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暮らしを彩る家具を届け、お客様にも作り手にも感化されています【コサイン旭川本店】

2023年10月16日公開

私が選んだ職場

小さな木の端材が入り口で迎えてくれる、可愛らしい黄色い店舗。店内には木の温もりに満ちた生活道具が並びます。国内外でさまざまな経験を積んだ山形さんは、この店で初めて販売の仕事に従事。日々ブランドの魅力を伝えながら自身も「丁寧な暮らし」を楽しむようになりました。

店舗スタッフ/山形東子さん(51歳)
約10年前に旭川市に移住。仮想現実が見えるVRゴーグルで見本市に参加するなど、新しい情報や体験に敏感。休日はネコと遊び倒す。

国境を越える仕事を経て新天地の旭川へ

海外生活が長かった山形さんは27歳でイギリスの大学を卒業し、就職のタイミングで初めて日本で暮らすことになりました。在京テレビ局の同時通訳の部署で2年ほど勤務した後、「東京でOLらしいOLを経験してみたい」と思い立ち、商社や広告代理店を渡り歩きます。語学力や意欲を買われ、アメリカや中国など海外にも駐在。インターネット黎明(れいめい)期に海外のソフトウェア会社を日本へ誘致したり、日本の文化を海外に発信したりと、国境を越えた仕事に携わりました。「新しいもの好きなので、情報のアンテナを張って国内外で仕事をするのは性に合っていたんです」。山形さんは、忙しく駆け回った当時を振り返ります。

30代後半になると、山形さんに転機が訪れます。しばらく離れて暮らしていた両親は仕事をリタイアした後、旭川で暮らしていました。しかし母親が体調を崩したことで、「両親のそばにいようかな」と思い始めた山形さん。自身も旭川で新しい生活を始めました。

工場で実感した、大量生産とは違う価値

旭川で暮らし始めた山形さん。東京時代と変わったのは、地場産業に関心が向いたことでした。中でも引かれたのは、質の高さで知られる旭川家具です。業界では海外へ売り先を拡大するメーカーも増えつつあり、EC(電子商取引)はその1つの方法として注目されていました。

コサインもECに力を入れ始めていた時期で、運用する人材を探していました。山形さんはすかさず求人に応募し、40歳だった2012年に入社。初めの3カ月間は、ショップに隣接する工場で作業を手伝い、製品になるまでの工程を間近で見ることでメーカーとしての特徴を学びました。

店舗での対面販売も、ECの運用と並行して担当することになった山形さん。物を売るのは新しい挑戦でしたが、かねて「安価ではない家具を買ってもらうためには、どう魅力を伝えるべきなのか」の答えを探しながら工場で職人たちと接していたことがヒントになったといいます。「単に長い時間と手間をかけるだけではない、スタッフたちの愛着の強さが印象的でした」。実感したのは、大量生産とは違うものづくりの価値。店頭ではお客様に「人の手を感じますね」と声を掛けられることがあるそうです。森で育った素材を大切に扱い、暮らしにフィットするよう丹精することが、使い勝手の良い商品を生んでいるのだと思い至りました。

ゼロからの接客で特訓し伝え方も模索

一方で、山形さんが入社した当時は接客専門のスタッフがおらず、特訓が重ねられました。「お金の受け渡しなどで想像以上に気を使い、汗をかきました。ラッピングにも苦戦し、日々空き箱を拾ってきては練習しましたね」。今も、商品説明での試行錯誤は続きます。「どんな情報をどれだけ伝えると満足していただけるのか模索中です」と語ります。コサインは家具生産で出た木の端材を活用するために誕生したメーカーです。「素材を無駄なく生かす、『もったいない』が息づいています」と誇らしげな山形さん。工場の隣にいるからこそ、作り手の思いをお客様と共有できるのでしょう。

昨年、年配の女性が時計の修理で来店しました。時計は20年前、女性の息子が工場での木工教室に参加し、木の端材を貼り付けて作ったものでした。山形さんは「ずっと大事にしてくれていたんだ」と、驚くと同時に、作り手だけでなく使い手にも感化される仕事だと実感。「買う物を吟味し、大切に使う。私もそんな『丁寧な暮らし』ができるようになりました」。

便利なECの比重は社会の中で高まるばかりですが、そんな時代だからこそ実店舗ならではの役割はより重みを増しています。「この店を、ユーザーと作り手が出会い、コサインについて語り合える拠点にしていきたいです」。山形さんはそんな新しい店舗像を思い描き、お客様との一期一会を楽しんでいます。

  • 雑貨など小さなアイテムも多く、お客様が手に取りやすいよう並べる

  • EC担当を兼務するため、商品の魅力をどう伝えるか吟味する

  • かつて特訓に励んだという商品のラッピングを、スムーズにこなす

お客様との対話で一緒に暮らしを楽しめます

小売事業部 副部長/星 健太郎さん

販売スタッフはお客様に「良いものだ」と体感してもらえるよう魅力を伝えるのが仕事ですが、その対話を通じ、お客様と共に暮らしを楽しむことができます。大切に長く使える生活道具を作って販売するため、「自身の生活も変わった」と言うスタッフは多くいます。私の前職は保育士です。家具の知識がなくても、工場や各部署で一から学べます。

コサイン旭川本店

東京・青山、札幌と3店舗ある直営店の1つ。玩具や時計、看板商品の「ドレスラック」やベッドなど、コサインの多彩なアイテム群に実際に触れることができる。家具だけでなく雑貨なども幅広く扱い、「コサインがある暮らし」を提案。

北海道旭川市永山北3条6丁目2‐26
TEL.0166‐47‐0123