試行錯誤が難しくも楽しい。その中で成長している実感があります。【Pet Super J&J 永山店】

小さいころからの動物好きが高じて、動物病院で動物看護師として働いていた小林さん。一度別の仕事に就きますが、昨年4月再び動物を相手にする世界にカムバック。現在は、子犬や子猫のお世話をしつつ、良い飼い主と巡り合えるよう生き生きと接客をしています。

幼いころに犬を飼っていたこともあり、動物に対する愛情が深かった小林さん。動物に携わる職に就くことを目指して札幌の専門学校に入学しました。トリマー専攻と動物看護専攻の選択肢から動物看護を選び、卒業後は動物看護師として働き始めます。尿・便の検査など獣医師の補助を担当しますが、「例えば採血の時には暴れたりかんだりするので、最初は体を押さえるのも大変でした」。先輩の動きをよく見て対処法を学び、一瞬動きが止まるタイミングを見極めて固定することが重要だと気付きました。

出産の場面に立ち合い、新しい命が生まれる瞬間は喜びとやりがいを感じる一方で、「病院で働いていると死に直面することも多く、次第に心が耐えられなくなりました。そこで、一度全く別の仕事をしてみたいと思ったんです」。こうして灯油を扱う会社で事務スタッフとして働きますが、3年ほどたったころ再び転機が訪れます。動物看護師が国家資格となったことを知った小林さんは、資格取得のために勉強を開始。もう一度動物にかかわる仕事がしたいと考えるようになり「今度は生まれたばかりの命に向き合いたいと選んだのがPet Super J&Jでした」。

同社は犬、猫の販売の他、猫のブリーダー事業も行っているペットショップです。入社して最初に教わったのは、掃除と消毒の重要性でした。犬や猫が病気にならないように、自身の手指を含めさまざまな場所を消毒。万が一、スタッフがウイルスを保菌していると感染が広まるリスクがあるため、この点を徹底しています。掃除は開店前に行い、犬や猫が入っているケージを重点的に奇麗にしていくのだそうです。

また、開店前に行う業務で特に大事なのが動物たちの体調チェックです。「出社後すぐにご飯の食べ具合や便の状態を確認しています。体調が悪いと下痢をしたり、食べた物を吐き戻したりすることがあるため、こうした症状がないか、毎朝の管理は欠かせません」。また、全くご飯を食べていない場合は、それが好き嫌いなのか、体調不良で食べられないのかを、違うご飯を与えてみて見極めます。健康状態は顔つきにも表れ、ささいな変化にも気を付けているそうです。「動物と信頼関係を築くには、優しく扱うことが大事です。抱き上げる時も、なでて安心させます。触れ合ううちに、おっとりした子や元気でよく動く子など、一匹一匹の性格が分かってきますよ」と小林さん。話すことができない子犬や子猫とは、こういったことでコミュニケーションを取っています。

お客様への接客対応では、自分は聞き役に徹して、お客様の話を遮らず最後まで聞いているそう。また、情報を聞き出す際には「どんなところで迷っているんですか」とストレートに質問していると言います。ただ、「声掛けのタイミングについてはまだ勉強中です。時にはタイミングを誤ることもありますが、その経験から学び続けています」と課題に向き合っているようです。購入が決まると、契約書の記入や具体的な飼い方、ワクチンの時期、保証の注意点について説明。「飼い主として必要な情報を丁寧に伝えることが重要です。説明時には早口にならないようゆっくり話すことを意識しています」。

この仕事で小林さんが大切にしているのは、自分が手掛けた仕事を最後までやり遂げる強い気持ち。手が回らない時には助けを求めているものの、責任感を持って仕事をすることが成長につながると考えています。そんな彼女に目標を伺うと、「お店をより良くするためにお客様目線で考え、今以上にさまざまな提案をしていきたいです」と小林さん。犬や猫に囲まれる時間を楽しみながら、飼い主さんとの良縁をつないでいます。