家族のように話しやすい頼れる仲間がいる【株式会社北斗警備】

長らく続いた子育てを終え、自分の時間が持てるようになった及川さん。興味のあった警備の仕事に飛び込み、もうすぐ4年が経とうとしています。さまざまな現場で周囲の状況把握とコミュニケーションを心掛け、事故のない現場を作り上げています。

もともと美容師に憧れていた及川さんは高校卒業後、美容室の見習いスタッフとして就職しました。しかし、使用する液剤が体質に合わず美容師の道を断念。温泉地のホテルで働き、清掃やベッドメイキングを行うようになります。「観光客の方にお勧めの場所などを聞かれて教えることもありました。出身も年齢も違う方々と話すのが楽しかったです」。

その後結婚し、妊娠・出産を機に退職。2、3年経つと保育園や両親に子どもを預け、飲食店で働きはじめました。「ホールでは明るい声でご案内し、厨房では腕を振るいつつ盛り付けも工夫して、味も見た目も喜んでもらいたいと励んでいました」。2年半ほど働いた後再び妊娠すると、3人目、4人目と子どもを授かり、実に20年以上子育てに専念したそうです。一番下の子が自立し、自由な時間が持てるようになった及川さんはまた働くことを決断。「飲食の仕事が好きでお店で働くことも考えましたが、運転中に警備員が交通誘導をしている姿を見かけた時にやってみたい気持ちが強くなっていきました」。警備会社や業務を調べて自分に合っている職場を選んだ結果、たどり着いたのが北斗警備でした。

入社後最初に行われる座学研修では、3日間で警備の基礎知識や技術を学びます。覚えることも多く大変でしたが、及川さんは知らないことばかりでワクワクしていたそう。「現場で使う道具の名前や使い方、車両について教わりました。聞いたことがないものは特にメモを取りながら覚えましたが、新しい知識を身に付けることが楽しかったです」。

しかしいざ現場に出てみると、勝手が違い戸惑ったと言います。建築工事現場の警備ではどこからでも見える位置に立って誘導する必要がありますが、ダンプがバックしてくる際に死角に立ってしまったことで巻き込まれそうになったこともあるのだとか。「自分がもう少しミラーに映る位置に出ていればお互いに見えました。合図も掛けることができてより安全にダンプを下げることができたと思うんです。こればかりは座学では学べませんよね」。こうした改善策が身に付いたのも、先輩の指導とアドバイスがあったからこそ。研修で学んだ他の知識も現場仕様に落とし込んでいきました。旗振りでは車両の距離に合わせて大きく振ったり小さく振ったりと振り方を変える技術を習得。初めは弱々しく一定ではなかった笛の音も、自信を持ち力強く吹いて安全にトラックを誘導できるようになりました。

入社からもうすぐ5年目に突入する現在。及川さんが留意する対象も、自身の技術から歩行者や車両へと変わっていきました。無線で反対側の状況を確認する時は余裕を持って車を止めることを心掛けています。また、歩行者にも早めの声掛けを行っていて「私は基本の場所より7、8歩前に歩行者が来たあたりで声を掛けるようにしています。すると周りを気にして歩いてくださったり何の工事か聞かれてコミュニケーションが生まれるんです」と自分なりの注意喚起をしています。

警備・誘導を行うのは工事現場だけではありません。イベント会場やスーパーなどの商業施設で駐車誘導を行うこともあります。駐車場ではヘルメットではなく制帽をかぶり、どんな場合でも決して車道には出ないことが鉄則。無線機を駆使して同僚とコンタクトを取りながら誘導していきます。「駐車スペースの空き状況を無線で確認してから『○○さんのところに1台回します』と車両ナンバーを伝えるんです。『あと何台入れられる』と返ってくるので埋まるまで誘導し、空きがなくなれば別のエリアのスタッフへ聞いて回します」。こまめにコミュニケーションを取って円滑な誘導につなげながら、今日も新たな現場で安全な通行をサポートしています。