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私が選んだ職場【お持ち帰り専門店 とり丸亭】

2020年11月30日公開

私が選んだ職場

子どもの時から憧れていた保育の仕事、興味のあった介護職、ずっと好きだった調理。橋本さんは、自分の気持ちに正直に仕事を選び、必要な資格を取って働いてきました。現在は、飲食店の店長として、調理師として多くの人に喜ばれる味を提供しています。

保育から介護、飲食へ。知識と技術を身に付け、準備万端で臨んだ次の仕事。

店長/橋本真由美さん(49歳)
保育士、ヘルパー2級(現在の初任者研修)、調理師と3種類の資格を持っている。

念願の保育士になり、乳児保育園で活躍。

橋本さんは、自身が幼稚園児の時から保育士になることを夢見ていました。「自分より年下の子の世話をするのが好きだったんです。そのころからずっと保育士を目指していましたね」と橋本さん。旭川市内の高校を卒業後、福祉系の専門学校に進学し、実習では保育施設の他、高齢者施設等にも訪問しました。そこで初めて介護職への興味も湧きましたが、保育士資格を取得後は、初志貫徹して保育園で働くことを決めます。
「赤ちゃんが好きだから」と就職先に選んだのは、0〜2歳児対象の乳児保育園。「0歳児はよく泣きますし、1、2歳児は親から離れたくなくて泣きます。家に帰ってからも、泣き声が耳から離れませんでした」と新人時代を振り返ります。それでも、“かわいい”という思いが変わることはなく、先輩に教わりながら園児を見守り、世話に励みました。入社2年目からは担任として、0〜2歳まで持ち上がりを経験。「離乳食を食べる、歩き始める、トイレに行ける。成長の過程が見られるのが一番の喜びでした」。3年間“育てた”子どもたちは無事卒園。一方、橋本さんは思い入れが強かった分、抜け殻のようになり、他の子どもたちへ気持ちが向かなくなってしまいます。

予想外の展開を受け、調理や介護に従事。

そこへ助け船を出してくれたのが、園の主任でした。毎日、手作り弁当を持参していた橋本さんを見て、料理好きだと知っていたため、給食室の調理補助への異動を提案。ありがたく受け入れた橋本さんは、3年間、調理に従事し、調理師免許も取得しました。
その後、同園で保育現場に復帰。しかし、当時の政策が非正規雇用を拡大する方向に動いていた影響で正社員になれませんでした。「準社員から最後は短時間のパート勤務になりました。一人暮らしの生活を支えるため、ピザ宅配のアルバイトもしていましたが、仕事を続けるのは難しかったです」。
33歳で保育園を退職。今後を考える中で、橋本さんはかつて介護職に興味を持ったことを思い出し、ヘルパー2級の資格を取得します。グループホームに就職すると、乳児とは対極にある高齢者へのケアに取り組みました。「戸惑うこともありましたが、利用者さんやご家族に『ありがとう』と言っていただけると、頑張ろうという気持ちになりましたね」。介護職にやりがいも感じていましたが、膝を痛めてしまい、1年で退職へ。これからどうするか、後に夫となる現代表の欣人さんと話し合った結果、飲食店を開くことを決めました。「自分のやりたいことは一つずつ資格を取って実現してきたので、後はお店かなと思ったんです。調理師免許も持っていましたから」。

イベント出店で高評価。おいしいと評判の人気店に。

厳選した素材を使い、試行錯誤して味を作り上げ、2007年にザンギなどを提供する「とり丸亭」をオープン。持ち帰り専門としたのは、基本的に一人で店内業務を行う橋本さんが食器洗いなどに手間ひまを取られないようにするためです。オープン後、特に宣伝はしませんでしたが、翌年、食のイベントに出店し、来場者の人気投票で大賞を獲得したため、広く店名が知られることに。「イベントをきっかけにお客様が増えて忙しくなり、お待たせしてしまうことも多かったです。開店前や定休日にもご来店があり、困ってしまう程でした」。
一時期の混雑が収まった後も、味を知った人がリピーターになるなどして、同店は人気を確かなものにしていきました。「お客様が『人に食べさせたいから』と言って買われたり、常連さんが『いつものね』と言ってくださったりするのがうれしいですね」。今回の新型コロナウイルス拡大で多数の飲食店が打撃を受ける中、持ち帰り専門だったことが幸いし、利用客が増加。また、同時期、家庭で簡単に鶏五目ご飯が作れる商品を開発し、店内などで販売も始めました。オープンして13年。「もっともっと手際よく、効率よく仕事ができるようになりたいです。そうすれば、もっともっとたくさんのお客様に食べていただけますからね」。橋本さんの挑戦は続いていきます。

  • 独自配合の調味料に翌日使う鶏肉を漬け込んで一晩寝かせる

  • タイマーをかける他、油が跳ねる音の変化も揚げ上がりの目安に

  • メニューが多く、迷う方には人気商品を中心にお勧めする

フランチャイズ展開に向け、ノウハウを伝えていきたい。

当店では、店長のみが調理を担当しています。ザンギは、粉のまぶし方や揚げ方によって味が変わったり、見た目が小さくなってしまったりするので、なかなか任せられる方がいないのが現状です。将来、フランチャイズ展開を目指していますので、そのためにも、当店独自の調理方法を誰もが身に付けられるような仕組みをつくりたいと思っています。
代表/橋本欣人さん

お持ち帰り専門店 とり丸亭

2007年オープン。道産の鶏肉を使った塩・ガーリック・ピリ辛など多種類のザンギの他、串物や手作り弁当を提供。店内にイートインスペースがある。

旭川市永山4条10丁目1-17
TEL.0166-47-8869
営業時間/11:30〜14:00、17:00〜21:00(L.O.20:30)
※土・日曜、祝日は中休みなし
定休日/月曜日・イベント出店時
https://www.facebook.com/torimarutei/