一さん(43歳)
函館市出身。キーボードのブラインドタッチに憧れている。休日はスポーツジムで汗を流す。

父親の一言をきっかけに造園業の世界へ。

高校生当時は、特にやりたいことがなかったという種谷さん。就職について父親に相談したところ、返ってきた言葉は「手に職をつけろ」というものでした。「『知人の植木職人は定年退職がないから、働ける限り飯には困らないぞ』と言われて、じゃあ、そうしようというのがきっかけでした」。その後、美唄市にあった短期大学の造園林学科で土木や測量、造園に園芸と、幅広く造園業のいろはを学びました。その知識を生かそうと就職したのは、旭川市内にある石材を扱う会社でした。歩道に石畳を設置したり、個人宅の庭に石を敷いたりというのが主な業務。早く仕事を覚えたかった種谷さんは、とにかく観察を重ねたと言います。「仕事の流れや先輩の作業をよく見ながら何を求めているのかを察知して、設置する石や接着に用いるモルタルなど必要なものをすぐ渡していました」。その結果、先輩の作業に余裕が生まれ、徐々に施工まで任せてもらえるようになりました。しかし、入社から2年が経ったころ、造園業の中でも植木に強みを持った会社で働きたいという思いが芽生え退職を決意。その時「うちの会社で働かないか」と声を掛けてくれたのが、現在の職場である清香園 山田植木株式会社で働く職人たちでした。

観察が成長の鍵。先輩の動きをヒントにする。

創業が大正時代と歴史が長く、旭川でもトップクラスの従業員数を誇る同社。転職当初の印象を種谷さんはこう話します。「先輩職人たちのオーラが違いましたね。なかなか近寄れなかったのを覚えています」。そんな中、当時専務だった内田前会長に付いて仕事を教わることになった種谷さん。最初に出された指示はスコップで木を掘り出す作業でしたが、指定された時間までに終わらせることができず、悔しい思いをしたそう。何か良い方法はないかと日々観察をしていると、作業の前日に専務がスコップの先端を研いでいることに気が付きました。「刃物のように切れ味を上げることで、道具を持ち変えずに根を切る工程ができると分かったんです。お陰で作業効率が上がって時間より早く終わらせられるようになりました」。前職で培った観察力が、ここでも生かせると実感した瞬間でした。「経験ももちろんですが、上達のこつは上手な人のそばで見ることです。自分との違いはどこなのかと、あまりに見過ぎて『手を動かせ』と怒られましたよ」と種谷さん。見て、考えて、実際にやってみることで、大事な枝切りについても成長を重ねていきました。

相手の求めや立場を考え、喜ばれる行動を心掛ける。

観察で磨いた技術で枝切り作業の経験を積む中、今度は技術以外の必要不可欠な要素に気が付きます。それは、お客様の求めていることを引き出すコミュニケーションでした。過去にはお客様から「任せる」と言われ、自分の判断で枝を切ったところ、先方が求めていたものと違うという理由でお叱りを受けたことがあったと言います。「その時の経験から、任せると言われても、もう一歩踏み込んで聞くようにしています。たわいもない会話を交えて相手を和ませることで、何をどのように切ればよいか核心部分を探るのです」。技術と会話で仕上げた植木が、「やっぱり山田植木さんだね。他とは違うね」とお客様に喜ばれることが、仕事を続けていく励みになりました。
ところで、植木職人の仕事は屋外作業だけにとどまりません。会社に戻れば見積もりや提出書類を作成するデスクワークを行います。事務作業は苦手だと話す種谷さんですが、事務担当者からは、書類がいつも分かりやすくまとめられていると高評価を受けていました。「誰が読んでも理解できるように、やさしい言葉で書くことを心掛けています。そのためか、内容に関しての確認や質問をされることは少ないですね」。
最後に種谷さんにとって造園の仕事とは何か尋ねてみると「生涯続けていきたいライフワーク」と返って来ました。その仕事に対する向き合い方は、まさに「職人」。お世話になった内田前会長と同じ生き様に、受け継がれる職人道の一本道が見えた気がしました。

  • 全体のシルエットを考えながら、細かい部分を調整する。

  • 請求書や報告書などデスクワークも業務の一つ。

  • 高所作業車を操作し、枝切りを行っていく。

時間をかけて大事に育てます。

当社では「融和」を社訓に掲げ、個々の特性を最大限に生かしながら一つの現場をみんなで作り上げています。人の役に立つことが幸せなんだという考えが根本にある方は長く続けられると思いますし、それが仕事だと思っています。新人の方は一人前になるまで3年から5年をかけてじっくりと、手取り足取り育てていきます。まずは木の登り方からですね。
代表取締役社長/内田則彦さん

清香園 山田植木株式会社

大将14年創業。90年以上旭川の造園業を支える。造園・土木工事、設計、施工管理、植木、盆栽・観葉植物のリース・販売を行う。

北海道旭川市3条通13丁目左5
TEL.0166‐23‐6432