私が選んだ職場【Pet Super J&J（ペットスーパー ジェイ＆ジェイ）永山店】

元々は服飾関係の仕事に就いていた戸田さんですが、生き生きと働くにはやりがいが大切だと気付きます。結婚後も家事の中にやりがいを見つけ趣味にまで昇華した戸田さんが、現在ペットショップで見つけたものとは。

青森県の農業高校で服飾や料理について学んでいた戸田さん。動物について学ぶ授業もありましたが、当時は仕事にするほどの興味を持てなかったといいます。「もともと動物は好きだったんですけど、手先が器用でものづくりに興味があったので、将来に役立つ服飾の道を選んだんです」。卒業後の進路は縫製工場でした。自分に向いていると選んだものの、流れ作業で朝から晩まで同じ箇所を縫っては次へ渡しの繰り返し。「手先を使うのは好きでしたが、誰とも話すことなく1日が過ぎていくのはどうしても耐えられませんでした」。精神的な限界を感じた戸田さんは、半年で工場勤務に見切りをつけます。
それまでの反動か、人との触れ合いを求めるように選んだ次の職場は居酒屋でした。「何気ないやりとりの中で見せる、お客様へのちょっとした気遣いで感謝されるのがやりがいでしたね」。前職に比べ生き生きと働くことができ、充実した2年間を過ごした戸田さんはその後、当時お付き合いしていた旦那さんと共に北海道に移り住み、結婚。専業主婦として3人の子どもを産み育てます。家庭に専念している間、実はあることが趣味になったのだそう。「10年の専業主婦生活の中で掃除に目覚めたんです。褒められたい、ちゃんと家事をしてると証明したい思いがきっかけでしたね」と振り返りますが、それが次の仕事に生かされるとはこの時は知る由もありませんでした。

以前から働きたい意欲はあった戸田さんは、旦那さんとの相談の結果再び働くこととなり、今の職場と出合います。犬が好きだったこと、接客があるということの2点が決め手でした。しかし実際に働いてみると、イメージにはなかった業務が重要なウエートを占めていることに気付きます。それこそが専業主婦時代に目覚めた「掃除」でした。「店内の清掃はもちろん、動物たちがいるケージ、敷いているタオル類から動物の身だしなみまで含めると掃除がほぼメインみたいなものなんです。だからこそ、よりこの仕事が向いてるなと思いましたね」。
また、接客時には、言葉遣いや行動など不安な印象を与えないよう心掛けているという戸田さんですが、最初の接客は大失敗だったといいます。「ガチガチに緊張していましたね。お客様も、きっとこの子初めてなんだろうな、と感じていたと思います」。しかしそんな失態も最初だけ。先輩のフォローと慣れですぐに自然な接客になっていきました。心掛けていることはこれだけではありません。それは、「可愛さ」をいかに伝えるかということ。「お客様は毎日その子を見ているわけではないので、『いつもこんな体勢で寝てるんですよ』などと魅力を伝えています。他にも品種ごとの性格や掛かりやすい病気などお伝えすることがありますね」。そのため犬種や描種によって異なる性格や特徴、病気についての勉強が欠かせません。

一方で子犬や子猫のお世話も大切な業務、常に気を配る必要があります。「朝、最初にする仕事が、ご飯をあげることです。体調のチェックも兼ねていて、食欲が健康のバロメーターになっています」。しかし、時にはあまり食べていないこともあるといいます。「そういう場合は、スポイトで口の中に入れたりするんです。栄養を取らなければもっと弱ってしまうので、少しでも食べさせるようにしています」。その他にも目やにで風邪の兆候を確認したり、便の状態をみて薬をあげたり、時には病院に連れていくこともあるそう。「命あるものを扱っているわけですから、小さな違和感に気付いてあげることが大事ですね。だからこそ朝のご飯や掃除が重要なんです」。
お客さんのためにどんな質問にでも答えられるようになりたいと、現在は犬種にまつわる知識を高めています。「あやふやなまま答えるのは一番駄目なので、分かったふりはしません。先輩に聞きますし、記憶に定着させるためにインターネットで改めて調べて復習しています」。この仕事に就いて3カ月、アドバイザーとして今、すくすくと成長中の戸田さんです。