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奇麗な出来栄え、達成感がやりがいです【有限会社大成車体工業】

2023年7月10日公開

私が選んだ職場

子どものころから車が好きだった西尾さん。職業訓練校で板金修理の仕事があることを知ります。入社から25年、蓄積した技術を基に車を修理し続けます。

板金職人/西尾昌人さん(45歳)
幌延町出身。高校生と中学生、2人の子を持つ父親。ドライブ好きで、愛車はアルファード。

段階を踏んで少しずつステップアップ

西尾さんは高校卒業後、職業訓練校に通い板金塗装の技術を学びます。地元にも「○○ボデー」という名前の会社があるのは知っていたそうですが業務の中身までは知らず、学校に通う中で何をしているところか理解したといいます。1年間知識と技術を身に付け、修了後は友人の多い旭川で職を探し、仕事に就いたのが有限会社大成車体工業でした。

入社して最初に覚えることは清掃と洗車です。車はお客様の財産だとの考えから作業は常に丁寧に行います。隅々まで奇麗にすることを心掛け、シートとシートの間の細かな部分まで手を掛けるのがポイントです。初めの2、3カ月はこの作業がメインですが、他の工程も見て覚えながら次第に次のステップへ。例えば、塗装前の下準備として、塗装面に紙やすりを掛け塗料の密着率を上げる「ペーパー掛け」です。やすりの番手が小さいと粗すぎて塗装ができず、大きいとすぐ削れなくなるため最適な番手でやすりを掛けていきます。「分からないことは先輩に聞いて、工具の使い方を学びながら少しずつステップアップしていくんです」。こういった基礎を覚えながら徐々に技術が必要な業務を覚えていきました。

音を聞き分け色ムラを防ぐ

同社には塗装専任のスタッフがいますが、板金担当でも塗装を行うこともあります。その場合、準備として塗装部分以外に色が付かないようにマスキングテープで紙を貼る「紙貼り」という作業を行います。難しいことはないといいますが、紙をぴんと張らないと塗っている時にバタバタしてごみが舞い、塗装に支障をきたしてしまうこともあるそうです。準備ができればいよいよ塗装。下塗りをしてからメーカー指定のカラー番号の色を塗っていくのですが「ここで大変なのが色の調整です。車の使用年数や環境によって色あせるので、車ごとに色を整えて合わせる必要があります」。

塗装時に最も気を付けなければならない「色ムラ」については、防ぐコツはあるのでしょうか。「スプレーガンから出るエアの音を聞き分けるようにしています。塗料が出ている量を目だけではなく耳からの情報と合わせて判断し、色ムラを予防していますね」。多すぎれば塗料が垂れてしまい、少なければ下地が見えてムラができてしまいます。3回程度塗り重ね、場合によってはパール系の顔料やクリアの塗料を吹き付けて塗装の工程が終わります。

車体やパーツを根気よく直す

板金の場合、へこんだ部分を引っ張ったり深い傷をパテで埋めてならしたりして元の姿を再現します。「へこみはパネルの裏から押し出したり溶接をして表から引っ張ったりします。その後パテで埋めて平らに仕上げますが、確認は指先の感覚です。経験を積みながら感覚をつかんでいくことが大事になってきますね」。

また、交通事故などで曲がってしまったフレームを元の状態に戻すこともあります。リフトに乗せて車を固定し、機械を使って修理。図面を基に既定の位置にパーツが来るよう調整していきます。「1台にかける時間が長いので根気が必要です。事故車の場合エアバッグや天張りなどすべて外して交換することもあり、破損した部品が見つかれば追加発注する時もあります」。塗装に比べて直す手法や機材が多く、それだけ覚えることや技術も多岐にわたるのが板金業務の特徴です。

勤続25年を迎え、若いスタッフから修理の仕方について聞かれることも多々あるという西尾さん。自分の仕事をしながらも何か悩んでいないかと気に掛け、時には自分から声を掛けているそう。「仕上がりを見て『こうしたほうが良かったよ』とやり方を見せながらアドバイスしています。なるべく理解してもらえるように気を付けているつもりですが、ちゃんと伝わっているといいのですが」と笑います。

人間関係もよく居心地がいいという職場で技術を駆使し、今日もお客様の車を元の姿に戻していく西尾さんです。

  • 一定のスピードと距離でムラなくスプレーをしていく。

  • 深い傷をパテで埋める。段差ができないよう丁寧に塗っていく。

  • 曲がったフレームを機械で直し、元の位置まで戻す。

さまざまな工程を経験し、レベルアップできます。

工場長/境 幸廣さん

当社の板金作業は工程ごとに担当を決めるのではなく、一人のスタッフが初めから仕上げまで行うのが特徴です。自分の技術を伸ばすにはうってつけの職場ではないでしょうか。資格取得のサポートもしているのでぜひ挑戦してほしいですね。細かい作業も多いですが、それでも地道にこつこつできる人はこの仕事に向いていると思いますよ。

有限会社大成車体工業

自動車の板金・塗装、整備・販売の他、ロードサービスも行う。ディーラー併設の工場などもある。

北海道旭川市永山北1条11丁目43‐29
TEL.0166‐46‐3117