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私が選んだ職場【多機能型事業所 リガール】

2020年11月23日公開

私が選んだ職場

心身に障がいがある人への就労支援等を行っている多機能型事業所 リガール。近い将来、独立を予定している坂田さんは、自身と似通った経歴の社長の下、やりがいを持って働きながら、経営者になるための知識を蓄えています。

就労支援の場を作りたい!志の実現に向け着実に前進し続ける日々。

作業療法士/坂田龍亮さん(37歳)
病院を退職後、2020年4月にパート職員として入社。3カ月後、正職員に。3児の父。

心と体をサポートする作業療法士の資格を取得。

坂田さんが医療の道を志したきっかけは、中学・高校時代に経験したボランティア活動でした。通っていた学校や、介護職に就いていた母親からの紹介で、障がい者や高齢者に関わる機会を得て、外出の手伝いなどを行いました。「自分の行動によって、人が喜んだり、感謝してくれたりするのがうれしかったです。お手伝いをさせていただくことに魅力を感じ、人の役に立つ仕事がしたいと思うようになりました」と坂田さんは話します。旭川市内の高校を卒業後、作業療法士を目指して札幌にある専門学校へ入学。作業療法士は、心身に障がいのある人などを対象に心のケアを行いながら、社会復帰や日常生活のための訓練を行うリハビリテーション職です。「学校では、人を捉えるには心理学的視点と解剖学的視点が必要であることなどを学びました。勉強はハードでしたが、興味を持って取り組めましたね」。
4年間の学生生活を終え、無事に国家試験をパス。旭川市内の精神科病院への就職を決めました。

病院勤務の中で芽生えた事業所設立への思い。

主な仕事は、入院患者の社会復帰に向けたサポート。本人の希望に合わせ、お金の使い方や身だしなみの整え方などを訓練します。病棟を増設したばかりだったため、坂田さんはいきなり患者60人の担当に。「困ったことがあれば、看護師や心理士など職種を問わず、聞いて頼りました。新人だからできたのかもしれないです」。一方で、“経験は浅いが知識はある”との自負から、患者へは硬い雰囲気を崩しませんでした。しかし、ふとこれではいけないと思うように。「患者さんの話を聞くことは大切ですが、自分自身も開示してプライベートな内容を伝えるなどしないと、本当の関係性づくりはできません。それに気づいてからは、一人の人間として関わり合え、信頼も得られたのではと思います」。
患者に掛けた一言が病状や、ひいては今後の人生を左右する可能性もあるため、坂田さんは常に相手の身になって考え、言葉を選んで話すことを心掛けました。また、クリスマス会など院内のイベントでは、みんなを楽しませようと盛り上げ役を買って出ることもしばしばでした。「患者さんから『リハビリの先生』ではなく、名前で呼んでもらえるようになると、対等な立場でお手伝いしたいという気持ちが伝わったと感じられましたね」。
その後、坂田さんは、系列の通所施設に勤務。そこで、働く意欲や能力を持ちながら発揮できずにいる多くの利用者を目の当たりにします。「訓練の仕方によっては、次のステップにいけるのではと思いました。ほとんどの作業療法士は病院勤務で、就労支援にはあまり携わりません。でも、作業療法士ならではの伝え方や関わり方を生かせば、これまでにない支援ができそうだと考えたんです」。坂田さんは、独立して就労支援の事業所を設立することを決意。2020年3月、15年勤務した病院を退職しました。

目指す業態の職場で働き、“経営者の先輩”に学ぶ。

しかし、設立準備を進める中、新型コロナウイルスが世界に流行。延期を余儀なくされた坂田さんが「とりあえず働こう」と考えていた時に、就労支援等を行う『多機能型事業所リガール』の求人チラシを見つけ、連絡したことが入社につながりました。「林社長は経営者であり、看護師。利用者さんを第一に考える、支援者の視点を持っている方なので学んでみたいと思ったんです。独立を目指していることを伝えた上で採用されました」。
現在、就労の前段階にある利用者の自立訓練を担当。仕事内容は前職と同様ですが、対象が入院患者から地域に住む利用者に変わったため、金銭の管理など訓練の成果をすぐ実生活で試せるようになりました。その都度、細かな見直しができるので、仕事のやりがいも大きくなったと言います。前職の働き方と異なる点はもう一つ。「経営者目線で、職員の動きを見たりしていますね。起業に備え、マネジメントの仕方について社長の考えを聞くこともあります」。坂田さんは来年、就労継続支援B型の事業所を設立することを目標にしています。

  • 子育てについてなど、利用者と共通の話題で和ませる

  • 自分のお金の収支をパソコンで管理する方法を教える

  • 訓練に使う歩行器の高さを利用者の身長などに合わせて調節

失敗談も含めて教え、独立を後押ししています。

坂田さんは経営者を目指しているだけあって、仕事のレベルが高く、他の職員へ良い影響を与えてくれています。独立までの期間限定の勤務ですが、会社にとってプラスになる存在です。私自身、精神科病院勤務の看護師から独立して5年。今後も坂田さんに限らず、事業所開設に必要な事柄や自分の経験など教えられることはすべて伝えたいと思っています。
代表取締役/林 昌樹さん

多機能型事業所 リガール

2016年4月開設。自立(生活)訓練や就労継続支援B型の福祉サービスを提供。同じ敷地内に「住宅型有料老人ホーム ナーシングナチュラル」を併設。

旭川市東鷹栖1条3丁目635-155
TEL.0166-73-6140
https://natural-co-ltd.jimdofree.com/