安心して働ける職場はまるで家庭のようです【旭川小型運輸株式会社】

26歳の時に旭川小型運輸株式会社で働き始めた佐藤さん。憧れのドライバーとして従事します。キャリアを積むごとに任されるトラックも大きくなっていき、40代半ばで大型免許を取得。入社から23年が経った今も作業も楽しみ運送に取り組んでいます。

子どものころにF1レースをテレビで見て車が好きになり、将来は車を運転する仕事に就くのもいいなと考えていた佐藤さん。社会に出ると派遣社員としてイベントスタッフや土木業などさまざまな職業を経験します。「中には運送業もありましたが、当時は運送助手だったので運転はしていません。積み下ろしや運ぶ際には荷物を傷つけないよう気を付けていました」。どこで働く場合でも迷惑を掛けないことを最優先にして、短いと1日、長い時は3カ月同じ派遣先で働くこともあったそう。

やがて本格的にドライバーとして働きたい思いが強くなり、26歳の時に旭川小型運輸株式会社に入社。運送助手からキャリアをスタートします。かつて経験はあったものの、久々に持つ重量物に初めは苦労したそう。春先や秋口は引っ越しの荷物、夏場は野菜など運ぶ荷物で季節を感じながら、それぞれの積み込み方のコツを学んでいきます。1、2年を過ぎ2トン車の運転を任されるようになると運送助手から晴れて卒業。「乗用車と比べて大きく怖さもありましたが、乗るうちに少しずつ慣れていきましたね。ドライバーとして自分に自信が持てました」。

運送の業務で重要になってくるのが荷物の積み下ろしです。積み方一つで破損や荷崩れにつながることもあるため、そうならないためにも隙間をなくすのが積み込むコツ。重たい荷物は下に軽い荷物は上に、細いものは間に挟むなど臨機応変に判断しています。しかし、丁寧な作業だけを心掛けていても時間がかかっていてはお客様に迷惑を掛けてしまいます。例えば引っ越しの場合には「段ボール、小物、大型の家電などをどの順番でトラックに積むと効率が良いのか考えています。荷物をトラックから降ろすところから逆算して積んでいます」。

また、いくら隙間なく奇麗に積んだとしても、運転が荒いと元も子もありません。アクセルワークで荷物に掛かる負荷は違ってくるそうで、急発進や急ブレーキはもちろん遠心力の掛からない運転が求められます。また、スピードだけではなくハンドル操作も安全運転には欠かせないことの一つ。特に大型のトラックの場合は「乗用車と比べて横幅も長さも全然違います。内輪差を考えてミラーをよく見ながら操作しないと、歩行者や自転車を巻き込んでしまいますからね」。作業も運転も雑に行わないことがうまい下手を左右するといえそうです。

現在、ピアノをメインに運ぶことが多い佐藤さん。ピアノはかなりの重さがあるため、持ち運びの際には細心の注意を払っています。一緒に持つ相手とタイミングがそろわないと重く感じたり持ち上げにくかったりするといい、お互いの声掛けが大事になりますが、「相手と同時に上げるには、普段からコミュニケーションを密に取ることが大事なんです。お互いをよく知っていると息が合ってきますし、長年やっていると声を掛けなくてもあうんの呼吸でできますね」。時には入り口や通路を通り抜けられないこともあるそうですが「そういう時はピアノをバラバラにして運んで、設置場所で組み立てるんです。ピアノの構造をよく理解していないと元に戻せないので知識や技術が必要ですね」。荷物以外にも梱包や周りの養生も丁寧かつ奇麗に行うのが佐藤さんのモットー。いつも楽しげに笑顔で作業したりお客様と接したりしていて、後日お礼の電話や手紙をもらうこともあるのだとか。

IoT化が進む同社では、デジタルタコグラフを導入して運行を見える化。業務の進捗や応援の必要性を判断し働きやすい職場へと変化させています。ドライバーとオペレーターとで円滑なコミュニケーションを図りながら今日も佐藤さんは丁寧な配送を行っています。