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お客様の笑顔を胸に生産現場の明日を見つめる【男山株式会社】

2024年5月20日公開

私が選んだ職場

IT不況の影響で将来に不安を感じ、10年以上勤めた半導体工場を離れて生まれ育った地元の清酒メーカーに転職した荒井さん。20年以上が経った現在は生産管理の仕事を通しておいしいお酒を国内外へ届けています。

製造部製品課 課長代理/荒井 智さん(53歳)
夫婦で愛犬(トイプードル)と一緒に道の駅を巡るのが休日の過ごし方。車中泊を楽しみながら地域のおいしいものを食べ歩き、昨年は道内127駅を完全制覇した。

自分の時間を大切に考え半導体工場に勤務。

旭川市で生まれ育った荒井さんは、実業高校の機械科に進学。卒業後の進路を模索している時に、求人票の中に千歳市の半導体工場を見つけます。「そこで働く部活の先輩から話を聞いていて、いい会社だという印象を持っていたんです。一緒にやらないかと誘いを受け、千歳へ行くことに決めました」。

職場ではシリコンウエハーの表面に設計通りの電子回路を形成する、いわゆる「前工程」を担当。精密機械を扱うため、整理・整頓・清掃・清潔の4Sが徹底されており厳しく指導されたと言います。とはいえ工場は1日12時間労働の交替勤務制で、勤務するのは週のうち3、4日。「半分は休みとなるので、若い自分には自由な時間を長く持てる魅力が大きかったですね」。

しかし10年ほどが経ったころ、ITバブルと呼ばれた好景気が終わりを迎え、一転不況が訪れます。景気変動があるとは予測していたものの、この先も何度あることかと不安になった荒井さんは転職を考えるようになりました。「当時は既に結婚していましたが夜勤で昼に寝ている日も多く、このままでは家族に迷惑を掛けてしまう」と一大決心。不況の影響が少ない食品関係の仕事を探し始め、故郷の旭川市にある清酒メーカー、男山株式会社の求人にたどり着きます。

故郷の酒造会社へ転職。4Sが働く原動力に。

2002年、中途採用の求人に応募し履歴書が通った荒井さんは、面接を経て無事就職。これまでの経歴を生かした機械関係の業務を希望し、製造部製品課に配属されます。

ラベル貼りの機械を扱う現場で2年間経験を積んだ後は、工場を離れて仕上げ担当に。ラインから上がってくるお酒を化粧箱に入れたり包装したり、外国への輸出用にラベル等を現地仕様へ切り替えて出荷する作業を行います。お酒造りの工程は精米、蒸米、こうじ造り、酒母造り、段仕込み、もろみ造り、上槽、ろ過、加熱、貯蔵、瓶詰めなどがあり、荒井さんは貯蔵タンクから瓶詰めされたお酒を、店頭に並ぶ商品として仕上げる最終工程を担ったのです。

「もろみからお酒を搾った後に残る『酒かす』は清酒メーカーにしかないものですが、これを製品にするのも仕上げ担当の仕事です」。そこでは前職で培った整理・整頓・清掃・清潔という4Sへの強い意識が大いに役立ちました。「口に入るものですから安全はすべてに優先されます。お客様にとって安心できる商品づくりは常に心掛けていますね」と表情を引き締めます。

先を見据えて計画し柔軟に対応する

現在、荒井さんは生産管理の担当に替わり3年目を迎えます。生産管理とは毎月、1、2カ月先の出荷本数の予想を立てて、現在の在庫数から何カ月先に何本必要かを見極め製品の瓶詰めスケジュールを計画するもの。「まずは月単位でざっくり計画し、その後状況を見ながら2週間先の工程を綿密に立案していきます。そして作業の1週間前に予定表を決定する流れです」。しかし、突発的な物産展への出展で予定にない商品が急遽必要になるなど、急ぎの対応を求められる場合もまれに起こります。そのため、計画は詰め込み過ぎず、柔軟に進められる余地を残しておくバランス感覚も大事だと言います。「複雑なパズルを組み立てるような業務ですが、計画通りに運んだ時はうれしいものですよ」。

工場の生産ラインは女性の契約社員を中心に作業が進められます。4人の男性社員は主に装置の運転やメンテナンスを担当。現在は職場の上司が個別に面談を行い、こまめにスタッフのケアをしているそうです。「いずれは私がそういう役割を担って会社を守っていける存在になれれば」と荒井さん。スーパーなどで自社のお酒を手に取るお客様の姿を見る喜びをやりがいに、生産現場の明日を見つめます。

  • あらかじめ充てん容量を操作し、瓶に合った量を的確に調整する

  • チェック作業は集中力が問われるため、1時間ごとに休憩を入れる

  • 添付ラベルの正誤や貼付漏れ、上下ラベルのミスマッチなどを確認する

頑張りが目に見える形で反映

工場スタッフ/西原のぞみさん

今まで経験したことのない仕事をしてみたいと思い、働き始めて5年になります。忙しい職場ですが、「箱づくり」では作業が進むほどに周囲に置かれた資材が減っていき、頑張りが目に見える形で反映されるのでやりがいを感じられますね。スタッフは30代後半から60歳くらいまでの主婦が多く話題が合いますし、いい人ばかりで本当に働きやすいですよ。

男山株式会社

伊丹にあった正統・男山を継承する、1887(明治20)年創業の清酒メーカー。1977年、日本酒では世界初となるモンドセレクション金賞を受賞するなど、早くから海外に目を向け輸出も積極的に行っている。

北海道旭川市永山2条7丁目1‐33
TEL.0166‐48‐1931
https://www.otokoyama.com/