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皮革産業の一翼を担い品質にプライドを持つ【株式会社作田畜産】

2023年12月18日公開

私が選んだ職場

好奇心旺盛でさまざまな職を経験してきた松村さん。新しい仕事に興味がわき、愛知県に渡ったこともありました。旭川に戻ってからは株式会社作田畜産に入社し、25年間勤務。現在は品質の高い皮を出荷するべく日々励んでいます。

取締役/松村祐一さん(48歳)
旭川市出身。趣味は映画鑑賞で、DVDは1,000枚近く所有する。休日は映画を見て過ごすことが多い。

異なる環境に身を置き人として成長

工業高校を卒業後、鉄工所や建築物の内装に携わる企業で働いたという松村さん。夏場と冬場で作業量が大きく変わること、好奇心旺盛な性格で新しい仕事に興味がわいたことから愛知県へ渡り自動車部品を製造する会社で働き始めます。そこは1つのラインに200人が入るような大きな工場で、「各組み付けラインに部品を納める『搬送』の業務を担当していました。部品の納入が遅れるとラインが止まってしまうので大変でしたが、充実していましたね」。

北海道とは異なる環境に身を置いたことで人として成長でき、正社員の話も上がったそう。しかし、ずっと愛知で暮らすことは考えられなかったと、旭川へ戻ることにした松村さん。地元で新たな職を探していたところ見つけたのが株式会社作田畜産でした。

同社には、食肉加工やオリジナルの冷凍・レトルト食品などを製造する本社工場と、革製品の原材料となる牛や豚の皮に防腐処理を施す原皮事業所があります。松村さんは、入社から8年ほど北海道畜産公社上川工場内にある原皮事業所で働き、その後営業職として本社へ異動になりました。

品質の良い皮にするため試行錯誤を重ねる

注文された肉やオリジナルの製品をホテル、飲食店へ届け、取引先から「こんな商品があったら使いたい」とオーダーがあれば、見積もりを作って提案。お客様に喜んでもらうことを心掛けて行動していたと当時を振り返ります。「時には生産者から直接、牛を1頭丸ごと仕入れることもあり、取引先ごとに部位や使う量などをイメージして工場へ切り分けを指定して、積極的に提案することも多かったですね」。

こうして14年間営業部で奔走していた松村さんが再び原皮事業所で働くようになったのは3年前のこと。北海道畜産公社の北見工場で取れた皮の処理を作田畜産で引き受けたことがきっかけでした。集荷担当が北見工場で皮を回収し、帰ってくるのが午後6時半過ぎ。その後の処理作業は夜勤で対応します。「上川工場分とは皮の鮮度が違うため、日勤と全く同じ要領というわけにはいきません。品質を保った防腐処理を行うために半年ほど試行錯誤の日々が続きました」。朝8時半に取れた皮は、何もしないでおくと夜には腐敗してしまうため、薬液に漬けた状態で旭川まで運んでいるそう。また、温度管理も腐敗を防ぐための重要なポイント。皮を入れる容器をプラスチック製にすることで熱が伝わりにくくするなど、改善を重ねて品質向上に努めました。

力仕事だからこそ息を合わせることが大事

皮の防腐処理は、大まかに塩漬け、水抜き、たたみの3つの工程があり、豚の皮の場合は余分な脂肪や肉を取り除くフレッシングの工程が事前に加わります。ドラムと呼ばれる大きな樽状の機械に皮と薬液を入れて回し、更に塩を加えて浸透させるのですが、大変なのはこの後。ドラムから皮を1枚1枚取り出すのがかなりの力仕事なのだと言います。牛の皮は約60kgにもなり、引っ張るのも一苦労です。皮を重ねて水分を抜いていく水抜きの工程では、「『せーの』と声を掛けて二人一組で持ち上げます。タイミングがずれると力が分散してしまうので、息を合わせることが大事ですね」。

ドラムもフレッシングも大きな機械。作動中は巻き込まれないよう周囲に注意を向けることも必要です。近づく時は周りに知らせる、動作中は近づかない、といったことを徹底しています。

どこよりも品質の良い皮にする。そのために働き方や出荷時間も含め発酵を抑える工夫を凝らしてきました。「現状維持で満足せず常に変化していくことが、成長していくために必要なことなんだと思います」と松村さん。時代の移り変わりにも柔軟に対応し、やがて皮から革へと生まれ変わる原材料を作り続けていきます。

  • フレッシングマシンで皮に残った脂肪や肉を奇麗に取り除く

  • ドラムを使って塩蔵処理をする。むらなくまぶした後ドラムから皮を取り出す

  • 牛の皮を隙間なく重ねていく。1枚60kgほどあるため、2人1組で作業する

良い意見は立場に関係なく採用しています

当事業所はスタッフが連携して作業を進めるので、まめにコミュニケーションをとり合います。上下というより横並びに近い関係性で、和気あいあいとした雰囲気で働ける職場ですね。品質など改善の見込みがあれば立場に関係なく意見を採用するのも特徴の一つです。力仕事メインで最初は大変だと思いますが、続けるうちに筋肉や体力が付いてくるので健康的に働けますよ。

株式会社作田畜産 原皮事業所

大正6年創業の食肉加工業者。自社で処理・加工した食肉を飲食店やホテルなどに卸している。原皮事業所では、革製品の原材料となる牛・豚の皮の防腐処理を行う。(写真は本社)

旭川市東鷹栖6線12 北海道畜産公社上川工場内
TEL.0166‐57‐4883
https://www.sakuta-chikusan.co.jp/

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