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「道」というコミュニティーを作る最初の仕事に誇りが持てる職場【株式会社丸松ササキ工業】

2023年9月11日公開

私が選んだ職場

土木工事会社の2代目として生まれ育ってきた佐々木さんですが、会社を継ごうとは考えていませんでした。しかし、さまざまな人と出会い人生を振り返る中で「両親に恩返しをしたい」と思うようになります。入社から13年、現在は代表取締役として職場の環境づくりに取り組む真っ最中です。

代表取締役/佐々木 聖さん(39歳)
旭川市出身。オートバイが趣味で、ヤマハYZF‐R1とMT‐01を所有。ツーリングだけでなくカスタムも楽しむ。

恩返しの思いから家業を継ぐ決意を固める

高校卒業後に本州の大学へ進学し、経済学を専攻した佐々木さん。キャンパスライフで人と接する楽しさを知り、就職は商社での営業職を考えていました。「当時は家業を継ごうとは全く考えていなかったですね」。結局、食品用の資材などを取り扱う商社で営業担当として働き始めますが、自分以外でもできる業務だと思い始め1年ほどで退職。そのタイミングで高校時代にお世話になった知人から紹介され、スポーツクラブで働き始めます。スイミングをメインに、ジムなどのインストラクターとして指導する中で、教え子が上達していく姿が達成感につながっていったそう。「水の中に潜れない子どもに『にらめっこの〝あっぷっぷ〟ってやってみて』と言ったらできるようになったんです。伝え方一つで理解が変わるのは発見でしたし、自分の成長も実感できました」。

父親から「戻ってきて会社を手伝ってほしい」と佐々木さんに打診があったのは、転職から2年半が経ったころ。「これまでを振り返り、『両親に恩返しがしたい』という気持ちが高まりました。妻との結婚も含めて覚悟を決めましたね」。こうして家業を継ぐ決意を胸に丸松ササキ工業へ入社したのは、2010年4月のことでした。

コミュニケーションが良い結果を生み出す

同社の業務は、アスファルトを敷設する舗装工事と工事現場の土を成形する土木工事に分かれます。舗装工事の大変さは「熱」にあり、アスファルトの合材は工場出荷時で160℃程、施工時でも150℃になるのだそう。冷えてしまうと使い物にならないため、作業はスピード勝負。温度と時間を管理し、熱さに耐えながら路面を奇麗にならします。

一方の土木工事では、排水升や水道管など多くの構造物を決められた位置と高さに設置する精度の高さが求められます。許容される誤差は約1センチ。それ以上ずれるとやり直すことになるそうです。だからこそ大事になってくるのが、作業員同士のコミュニケーション。準備や休憩中だけでなく、その都度気付いたことを口にして考えや目的を共有することで品質の保持につなげています。

また、地域住民との会話も欠かせません。「事前にあいさつをしたり毎日声を掛けたりして関係を築いていくんです。すると、迷惑が掛かるような突発的な追加工事が必要になった時でも『いいよいいよ』と言ってくださいます」。奇麗な道路を作る最初の下地は、コミュニケーションなのかもしれません。

代表として職場の環境づくりに力を入れる

佐々木さんが代表取締役に就任したのは2年前のこと。現場作業中心だった業務内容と打って変わって、マネジメント業務が多くなりました。元請けから工事の依頼があれば見積書を作成し、元請けとして仕事を受注する場合には入札の金額を算出、また材料購入の折衝やスタッフの作業日報の確認など多くの業務に奔走しています。時には路面の雑草発生を防止する特殊工法の営業に出掛け、道北や道東を回ることも。この施工ができるのは、道内でも同社と黒松内の会社の2社しかないそうです。

目を向けているのは外側だけではありません。代表になってからは職場環境の改善にも取り組んでいます。例えば60歳を超えたベテラン作業員には空調機能付きのベストをプレゼントしたり、所属長とマンツーマンで話す機会を意図的に増やして指示系統を一本化、責任感を意識づけているのだそう。「他にも従業員が『できない・しない・やらない』という思考に陥らないようにしたいと思っています。工期の短縮や工程の見直しなど、全員が自主性を持って提案ができるマインドを育てていきたいですね」。忙しい中でも週に一度は現場に顔を出し、作業員の様子を確認する佐々木さん。思いやりを大切に、長く働きやすい職場環境にするための試行錯誤を続ける日々です。

  • 路面を平らに固めてから舗装工事に入る

  • 位置と高さをしっかり定めて水道管を設置

  • 冬の間は除排雪を行い、地域住民の生活を支える

作業者だけが見られる完成直後のご褒美

土木関係の仕事は、よく3K(きつい・汚い・危険)と言われますが、大変だからこそ得られるやりがいもあります。完成直後の足跡一つない奇麗でまっ平らな道を見るとテンションが上がりますし、堤防や林道もアートに見えます。同時にこの道路は自分が作ったという自信と誇りも得られるんです。何でも前向きな気持ちで仕事に臨める方は活躍できると思いますよ。

株式会社丸松ササキ工業

1990年設立。土木・舗装工事を中心に、元請け・下請けとして多くの公共工事に携わる。道北、道東エリアで唯一、路面の雑草発生を防止するウィードコート工法での施工が可能。

北海道旭川市忠和6条2丁目3‐16
TEL.0166‐62‐5430