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スタッフへの感謝を忘れずに自身の役割を果たす【中華いちばんぼし】

2023年7月3日公開

私が選んだ職場

高校卒業後から飲食店で働き、やがて中華料理の道に絞り修業を続けてきた鷲尾さん。2021年にお店を開き、一定の味で手早く提供することを常に心掛けて、日々厨房で腕を振るいます。

オーナーシェフ/鷲尾孝則さん(48歳)
留萌市出身。かつては大型バイクに乗ってツーリングに出掛けていたが現在は売却。お店が落ち着いたら再びバイクに乗ろうと計画中。

さまざまな中華料理店で技術と経営ノウハウを学ぶ。

中学生まで留萌で過ごし、音威子府の高校に進学した鷲尾さん。当時は家具職人か理美容師、調理師のいずれかになろうと考えていました。卒業後に選んだのは飲食の道。旭川にある全国チェーンの居酒屋で働きますが、飲食の世界で働く以上はしっかり技術を身に付けたいと転職を決意します。「和食や洋食よりも中華のほうが豪快な自分の性格に合っていましたし、ダイナミックに上がる炎と料理番組の鉄人シェフに憧れて進むべき道を決めました」。

店舗ごとの手法や考え方など多くの学びを得ようと、1つのお店に留まるのは2年までと決め、町中華や本格中華、ホテルの中華で修業を重ねます。この時期に、腕の立つ先輩たちが独立してお店を開いたものの長続きしない現実を知り、味だけではなく経営能力も必要だと鷲尾さんは気付いたそう。その後中華の大手チェーンを渡り歩き、調理技術に加えて売り上げなどの数字やスタッフのマネジメントといった経営に必要なタスクも学びました。

時は流れてコロナ禍が訪れ、飲食店にとっては苦しい時期が続くことになります。しかし、鷲尾さんの考えは違っていました。「これまでの飲食業界は大手チェーン優位の時代でしたが、店舗数が縮小に向かっていましたし、世の中の価値観も変わる今が独立して生き残るチャンスだと思いました」。こうして2021年5月に中華いちばんぼしをオープンさせました。

2日前から始まる準備。段取りを考えて時間短縮。

鷲尾さんがコンセプトに掲げたのは「女性が来やすいお店」。中華料理店に持たれがちなイメージを変えたいと、内装を喫茶店のような雰囲気にしました。また、調理中もお客様の顔を見るためにガス台の位置を通常の壁側から客席側へ配置。独自のアイデアを盛り込んだ店内でお客様をお迎えしています。

1日の業務は肉や野菜のカット、スープや餃子、春巻等の下準備から始まり、開店後は調理、時には中休みの間に仕込みの続きを行うこともあります。開店準備から閉店まで、常に時間との勝負。複数の作業を並行して行いながら、一つひとつの作業も効率良く行う必要があり、そのためには段取りが大事だといいます。その日の営業が終わった時点で、翌日の作業について考えているそうですが、「何をしなければならないか頭の中でリストアップしています。スタッフの人数と時間を鑑みてどの工程を誰に振るか、自分は何をして何時までにどこまで終わらせるか決めていますね」と鷲尾さん。続けて「翌朝仕込みをするためには食材がそろってないといけません。発注をスタートと考えると、2日前から準備は始まっているんです」。先を見据えて準備することが時間短縮の肝のようです。

学びを生かして常に同じ品質で料理を提供する。

料理を作る際に心掛けているのが、提供が早くて味にブレがない「常に同じ品質」であること。中華料理は調味料をおたまですくい、職人の感覚で調理するイメージがありますが、それでは正確な分量が量れず味にばらつきが出るというのが鷲尾さんの考えです。同じ味付けにするために、レードル1杯で1人前になるよう調味料をあらかじめ作っておいているそう。「レードルは使い慣れないと作業に時間がかかってしまいますが、経験を積めばおたまですくうより作業効率が上がります。町中華のお店でレードルを使う人はあまりいないと思いますけどね」。味を均一化させながら効率も上げる、チェーン店での学びを生かした方法です。

一方、オーナーとしてスタッフのマネジメントやコミュニケーションはどのように行っているのか聞いてみると「僕のもとで働くスタッフに対しては、対等もしくは相手の立場が上だと思って話しています。僕一人では何もできないですし、お店が回りませんからね」。何十年と技術を磨いてもお店を続けるにはスタッフが必要不可欠で、本当にお店を運営しているのは実はスタッフなのだと語る鷲尾さん。今でも理想に近づく修業の日々だと考え、お客さんの満足のために今日も鍋を振り続けます。

  • 開店前にはピーマンなどの野菜をカットして準備

  • レードルで一人前の分量を量って入れる

  • 高い火力で手早く炒める鷲尾さん

作業負担は小さく、長所を生かせる職場です。

料理の価格を気にせずに、今食べたいものを選んでほしいという思いから、当店ではメニューの金額にほとんど差をつけていません。また、お客様それぞれのスマホを使って注文できるモバイルオーダー制と完全セルフレジを導入しているのが特徴です。スタッフの負担はその分少ないですし、長所を生かす業務の割り振りを心掛けているので、働きやすい職場になっていると思います。

中華いちばんぼし

2021年5月オープン。住宅街に店を構える町中華。味もボリュームもよく、メニューの種類も豊富だとリピートするファンも多い。

北海道旭川市豊岡7条4丁目1-4
TEL.0166-64-6660
https://ichibanboshi32.com/

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