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私が選んだ職場【有限会社山田工作所】

2020年3月16日公開

私が選んだ職場

ブランド家具やデザイナーズ家具を製作している「有限会社山田工作所」。そこには、まったくの未経験で入社したにも関わらず、すぐ能力を引き出され、頭角を現した人がいます。仕事内容と職場環境、そして自身の性格。すべてマッチしたことが、その大きな理由です。

入社後、一から学んで全国レベルの家具職人に!
今、先輩からの恩を後輩へ。

有限会社山田工作所 課長/小林健二さん(43歳)
1995年に入社し、35歳で現職。現在は、若手職人の育成を担っている

興味だけで飛び込んだ家具職人の道

今から26年前、市内の高校を卒業した小林さんは、高校時代の延長でコンビニのアルバイトをしていました。「特に就きたい職業がなかったので、とりあえず慣れた仕事を続けていたんです。そんな中、当社に勤務していた友人に『人を募集しているから、来てみたら』と声を掛けられたことが入社のきっかけになりました。私の父親が大工で、物作りの道具が身近にあったためか、気付けば私も木工業に興味を持っていたので、やってみたいと思ったんです。旭川が家具の産地だという認識もない程、業界のことは何も知りませんでしたが、面接で仕事への興味を伝え、採用されました」と振り返ります。
工場内の仕事は、大きく「木取り」「加工」「塗装」「梱包」の4つの部署に分かれています。最初に配属されたのは、検品も含めた「梱包」でした。「業務上、すべての製品を見て触れるので、自社でどんなものを手掛けているのか、少しずつ覚えることができました。検品では家具が正確にできているか、図面と照らし合わせて確認します。当初は図面の見方も分からなかったのですが、先輩に教わりながら経験を積み、平面図を立体的に頭に描けるようになりました」。

先輩の応援と負けん気で技術力が向上

当時から職人の技術向上に力を入れていた同社。若手技能者が腕を競う「技能五輪全国大会」に挑む社員への応援も熱心でした。梱包を担当する一方、手が空くと「加工」の部署で、少しずつ技術を身に付けていた小林さんも挑戦を決意。20歳の時のことです。「大会では、制限時間内に課題のサイドボードを製作しなければならないため、約半年にわたり、終業後に先輩から指導を受けました。大変でしたが、技能五輪に向けての練習を通して、技術をしっかり習得したいと思っていたので頑張りましたね。それに、私はもともと負けず嫌いな性格。自分が一度始めたことは最後までやり通したかったです」。結果は、全国大会2位の好成績。以来、家具作りへの興味や自信が更に深まっていきました。「一から図面通りに家具を作り上げていくのが、この仕事の面白さです。デザイン重視の家具の場合は、強度を考えたり、手作業を駆使したりする場面も多く、工夫しながら仕上げることができた時、達成感があります」。
その後、加工の部署に配置換えとなった小林さん。ここでは、新しい才能を開花させました。「工場で使う機械が壊れた時、何か原因があるはずだと思って中を開けて探っているうちに、ある程度構造が分かるようになりました。今では、簡単な修理ならできます。家具作りにも通じるのですが、私は何かを追求するのが好きなんです。それは、働き始めてから分かったことで自分にとっても発見でした」。

若手を大切に育てる社風を受け継いで

現在は自身が先輩にしてもらったことを次世代に返そうと、若手職人の育成に尽力しています。「新入社員は、軽作業から始め、本人の適性に合わせて少しずつレベルアップしていきます。無理をさせると、けがにつながるので安全第一ですね。失敗をした場合は『その原因を自分で見つけて、次に生かすことが大切』だと伝えています」。
入社して25年。その間、一度も転職や退職を考えたことはないと言います。「どんな仕事にも大変さと楽しさがありますが、楽しさが上回っていれば続けられるのではないかなと思います。その点、私はこの仕事と職場が自分にぴったり合っていると実感しているので、離れたいと思ったことはありません。職場環境としては、飲み会や遊びの機会が多いところも気に入っていますね。社員同士が打ち解けてつながりが深まるので、普段の仕事もしやすくなります」。アットホームな雰囲気の工場内で、小林さんは今日も後輩たちの成長を後押ししています。

未経験者も無理なく仕事を身に付けることができます

未経験者は、木材を同じ寸法にカットすることなどから始めて技術を身に付けていきます。最終的にすべての作業を覚えてもらいたいですが、得意なものだけを行う道も用意しています。また、目標を持っている社員に対し、道しるべを作って応援していることも当社の特長です。大変さの先に楽しさがあると気付ける人であれば、長く続けられると思います。
工場長/井上勝人さん

  • 技術と共に、効率よく仕事を進める方法も伝えている小林さん

  • 優しさと厳しさを併せ持った指導スタイルで次世代の育成に励んでいる

  • 近年若い社員が増えている同社。今春は新卒の高校生3人が入社予定

有限会社山田工作所

1990年設立。一般住宅向けの家具の他、ホテル、デパート、結婚式場等で利用するカウンターやサイドテーブルなど幅広く製作。発注元は、すべて道外の企業。

旭川市東旭川町共栄96
TEL.0166-34-6452
http://yamadaworks.com/

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